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プレイヤーズコンベンション愛知2022

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アーティストインタビュー・その2:加藤 綾華、山宗、百瀬 寿

Yuichi Horikawa
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 このイベントには日本人アーティストが来場されました。

 サイン会などでお忙しい中、お時間をいただき、アーティストたちにインタビューさせていただきました。

 その2つ目の記事です。(前編はこちら)(順不同、敬称略)

加藤 綾華

Twitter:@ayakato22

pixiv:加藤綾華

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――カードアートの依頼はどのように受けたのでしょうか?

加藤「もともとゲーム系のイラストでお世話になっていた会社から、依頼がありまして描かせてもらうことになりました。はじめ、ギャザって聞いたときはびっくりしましたね」

――マジックのカードのアートを描く上でなにか気をつけていることはありますか?

加藤「設定資料がたくさんありましたので、その内容からずれないようにすること、今回のアートでは、和風のテーマってこともあったので、他のゲームだとかわいい絵柄で描いていることもあるんですが、リアル寄りの絵で和風にした形ですね」

――《浅利の司令官、理想那》を描かれるにあたって、こだわった部分や、ここをみてほしいなどありますか?

加藤「そうですね。はじめ理想那の資料を貰った際に、司令官だということだったので、力強い雰囲気に描こうと思いましたね。設定資料だと、かなり日本人っぽくない雰囲気だったので、それをより日本人ぽくしつつ、女性だけど力強い表現をするために、目に力の入る構図にしました。そのために敢えて口を隠したりしましたね」

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――好きなプレインズウォーカーはいますか?

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加藤「『Secret Lair』の《ウィンドグレイス卿》ですね。絵がすごくかわいくて、猫が好きなので」

――あなたにとってマジックとは?

加藤「憧れですね。身内がマジックのカードを持っていて、家族で遊んだりしていたんです。その頃から絵をみていてすごいなって思ってて、いつか描けたらなって思ってたんです。夢がひとつ叶ったみたいな感じです」

山宗

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Twitter:@34u_hb

Webサイト:HEAVENLY BODY

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――カードアートの依頼はどのように受けたのでしょうか?

山宗「マジックの依頼のくれた会社とは、それこそ10年以上のお付き合いがありまして、その流れでって感じですね」

――マジックのカードのアートを描く上でなにか気をつけていることはありますか?

山宗「描くキャラクターの設定資料が送られてきて、まぁこんなキャラクターですっていう。それを見て、これはなんか革っぽいなとか、襟はこうなってるのかとか、細かいところもそれに合わせて。とか、とにかく設定に合わせる」

――アート描く上で何かこだわりがあったりしますか?

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山宗「僕はとにかく、迫力が欲しいんです。なにを描くにしても、迫力を出せる絵ってのを思ってるんで、マジックだとそういったものは本当に合うんで、自分の描きたいのと合致した形です。チェーンで炎でってなると、これは(迫力が)出るなって。だから、描くまえから、これは楽しそうだなって思ってましたね」

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――描いたアートの中で気に入っているものはありますか?

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山宗「《毒血勢団の影歩き》ですね。基本的に描いたのは、元絵があったり、キャラクターが決まってたりするものが多かったんですが、その中で1つだけ、オリジナルというか元絵がないアートがあったんです。大きな枠組みとして、こんな感じのキャラクターってのはあったんですけど、その中でオリジナルを描けたなってのはありましたね。楽しかったですね」

――赤いマフラー的な部分は設定にあったのでしょうか?

山宗「オリジナルですね。マフラーはやっぱり、ほら、忍者っていったら赤いマフラーがたなびいてかっこいいなって」

――好きなプレインズウォーカーはいますか?

山宗「ウギンですね。好きっスね。ドラゴンのフォルムがすごくかっこよくて、昔に別の案件とかで、資料を探す中で見つけて、すごく好きになりましたね。強いキャラクターってだけあって、すごくうまいアーティストが描かれていて、それがかっこいいんですよね」

――あなたにとってマジックとは?

山宗「ファンタジーの大きな核みたいな。僕はカードゲームはできないんですけど、マジックのアートはめっちゃ見てたんです。海外系の絵が僕は好きなので、海外のアーティストの画集を買ったりして見てたら、『あっマジックの絵だ』『これもマジックだ』って感じで、僕の場合は絵だけになるけど、僕の中のファンタジーの核になっている部分です」

百瀬 寿

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Twitter:@momos_page

YouTube:MoMo Channel イラストレーターを目指そう!

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 百瀬さんはアーティストとしてカードアートを描くだけでなく、現在ご自身の運営される会社を通じて、マジックの日本人アーティストの紹介もしていらっしゃいます。

――カードアートの依頼はどのように受けたのでしょうか?

百瀬「もともと『デュエルマスターズ』の仕事を通じて昔から知り合いだったウィザーズのスタッフの方から、『灯争大戦』で日本人アーティストの絵でプレインズウォーカーを作ってみたいと依頼をいただきまして、そこでアーティストを選定して制作したって感じですかね、それが、ここ最近だと一番最初の依頼の流れです。マジックについては、なかなか日本人のアートは起用されないなって感じでここ10年20年はきたんですけど、試しでやってみようみたいな話が『灯争大戦』からですね」

――突然イラストレーターをたくさん紹介しないといけない流れになったわけですが、どのようにアーティストは選定していったんでしょうか?

百瀬「とにかくね、たくさんのイラストレーターの方との繋がりがありますので、その方々をごっそり紹介して、ウィザーズの方がピックアップするって流れでしたね。当社がこの人絶対推したいですみたいに言うんじゃなくて、単純に先方のアートディレクターが選んでくれるって感じです」

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――マジックのカードを描く上で、なにか気をつけていることはありますか?

百瀬「やっぱりその、日本人が描いてるので、パッと見たときに日本人が描いたよって絵だなってわかるようにってのは意識してますかね。かといって、アニメ絵だったり、萌え絵だったりするのでそこまで行きすぎちゃうとブランドとちょっとずれてくるので、日本人の私が描ているんだけれどもマジックのブランドに損なわないような絵柄のイメージはしてますけど」

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――難しいですよね、間といいますか、海外の絵と日本絵の中間的な?

百瀬「そうです、そうです。もともと僕は、日本と海外の間の絵みたいのを追い求めてるタイプなんで、ちょうどうまくハマったのかな?って感じはしてますけど」

――こだわっているところはありますか?

百瀬「私は比較的なんでも描けますんで、なんでも描きますよっていう感じですね。男性も描くし、女性も描くし、背景も描くしみたいな。あとはクライアントさんの要望に沿った内容の絵を描こうと頑張るかな?」

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――《放浪皇》のアートを描くにあたって何かこだわった点はありますか?

百瀬「日本人の私が描いたような感じにしつつ、日本画っぽいような印象に描いてみたらどうかなって思ってアウトラインを強く入れたりとか、日本っぽい絵にしようって思いましたね。日本の絵は省略する文化があったりするんで、ちょっとマンガっぽい感じの要素を入れたりとか、提灯の部分を図形っぽくしたりとかしましたね。資料を見ると日本画の絵とかそんな風になってるんで、あえて1色2色3色みたいな簡略化しましたね。雰囲気を出すというか」

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――マジックはプレイされるのでしょうか?

百瀬「MTGアリーナのほうは、もうずっとやってるんで3年ぐらい前からですね。『灯争大戦』の仕事を受けたときに調べるためにやったんですけど、そこからずっとやってますね。もともとは『基本セット第7版』を持ってたんで、その頃にもデッキを組んだりして会社の人と遊んでましたね。《はね返り》でクリーチャーを1回手札に戻させて捨てさせるとか、よく使ってたりしましたね」

――好きなプレインズウォーカーはいますか?

百瀬「ダブリエルかな、やっぱり」

――ダブリエルですか!?

百瀬「だって、あいつ強いもの。MTGアリーナやり始めの頃から、黒単を使ってて(ダブリエルが相手の手札を)落してくんで。軽く出せて、手札を何枚も落とせて、つぇーなぁ〜みたいな。あのデッキの勝率が一番よかったと思う、思い出深いですね。他には、チャンドラかな? あれも使ってて楽しかったですね」

――あなたにとってマジックとは?

百瀬「マジックは、イラストレーターになったときに目標としてたものですね。18年ぐらい前に、マジックのアートを描くチャンスがあってプレゼンしたんですけど、通らなくて、今描けてよかったなっていうのはありますね」


 来場された6名のアーティストにインタビューをさせていただきました。六者六様の回答があり、私もインタビューをしていて大変に楽しかったです。

 また、お忙しい中、お時間をいただきましたアーティストの方々には、大変ありがたく思っております。

 海外のアーティストだけでなく、国内のアーティストがサイン会を開くことは、今までのマジックの大型イベントでは、なかなかなかったことです。イベントは非常に賑わっていて、アートの持つ力は国境を超えるのだなと改めて感じさせられました。

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