By Masami Kaneko

　この上海の地で行われたグランプリも、ついにトップ８を残すのみ。

　トップ８に入った日本人２人が、準々決勝で激突した。

　中村のデッキについては、ドラフトピックレポートにてお送りした通りだ。不安はあるが、そこは中村。実力に期待したいところだ。

　一方の玉田は......なんだかとてもテンションが高い。

玉田 「デッキ最強！この会場に降り立った一筋の光明。回れば最強！」

　いや、光明は普通は降り立たないだろうし、ちょっと何を言っているのかわからないところはあるが、ともあれデッキはかなり強いようだ。また、テンションだけでなくモチベーションも高い。

玉田 「修平さんをぶっ倒したい！ ブン回れば最強！ 気持ちよくなりたい。ブン回れば超気持ちいい！」

......筆者のイメージとして玉田は物静かなイメージだったが、どうやら気のせいだったようだ。

　かと思いきや、一転してネガティブなことも。

玉田 「まぁでも正直トップ８残れただけで満足ですわ。プロツアーの権利もらえたし。」

　２位の玉田が先攻を選択しゲームはスタート。３位の中村としては不本意なところ、というか。

中村 「おいおいー、『ブン回れば最強！』って言ってるデッキ相手に後攻だよー！」

......他の準々決勝より少しばかり騒がしく、その戦いは始まった。

ゲーム１

　《刃の隊長》を展開する玉田に対して、《射手の胸壁》で止めにかかる中村。さらに《アイノクの盟族》を追加した玉田に対して、中村に動きはない。

　そして４ターン目。「めっちゃ強いカード出すで！」と言いながら《マルドゥの隆盛》した玉田、数で攻めてくる相手に壁だけしか用意できていない中村は厳しい。

　次のターンも動けない中村、《マルドゥの悪刃》から《打ち倒し》でどうにもならない数の暴力を受け、中村はカードを片付けた。

絶対的な数の暴力

中村 0-1 玉田

「キモチイイー！」とご満悦の玉田に対して、「あいつ赤マナ少なそうだなー！」と《マルドゥの隆盛》がすんなり出たことを愚痴る中村。２人の対戦は、なんだか楽しそうだ。

ゲーム２

　玉田が《マルドゥの悪刃》、中村が《煙の語り部》と展開。《マルドゥの悪刃》は追加された中村の「変異」と相打ちし、玉田は表で《無情な切り裂き魔》を展開。盤面をさばいていく構えだ。

玉田 遼一

　《煙の語り部》の攻撃がスルーされると、中村はその２枚目と《射手の胸壁》を展開。玉田は《雪花石の麒麟》を展開し、空から攻撃する構えだ。

　中村の《煙の語り部》２体での攻撃をそれぞれを《雪花石の麒麟》と《無情な切り裂き魔》でブロックしてみる玉田だが、《熊の覚醒》によって《雪花石の麒麟》は一方的に討ち取られる。

　しかし中村、玉田に《スゥルタイのゴミあさり》と《マルドゥの悪刃》を出されてみると、攻撃がストップ。「変異」を出すにとどまった。

中村 修平

　玉田の《スゥルタイのゴミあさり》が攻撃を開始。さらに《マルドゥの戦叫び》から《打ち倒し》が中村の「変異」に飛ぶ。

　が、これは《シディシのペット》が表になりかわされてしまう。行動が裏目になっている玉田は少し辛いが、とはいえ飛行で攻めているのは依然として玉田だ。中村は「変異」を追加。玉田はさらに飛行として《雪花石の麒麟》を追加。

　玉田の《スゥルタイのゴミあさり》《雪花石の麒麟》が攻撃し中村に５点。一応《射手の胸壁》を起動するが、中村としてはかなり厳しい。

　結局最後まで玉田の《スゥルタイのゴミあさり》《雪花石の麒麟》を止められなかった中村、無念の投了。

中村 0-2 玉田

　玉田遼一、準決勝に進出！

......なお、試合後には、勝利した玉田のデッキについて、中村と玉田の討論会が即時開催されていた。結局のところ、みんなただマジックが好きなだけなのである。

「ちょっとデッキが軽すぎない？」「いやいけるっしょー！」