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グランプリ・静岡2018(レガシー)

観戦記事

第4回戦:山本 賢太郎(東京) vs. 田中 柾伎(静岡)

小山 和志
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 山本 賢太郎

 前回のレガシーによる国内グランプリ、グランプリ・千葉2016王者であり、先日行われたグランプリ・名古屋2018では佐藤レイ、行弘賢とともに戴冠しており、二重の意味でのディフェンディングチャンピオンと言えるプロプレイヤーが第4回戦から登場する。グランプリ・千葉2016では「スニーク&ショウ」を手に、初めてグランプリで優勝を果たしており、本イベントでも引き続きその愛機を手にしている。

 その山本の対戦相手としてフィーチャーマッチテーブルに座ることとなったのは地元静岡在住の田中柾伎。山本と握手を交わし、静かにシャッフルを始め大一番への準備を進めていく――

 
山本 賢太郎(写真左) vs. 田中 柾伎(写真右)

――2年振りのレガシーグランプリ。第4回戦の開始を告げるアナウンスが響き渡った。

ゲーム1

 前述の通り、山本はグランプリ・千葉2016で「スニーク&ショウ」を手に自身初のグランプリタイトルを獲得した。その決勝戦のパフォーマンスは圧巻だった。

 対戦相手の木原が使用していたデッキは「スニーク&ショウ」にとって比較的相性の良い「奇跡コントロール」だったが、そんなことは関係なく第1ゲーム・第1ターンに《古えの墳墓》《水蓮の花びら》と並べ、《実物提示教育》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を呼び出したのだ。

 そして、このグランプリ・静岡2018 レガシーの4回戦では2年前の決勝戦をそのままなぞっているかのように、またしても山本は第1ゲーム・第1ターンからコンボを仕掛ける。

 すなわち、《古えの墳墓》《水蓮の花びら》から3マナを捻り出し――

 またしても第1ターン《引き裂かれし永劫、エムラクール》降臨!

 だが、あの時とは対戦相手も、そのデッキも異なる。

 
田中柾伎は冷静に山本の《実物提示教育》に対応する

 田中は山本の《実物提示教育》により《スレイベンの守護者、サリア》を手札から公開する――

――「デス&タックス」。妨害能力をもつクリーチャーをふんだんに採用している白単色のデッキであり、「スニーク&ショウ」に対しては「ガン有利ですね」と田中が即答するほどに相性差があるデッキだ。

 そして、田中は山本のデッキを予想してのキープだったのだろう。ターンを迎えると《引き裂かれし永劫、エムラクール》にすぐさま1枚のカードを突きつける。

 哀れ、《引き裂かれし永劫、エムラクール》は何もなすことなく手札へと舞い戻っていった。

 そして、山本は土地が《古えの墳墓》のみで止まってしまっており、二の矢を継ぐことができない。田中の《霊気の薬瓶》こそ《意志の力》で退けるが、《聖域の僧院長》を「3」で設置され、万事休す。

 ようやく土地を引き込み《渦まく知識》をプレイし3枚のカードを見たところで、山本は少し頭を下げて「負けました」と静かに告げた、

山本 0-1 田中

ゲーム2

 マリガンスタートの山本に対し、田中は《霊気の薬瓶》というグッドスタート。山本はこれを《削剥》で即応する。

 田中は2ターン目に《スレイベンの守護者、サリア》をプレイし、山本の《Volcanic Island》を《不毛の大地》で割り、さらに《ファイレクシアの破棄者》で《騙し討ち》を指定と、対「スニーク&ショウ」としては理想的な展開を繰り広げる。

 だが、山本は構わず《実物提示教育》をプレイ。これで《グリセルブランド》を降り立たせる(田中が戦場に出したのは《ルーンの母》)。この《グリセルブランド》は《剣を鍬に》で対処されるが、能力を起動し7枚のカードをドロー。そして、ふたたび《実物提示教育》から《グリセルブランド》を呼び出す。

 《ルーンの母》がいるとはいえ、山本のライフはまだ9残っており、さらに《グリセルブランド》の絆魂がそれを安全圏へと引き上げる。

 田中の攻勢は完全に止まり、山本はさらに《秘儀の職工》を追加する。

 田中は《議会の採決》で《グリセルブランド》を対処するものの、さらに7枚を引いた山本は《紅蓮地獄》で、《ルーンの母》により守られた《ファイレクシアの破棄者》を除いた田中のクリーチャーを一掃する。

 そして、田中のターンエンドに山本は《秘儀の職工》の能力を起動する――

――大量のカードを引いた山本が、彼女を手に抱えていないはずがなかった。

山本 1-1 田中

 
山本は不利と言われるマッチアップながらも1本を取り返す
ゲーム3

 田中が《リシャーダの港》《霊気の薬瓶》から《カラカス》というグッドスタート。

 この《霊気の薬瓶》は《ルーンの母》を戦場に出したところで《削剥》で失うが、2枚目をプレイし、《不毛の大地》で《Volcanic Island》を破壊と、山本の動きを縛りつつターンを返す。

 ターンを受けた山本はアップキープの宣言をしっかり、ゆっくりと行う。《リシャーダの港》がアクティブである状態では重要なやり取りだ。そして、山本は《渦まく知識》で手札を整理しつつ《スレイベンの守護者、サリア》をケアし《水蓮の花びら》を設置すると、2枚目の《削剥》で《霊気の薬瓶》を破壊する。

 田中はそれを意に介さず《スレイベンの守護者、サリア》をプレイし、引き続き山本の動きを制限しつつダメージ源を増やしていく。

 山本は《カラカス》がアクティブではあるが、意を決し《実物提示教育》から《グリセルブランド》を戦場へと向かわせる。

 だが、田中の手札からは《宮殿の看守》。

 これが《グリセルブランド》を追放する。山本はそれに対応して7枚のカードを引き、《秘儀の職工》を続けるが、能力起動と《古えの墳墓》によるダメージが重なり、すでにライフは危険水域の6だ。

 山本は《宮殿の看守》を《削剥》しダメージクロックを軽減するが、「統治者」を動かす術が無い以上《グリセルブランド》は依然閉じ込められたままだ。

 田中は意を決し、プロテクション(青)を《スレイベンの守護者、サリア》に与え《秘儀の職工》を乗り越え、ダメージを通しに行く。

 ライフが2となった山本はフェッチランドを起動し、残りは1。ここで《紅蓮地獄》を唱えギリギリのところで踏み止まろうとするのだが、田中は冷静に《カラカス》で《スレイベンの守護者、サリア》を手札に戻し再キャスト。そして続くターンに《ちらつき鬼火》で唯一のブロッカーである《秘儀の職工》をどかし、前回王者から勝ち星をもぎ取った。

山本 1-2 田中

田中 柾伎 Wins!
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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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