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マジックフェスト・千葉2019

インタビュー

「草の根の王者」中道 大輔、グランプリに君臨す

Yuichi Horikawa
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 2317。

 この数字が意味するところがわかるだろうか?

 これは、グランプリ・千葉2019に参加したプレイヤーの数だ。

 そして、その中で、王者になれるものは、たったの1人だ。

 2317分の1。

 とてつもない数のトップに君臨したのは、中道 大輔 選手だった。

 プロツアー(現ミシックチャンピオンシップ)に出場したことはあるものの、公式大会でのタイトルが無かった中道選手。

 草の根大会では、その力をいかんなく発揮し、草の根大会の王者とまで呼ばれていたが、それはもう、過去の話。

 今日この日に、彼はついにグランプリ優勝というタイトルを手にした。

 そんな優勝直後の彼にお話をうかがった。

マジックとの出会い

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――優勝おめでとうございます!

中道「はい、ありがとうございます」

――グランプリの王者になりましたが、マジックは始められてどれぐらいになるのでしょうか?

中道「マジックを始めたのは『テンペスト』の頃ですね。『基本セット第4版』が日本語化してそのころにはじめたから、小4の時ですかね?」

――きっかけは、何だったのでしょうか?

中道「お兄さんがいるんですけど、そのお兄さんがマジックのカードを買ってきて『やろうか?』っていう形でマジックをはじめたのがきっかけです。その時によくわからない絵描いてるなぁ~って思いながらも、プレイしながら学んでいったところですね。その時に徐々にはまり始めていった感じですね」

――なるほど。昔は怖い絵のカードも多かったですよね。

中道「そうですね。黒いカードなんか、昔はちょっとグロい絵のカードも多かったですね。それが雰囲気が出てたんですけどね。今はキレイ系の絵のカードが多くなったなって思いますね」

グランプリに出るきっかけ

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――グランプリにはいつ頃から出場しているのでしょうか?

中道「グランプリに出るようになったのは、社会人になってからですね。ブロック構築のグランプリ・神戸2008で初めて出場しました」

――それは、なぜ出ようと思ったんでしょうか?

中道「もともと、北海道でマジックを始めたんですけど、その当時は大会がほとんどなくて、(大会に)出るのがむずかしかったんです。友達同士でマジックをやってた感じだったんですけど、専門学校を出て関東で就職して、フライデー・ナイト・マジックに出るようになったんですよ。それで草の根大会の『五竜杯』とかに出て、ちょっと良い成績とか出したりして。じゃぁ、グランプリ出てみるかって感じになって遠征した形ですね」

今回のグランプリに向けて

――今回のグランプリに向けての練習はどれぐらいされたのでしょうか?

中道「今回は主にドラフトを中心に練習したって感じですね。ドラフト自体は、何人か集まる合宿形式での練習に参加したところが、ドラキチ合宿ってのがありまして、そこに2回ほど参加させていただきました。もう一つが、BIGsの斉田さん(斉田逸寛さん)が主催してるドラフト会に参加しました。そっちは、検討を含めたドラフト会でしたので、ドラフトピックの点数を共有する感じで練習しました」

――ちなみに、何回ぐらい『基本セット2020』のドラフトをしましたか?

中道「そうですね。合宿は全部で5日間でしたので、1日3回以上はドラフトしてたので、15~16回はドラフトしましたね」

――今回ドラフトは全勝で9-0とのことですが、やはり練習の成果だったのでしょうか?

中道「そうですね、今回の『基本セット2020』のドラフトは、自分ではあまり意識しなかったんですけど、0-3を1回もしたことがなくて、0-3すると、ちょっと苦手意識がつく感じなんですけど、それがなくて、結構得意な環境なのかなぁ~ってところがありまして。コンバットトリックが重要なセットではあるし、それが自分は得意ではあるので、それを活かせたのかなぁ~ってところですね」

――Magic Onlineなどでは練習はされているのでしょうか?

中道「MOは自分はやっていなくて、MTGアリーナで何回かドラフトした程度ですね。自分には人と練習する方がためになるなって思えることが多いので」

『基本セット2020』のドラフトのコツ

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――グランプリでのドラフト全勝とのことですので、ぜひ、この環境のドラフトのコツを教えてください。

中道「ドラフトのコツですか……。自分は白をやらないってことが大前提です。白をやったドラフトは、必ず1-2か2-1するって、ジンクスではないんですけど、あんまり強くならないという感じがしまして、白は完全に切ってましたね。今回(グランプリで)のドラフトも白は触れないようにしてました」

――それは、全くピックしないのですか?

中道「そうです。たとえパックから白のレアが出たとしても、上でも下でも(白を)やらせてあげるって感じで流しましたね。むしろ、誰か(白を)やって、俺に(他の色の)カードを流してくれって感じですね」

決勝のデッキについて

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――決勝のデッキを見させてもらったんですが、めちゃくちゃ強かったですね!

中道「はははは。過去最高の出来の強さぐらいでしたね(笑)。こんなにカードが取れてすごいデッキになるんだなって感じがしました。1パック目で《裏切りの工作員》、2パック目で《アーク弓のレインジャー、ビビアン》でめちゃめちゃかみ合いました」

――何か流れが来てたのかもしれませんね。ちなみに、今日何か行けそうだなって雰囲気はありましたか?

中道「今日1回目のドラフトで、3-0したっていうのと、セカンドドラフト終わった後に、これはまぁまぁやれそうだな、ミシックチャンピオンシップの権利ぐらいは取れるかもしれないってぐらいの感触はあったんです。が、まさか、トップ8に残ってここで、3-0できるとは思いませんでした。ちょっとでき過ぎですね」

――いやいや、今までずっとマジックをやられてきた成果だと思いますよ。

中道「初日のレア無しのシールドプールから、その分反動がきて2日目にバババーっときたのかなとは思ってますけど(笑)」

――今回優勝賞品にカップヌードル1年分があるんですが、どうされる予定でしょうか?

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中道「正直、半分ぐらいは自分で食べると思うんですが、残りはお世話になっている知人に渡したりだとか、草の根大会のPWCで配ろうかなって考えてます。でも、まだ許可取ってないんで(笑)」

――最後に、優勝したお気持ちをお願いします。

中道「まさか、勝てるとは思いませんでしたけど、優勝したからには『今、おれがリミテッド一番だ』って想いを噛みしめていきたいなと思っています。ありがとうございます」


 笑顔で去って行った中道選手。

 その後を追うように友人が彼に声をかけ、その戦果をアツく称賛していた。

 彼が最後に語った言葉。

「今、おれがリミテッド一番だ」

 この日本で、この瞬間、唯一胸を張ってこのセリフを言えるのは、王者の中道大輔選手ただ一人だけだ!

 優勝おめでとう!!

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