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グランプリ・名古屋2018

観戦記事

第10回戦:チーム梅野/志岐/加藤 vs. チーム林/大塚/平林

小山 和志
写真左手前から梅野/志岐/加藤、右手前から林/大塚/平林

 「同窓会!」

 初日全勝を果たした梅野健吾、志岐和政、加藤一貴にチーム結成の理由を聞いた時の返答だ。3人は2000年代前半〜中盤にかけて活躍したプレイヤーであり、志岐と加藤に至ってはグランプリタイトルを獲得したプレイヤーだ。

 その彼らと、この第10回戦でマッチアップすることとなったのが、林眞右、大塚高太郎、平林和哉のチームだ。

 昔からマジックの記事を読み込んでいる方なら聞き馴染みのある名前だろう。大塚は2度のプロツアーサンデー経験者であり、かつての日本のトッププレイヤーだ。平林もまた3度のグランプリトップ8経験があり、ライターとしても名を馳せている。林は14歳でグランプリトップ8に進出した経験があり、現在は「Hareruya Hopes」に所属しているバリバリの現役プレイヤーでもある。

 席に着席すると大塚と志岐が「15年ぶりに試合する(笑)」と笑い合う。

 「おじいちゃんばっかり(笑)」「昭和のマジック(笑)」と笑いながらまさに「同窓会」のような雰囲気で雑談を交わす。

 だが、ここは同窓会会場ではない。ここはグランプリ2日目のフィーチャーマッチエリアであり、ここに呼ばれた彼らは8勝1敗と好成績で勝ち上がってきているのだ。

 これから始まるのは、2000年代ではなく、2018年のマジックだ。

 
C席:加藤 一貴(緑白黒) vs. 平林 和哉(ディミーア)

 旧知のふたりによるマッチアップ。1ゲーム目は加藤のマナスクリューによる一方的な展開となった。

 3マナ目さえ引ければ……という手札をキープした後手加藤は《ゴルガリのギルド門》《セレズニアのギルド門》と3色を揃える立ち上がりだったが、平林が《夜帷のスプライト》から順調に展開していくのに対し、3枚目の土地に巡り会うことができず、加藤は速やかにサイドボードに手を伸ばした。

 
加藤 一貴

 一転して2ゲーム目はアドバンテージを取り合うロングゲームとなった。平林が《虚報活動》から《概念の雨》、そして《ディミーアの密告者》と手札のアドバンテージを稼いでいく。1ゲーム目で見せた《夜帷のスプライト》も控えており、このままゲームが続けば加藤のリソースはすぐに枯渇する――

 ――と思われた矢先。悠々とゲームを進めようとしていた平林はすぐに加藤がプレイした1枚のエンチャントによって青ざめることとなる。

 触れる手段のないディミーアにとってあまりに重い1枚。平林は《虚報活動》を循環させることにより手札こそ圧倒的となっているが、クリーチャーが細く、絆魂をもつ兵士・トークンにより加藤のライフは高く保たれたままだ。

 だが、一方の加藤も楽なわけではない。土地をストレートに伸ばすことができず《希望の夜明け》をフルに活用できていない。8マナまで到達すれば毎ターン2点のライフゲインと2枚ドローが約束されるが、その前に平林のもとに《ディミーアの偵察虫》《夜帷のスプライト》のコンボが揃ってしまう。

 
平林 和哉

平林「あまりロングゲームにできないんだよね」

 ライブラリーが薄くなってきた平林は《ディミーアの偵察虫》で加藤のライフを削り始める。

 ようやく8マナにたどり着いた加藤。《ディミーアの偵察虫》を撃ち落とすため、《希望の夜明け》で除去呪文を探していく。

 だが、加藤が解決策にたどり着く前に平林がチーム1勝目を奪取したのだった。

加藤 0-2 平林

B席:志岐 和政(ボロス) vs.大塚 高太郎(ゴルガリ)

 グランプリ・岡山2004優勝の志岐とプロツアー決勝ラウンドに2度進出している大塚の戦い。

 1ゲーム目は志岐のボロスがそのスピードを思う存分見せつけた。《気難しいゴブリン》から《ウォジェクの護衛》そして《空騎士の軍団兵》と大塚を一気に攻め立てる。

 
志岐 和政

 大塚も《デヴカリンの造反者》《真夜中の死神》で地上を止めるが、志岐は2体目の《空騎士の軍団兵》!

 この志岐の軍団が止められず1ゲーム目を落とした大塚。だが2ゲーム目は一転、重量級クリーチャーが反撃を見せる。4ターン目に《無効皮のフェロックス》を送り出す。志岐は土地が3枚でストップしてしまった上、この圧倒的なサイズを持つ怪物に大きくライフを削られてしまう。なんとか地上クリーチャーを並べ、数を犠牲に食い止めるが、そのリソースを埋める術は残っていなかった。

 
大塚 高太郎

 そして、第3ゲーム。志岐が先手の利を活かし、大塚をスピードで圧倒する。《癒し手の鷹》《ボロスの挑戦者》、そして3ターン目には《空騎士の軍団兵》!

 大塚は《絡み合うモウセンゴケ》で被ダメージこそ軽減するが、根本的な対処になってはいない。

 それでも、先ほど大暴れした《無効皮のフェロックス》を呼び出し地上を固め、《捕食》で志岐の飛行クリーチャーを潰してみせる。

 だが、志岐の追加戦力は《天空の斥候》――

 ――さらに《光明の縛め》が《絡み合うモウセンゴケ》を縛り、チームのマッチカウントはタイに持ち込まれたのだった。

志岐 2-1 大塚

 
A席:梅野 健吾(ディミーアタッチ赤) vs. 林 眞右(ボロス)

 高速決着を狙う林のボロスを梅野のディミーアが捌いていく格好になった。《死の重み》《思考消去》で梅野が林の初動を妨害していく。そして《クロールの群れ》《門番のガーゴイル》と飛行クロックを展開する。

 林は本来であればフィニッシュブローであるはずの《宇宙粒子波》を《クロールの群れ》を除去するために使わざるを得ず、第1ゲームはそのまま梅野が押し切った。

 
梅野 健吾

 2ゲーム目は林が《癒し手の鷹》《サンホームの重鎮》《真火の隊長》と好スタート。

 梅野も《死の重み》《巧みな叩き伏せ》で応戦するが、先手を活かし林が勝ち星をタイに戻す。

 
林 眞右

 そして、最終ゲームは先手の梅野が《家門のギルド魔道士》《闇刃の工作員》《霧から見張るもの》と逆にスムーズにダメージクロックを用意する。

 林も《サンホームの重鎮》《空騎士の軍団兵》でダメージレースを挑むが、次第にジリ貧となっていく。

 そのまま梅野が押し切り、チームの勝敗もここに決した。

梅野 2-1 林

チーム梅野/志岐/加藤 2-1 チーム林/大塚/平林
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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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