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グランプリ・京都2017

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インタビュー:覚前輝也が語る、己の意思、Musashiとしての意志

By Yohei Tomizawa

 モダンにて開催されたグランプリ・神戸2014、この大会で優勝する覚前 輝也(東京)は、トップ8インタビュー時の「これまでの主な戦績は?」という質問に、こう答えている。

「これまでには興味なし」

 過去は振り返らない、ただ突き進むだけ。その強い意志と、目標を見定めた眼光は、翌年のグランプリ・オークランド2015を優勝、グランプリ・クアラルンプール2016ではトップ8と、着実に戦績を積み重ね、進んでいる。

 人には、大なり小なり誇れるものがあるはず。過去を捨て、未来にのみ焦点を当てた強い意志には、結果がついてくる。

 今期は獲得プロポイントを27点とし、ゴールドレベルの35点まであと8点と迫っている。プロツアー『破滅の刻』を5敗で終われば、ゴールドレベルへと辿りつける。

 そして何より、今期の覚前にはこれまでと違った決意がある。

 プロツアー・チームシリーズの導入である。これにより、プロツアーでのプロポイントは、単に個人単位の目標ではなく、チームの総合力として大きな意味を持つこととなる。

 覚前の所属する「Musashi」は、7月13日付けのランキングで2位以下を20点以上引き離す、119点を獲得している。

 覚前の意思、Musashiの一員としての意志に迫る。

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――今期から導入されているプロツアー・チームシリーズですが、これまでと比べ大会に臨むにあたり、気持ちの面での変化はありますか。

覚前「自分は元々大阪出身なんですけど、2014年からプロとして活動を始め、居所を東京に移し、今までより厳しい環境に身を置くことでマジックに集中し、3年間でプラチナレベルまで駆け上がろうと考えていました。今までは個人として、覚前輝也として、プラチナレベルという目標のために取り組んできましたが、チームシリーズの導入でMusashiに所属し、個人の得点がチームの総合得点となることは、個人戦の時以上に1勝に対する重みと責任を感じていますね。」

――では、マジックに対する取り組み、大会への準備面で変化はありますか。

覚前「チームシリーズが導入され、練習方法に変化がありましたね。個人戦の時は、Magic Online(MO)や他のプレイヤーとの練習であっても、個人レベルの理解、個人の目標に対する練習に留まってしました。今では、個人間の練習からチームとしての練習へと変化しています。具体的には、チーム全員で取り組む練習はもちろん、MOでのデータ共有ですね。自分の対戦一つ一つがチームの財産になっています。」

――なるほど。でも6人もの仲間がいれば、練習時間など違いもあるでしょうし、摩擦は生じないですか。

覚前「全くないですね。むしろ知り得たことの方が大きいです。他のメンバーと時間を共有することが増え、各々がどの程度マジックに情熱を傾け、練習に取り組んでいるか目の当たりにできたことは、刺激に励みになりました。自分よりも実力が上の人たちと練習することで、自分自身を見つめなおす良い切っ掛けとなりました。」

――現在、Musashiがプロツアー・チームシリーズにおいて決勝進出濃厚となっていますが、翌週には今期最後のプレミア・イベントとしてプロツアー『破滅の刻』が控えています。覚前さん自身、個人、チームそれぞれの立場での目標はありますか。

覚前「プロツアー『破滅の刻』ですが、個人としては自分の成績を5敗以内に収め、ゴールド・レベルへ到達するという目標があります。僕自身の1勝がチームの1勝に、そしてチームの1点へと繋がっていくので、1点でも多くのポイントを獲得し、必ずMusashiとしてチームシリーズ決勝戦へ進みたいと思っています。チームの仲間は、自分よりも上手いので成績もきっと上のはず。だから自分の順位を上げることで、ボトムアップを図り、Musashiの得点力アップへ繋げたい、そう考えています。」


 3年間での目標としていたプラチナ・レベルは難しいかもしれない。

 しかしシーズン毎に着実に獲得プロポイントを伸ばし、ゴールド・レベルも手の届くところまでやってきている。

 自分のステップアップが、Musashiとしてのステップアップへ繋がると語ってくれた覚前。

 覚前の己の意思によって切り開いたこの1年、その集大成が、迫っている。

 決戦の地、プロツアー『破滅の刻』。

 覚前の飛躍に、そしてMusashiの活躍を期待しよう。

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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