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グランプリ・名古屋2018

観戦記事

第11回戦:チーム・サルヴァドール/金川/冨澤 vs. チーム佐藤/三宅/山田

Hiroshi Okubo

 グランプリ・名古屋2018もいよいよ佳境に差し掛かってきた。ここまでに初日8回戦+今日2回戦が終了しており、すでに全勝チームはわずかに1チームのみまで絞られている。

 ここでフィーチャーマッチテーブルに呼ばれたのはそんな全勝者たち、ギエム・サルヴァドール・アルナル/金川 俊哉/冨澤 晋の3名だ。いずれも名の通った強豪プレイヤーたちであり、眼前に見えてきたゴール――プレイオフ進出に向けて勝利を目指す。

 だが、彼らに相対する3名もまた一筋縄にはいかない強敵だ。佐藤 啓輔/三宅 慧/山田 拓也もスポンサードプレイヤーやプロツアー経験者によるチームであり、ここまで全勝で勝ち進んできたサルヴァドールたちの行く手を阻む。

 はたしてサルヴァドールたちがこのまま全勝で突き抜けるのか、あるいは佐藤たちが彼らのレコードを打ち止めにするのか。注目の対戦が幕を開けた。

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A席:ギエム・サルヴァドール・アルナル(イゼット・アグロ) vs. 佐藤 啓輔(アブザン・ミッドレンジ)

 A席で対戦を繰り広げるのはグランプリ・千葉2018の優勝者であり、世界を股にかけるトレーダーでもあるギエム・サルヴァドール・アルナルグランプリ・千葉2016でトップ4に入賞した経験も持つHareruya Hopes所属プレイヤー、佐藤 啓輔の2人だ。

 初期手札をライブラリーに戻し、しぶしぶと言った様子で6枚になった手札をキープした佐藤に対し、サルヴァドールが容赦のない猛攻を仕掛ける立ち上がりとなった。

 
ギエム・サルヴァドール・アルナル

 《ゴブリンの電術師》、《小柄な竜装者》、《詩神のドレイク》と続けざまにクリーチャーを展開するサルヴァドールを前に、佐藤はかろうじて《押し潰す梢》で《小柄な竜装者》を除去するのみ。

 サルヴァドールは構わず《跳び蛙》と《気難しいゴブリン》を戦線に追加し、アグレッシブに攻め立てる。

 
佐藤 啓輔

 この隙のない攻撃にさらされながら、《ゴルガリのロケット》などをプレイするやや悠長な動きを見せる佐藤だったが、6マナに到達してようやく反撃を開始する。サルヴァドールの攻撃に対応して《確証+確立》で2/2警戒の騎士トークンを展開し、ブロック指定に入ろうとする。

 だが、サルヴァドールも()る者。《確証+確立》の解決後に《高熱仮説》をプレイして《跳び蛙》に飛行を持たせ、引き続き佐藤のライフにプレッシャーをかけていく。

 すでに佐藤のライフは風前の灯。《冷酷なゴルゴン》と《レーデヴの勇者》をプレイしてかろうじて地上クロックは押しとどめることに成功するが、飛行クリーチャーがどうにもならない。

 サルヴァドールはそんな佐藤を一息に介錯する。本体に向けられた《直流》が佐藤のライフを致死圏内へと押し込み、呼応して跳ね上がった《跳び蛙》が佐藤の命を刈り取っていった。蛙、恐るべしである。

 第2ゲームもまたサルヴァドールが《ゴブリンの電術師》と《小柄な竜装者》から動き出すスタートとなる。だが、返す佐藤も負けじと《絡み爪のイトグモ》をプレイしてサルヴァドールの戦線を押しとどめ、サルヴァドールの《高熱仮説》を引き出すと佐藤も《押し潰す梢》で《小柄な竜装者》を除去。第1ゲームは事故に見舞われた佐藤だったが、今回は先ほどのように容易にはやられまい――

 と思われたが、サルヴァドールのデッキは佐藤を凌駕する完璧なイゼット・アグロだった。立て続けにクリーチャーを並べ立て、《音波攻撃》でブロッカーを排除し、苛烈に佐藤を攻めたてる。あまりの完成度の高さに、サルヴァドールのレアを見ることなくまずは佐藤が膝を屈することとなった。

サルヴァドール 2-0 佐藤

 
B席:金川 俊哉(ギルド門スペシャル) vs. 三宅 慧(ボロス・アグロ)

 B席に着いているのはリミテッドグランプリでたびたび上位入賞を果たした経験を持つ「はまさん」こと金川 俊哉だ。最近では「はまさんのコンバットドリル」という同人誌も発刊しており、初心者からプロまで楽しめる内容にコミュニティを賑わせているプレイヤーの1人である。

 相対する三宅 慧とも顔見知りなのか、対戦前にはチームメイトに「彼の家はすごく綺麗なんですよ」と謎情報(?)を共有して笑いを取る一幕も見られ、緊張とは無縁のゲームスタートとなった。

 
金川 俊哉

 試合に目を移すと、金川はさきほど笑みを浮かべていたのと打って変わって渋い顔を浮かべていた――ダブルマリガンスタートである。やれやれとばかりに首を振りながらゲームを開始し、第1ターンにプレイしたのは《ボロスのギルド門》……からの第2ターンに《》、第3ターンに《ゴルガリのギルド門》と色とりどりの土地が並べられていく。

山田「……見たことないギルドだ」

 隣で三宅たちの試合を見守っていた山田がぼそりと呟く。金川のデッキはどうやら「ギルド門スペシャル」――チームリミテッドならではの豊富なギルド門をふんだんに使った多色デッキであり、その性質上他のデッキに入らなかったレアなどを大量に採用することができる。さらにサイドボード後には色替えをはじめとしたまったく別軸の戦略にシフトも可能なので、噛み合ったときは非常に強力なリミテッド・アーキタイプだ。

 が、そんな「ギルド門スペシャル」もタップインの土地が多いことから電光石火の速攻を苦手とする。そして、三宅のデッキはそんな速攻を得意とするデッキ「ボロス」だ。

 
三宅 慧

 第2ターンに《ボロスの挑戦者》、第3ターンに《突撃するロック鳥》と早々に飛行+教導コンビを揃え、さらに《遁走する蒸気族》と《初々しい補充兵》を追加。思わず「相手のデッキ強いなぁ」と漏らした金川の唯一のブロッカー、《泥棒ネズミ》も《宇宙粒子波》で弾き飛ばし、タップインに足を取られる金川を袈裟斬りに打ち倒した。

 しかし上述の通り金川のデッキは「ギルド門スペシャル」。サイドボード後にはボロスデッキが苦手とする「セレズニア・ミッドレンジ」に形を変えて三宅に立ちはだかった。三宅が《遁走する蒸気族》、《ウォジェクの護衛》と動くのに対して金川は《遁走する蒸気族》を《正義の一撃》で破壊し、《パルヘリオンの巡視兵》や《協約の魂、イマーラ》、《クロールの食料隊》と容易には越えがたい壁を展開していく。

 クリーチャーのサイズで劣る三宅はなかなか攻め入ることができず、自慢の教導能力を誘発させにいくこともできないためしばし立ち往生することとなる。金川はそんな三宅を空から攻撃し、じわじわとライフを詰めていく。ターンが進むにつれて肥大化していく金川のクリーチャー群を前に、もはや第2ゲームでの逆転は不可能かと思われたが――ここでマッチは手打ちとなるのだった。

 
C席:冨澤 晋(ディミーア・コントロール) vs. 山田 拓也(ディミーア・コントロール)

 C席で対戦を繰り広げているのはマジック界の「元祖クソコラフリー素材」(?)であり、レガシーの強豪として知られる冨澤 晋と、グランプリ・神戸2014でトップ8に入賞した経験も持つ「瀬畑チルドレン」(?)の山田 拓也である。

 第1ゲームでは両者マリガン後の手札から冨澤が《壁過の達人》、《夜帷の捕食者》の2体を並べ、山田が《雇われた毒殺者》、《ディミーアの密告者》、《静める者、エトラータ》と展開する。

 山田には《壁過の達人》によってアンブロッカブルが付与される《夜帷の捕食者》を除去する手立てがない。山田はこの《壁過の達人》に《致命的な訪問》を撃ち込むが、冨澤はこれを《軽蔑的な一撃》で返し、続く山田の《街見張りのスフィンクス》にも《悪意ある妨害》をプレイして《夜帷の捕食者》でチクチクと攻めていく。

 
山田 拓也

 山田は仕方なしに《静める者、エトラータ》で《壁過の達人》を除去するが、もはや《夜帷の捕食者》を対処する手立てはない。苦し紛れに《発見+発散》で《夜帷の捕食者》をバウンスするが、それも時間稼ぎにしかならず、第1ゲームはそのまま冨澤が勝利をもぎ取った。

 だが、山田にとっての地獄はまだ終わらない。続く第2ゲームは第1ゲームがかわいく思えてくるほどの惨殺劇となった。またも現れる《夜帷の捕食者》を前に山田はダメージレースを挑みたいところだが、冨澤の《雇われた毒殺者》がそれを許さない。

 
冨澤 晋

 ならばとクリーチャーを横に広げていく山田だが、冨澤は第1ゲームではまだ見せていなかった必殺技を披露する。

 無慈悲。この《煤の儀式》は山田のクリーチャーを一挙に4体奪い、無人となった戦場を《夜帷の捕食者》が駆け抜けていった。

冨澤 2-0 山田

チーム・サルヴァドール/金川/冨澤 2-0 チーム佐藤/三宅/山田
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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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