ついに昨日その全貌が明らかとなった『灯争大戦』。

　このセットの最大の目玉要素はなんといっても「過去最も多くのプレインズウォーカーが収録される」という点だ。通常、１セットに収録されるプレインズウォーカーは多くても３枚程度。しかし今回収録されるのはなんと37枚！ (※ボックス購入特典の《橋の主、テゼレット》を含む)誰もが目を奪われる派手さである。

　しかし、そんなセットだからこそついプレインズウォーカー以外のカードにまでチェックが及んでいないという方もいらっしゃるのではないだろうか？

　プロたちが口を揃えて「カードパワーが高い」と語る本セット。中でもどんなカードが注目されているのか。ここでは、プレインズウォーカー以外のカードについて４人のプロから話を伺った。

井川 良彦

井川「《奔流の機械巨人》だね！」

――「いません」

井川「いやいや、よく見て！ これ！」

井川「このカード、《奔流の機械巨人》で《天才の片鱗》を唱えるのとほとんど同じ盤面を作れるんだよね。しかも《終局の始まり》は打ち消されないから、ミラーマッチでも強い。当時《奔流の機械巨人》があれだけ強かったんだから、《終局の始まり》もかなりやってくれると思うよ！」

井川「あとみんな言ってるけど、もしもリミテッドで《永遠神オケチラ》を出されたら……俺は冷静でいられる自信がない」

中村 修平

中村「うーん……《猪の祟神、イルハグ》かな。単純に５マナ６/６トランプルの時点で強いのに、一度殴ったらゲームが終わるくらいのポテンシャルを持ってる。サイクルだから仕方ないとはいえ、最後の能力なんか余計だと思うけどね」

中村「それと《死の芽吹き》とか？ これからは対戦相手が４マナ構えてたらクリーチャーを出すだけで損するかもしれないんだよね。で、土地伸ばされて《ハイドロイド混成体》とか出されたら……もう想像するだけでやる気なくなっちゃう」

高橋 優太

高橋「《ドビンの拒否権》はレガシーやヴィンテージも含めて全フォーマットで注目のカードだね。これはレアケースかもしれないけど、《虚空の杯》が出ていても使えるのは覚えておくといいかもしれない」

高橋「あと《爆発域》もすごいよ。ヴィンテージのMUDデッキが《石のような静寂》や《無のロッド》に触れるようになった。メタが変わっちゃうというか、ちょっとおかしいレベルの強さだと思うよ」

山本 賢太郎

山本「僕が注目してるのは《古呪》かな。うまいこと決まることは少ないかも知れないけど、やっていることは２マナのカードとしては破格だし、何よりロマンがあるよね。望む数と書かれているのもポイントで、統率者戦なんかでも活躍する可能性を秘めてると思う。要はロマン。マジックはロマンだから」

――「いつもとキャラ違いませんか？」

山本「全然違わないよ！ 《猪の祟神、イルハグ》なんかもいいよね。ロマンあるよ、ロマン」

　いかがだっただろうか。若干１名ほとんど「ロマン」としか発言していない人がいたものの、ある意味普段クールな山本のキャラを狂わせるくらいパワーカードが溢れるセットということだろう。ちなみに実際の発言はもっと支離滅裂だったのだが、本人の名誉のためにもこれ以上は言うまい。

　また、スタンダードのみならずレガシーやヴィンテージといったエターナルフォーマットにも影響を及ぼし得るポテンシャルを秘めているようだ。『灯争大戦』がリリースされるまであと２週間。世界が塗り替わるかも知れない瞬間を楽しみに待つとしよう。