By Sugiki, Takafumi

　グランプリ・京都2016は、チーム戦にて開催されており、個人戦とは違って有名プレイヤー、強豪プレイヤーも不戦勝を持つことが無く第１回戦からテーブルについている。また、それらの強豪プレイヤーがどのようなチームを組み、このグランプリに挑んでいるのかも、興味が湧く所である。

　この第２回戦では、今年の殿堂顕彰者に選出された渡辺雄也のチーム、Shota Yasooka Fanclubのマッチをお届けする。渡辺はＡ席に座り、Ｂ席には中村肇、Ｃ席には井川良彦が座る。両隣のプレイヤーの相談を受けられるという観点で、Ｂ席に渡辺が座るのが良いのかと思われるが、中村は渡辺も一目置くという隠れたる強豪である。実際、渡辺が世界選手権の準備でチーム戦の練習を十分にできない中で、中村がチームシールドを30回以上練習しており、名実ともにこのチームの屋台骨は中村であると井川も言う。そして、何より渡辺はＡ席に座ることへのこだわりを持っているということだが、その理由に関しては別途このチームのデッキ構築の様子も含めた記事を掲載する予定であり、その中でご紹介する。

　渡辺のチームと対戦するという貴重な機会を得たのは、福岡でマジックをプレイしているという、谷口/右田/匠のチームである。

チーム 谷口/右田/匠(写真左) vs. チーム 渡辺/中村/井川(同右)

Ｂ卓 右田(福岡) vs. 中村(神奈川) ゲーム１

　先攻の右田が《ファルケンラスの肉裂き》、《罪を誘うもの》を展開し、対する中村は《ぼろぼろの憑依者》、《嵐の伝導者》を盤面に。すれ違いながらのダメージレースが予想される展開。

　右田がさらに《強欲な過食者》を展開して一気に盤面のプレッシャーを強めていく。中村は何らかの対抗策を持っていないとこのまま押し込まれるが、中村は最高の解決策を持っていた。それは、

　この怒りをくらって、右田の盤面は完全に崩壊。後続を引かない右田はそのまま、１ゲーム目の投了を宣言した。

右田 0-1 中村

　その間にも、他のテーブルも１ゲーム目が終了しており、渡辺が１ゲーム目を先取、一方井川は４マナで土地が止まってしまい１ゲーム目を落としている。

チーム 谷口/右田/匠

　次に、渡辺の２ゲーム目をお送りしよう。

Ａ卓 谷口(福岡) vs. 渡辺(東京) ゲーム２

　１ゲーム目に負けた谷口が先攻を選び、ゲームがスタート。青白の谷口は、２ターン目に《刹那の器》、３ターン目におそらくトップデッキしたてあろう《ぼろぼろの憑依者》と若干噛み合わない。

　対する青緑現出の渡辺は《爆発性の機器》、トップデッキした《首絞め》、《歓喜する信者》と毎ターンマナを使い切りながらの展開を見せる。

　その後も谷口が《巧妙なスカーブ》を盤面に追加しただけに対し、渡辺は《悟った狂人》、そしてタッチしている《山》もきちんと引き込み《爪の群れのウルリッチ》を５ターン目に突きつける。

　ここで、横のテーブルの中村に目を向けると、お互いが３マナでストップする展開の中、再度《ナヒリの怒り》を炸裂させ相手の盤面をなぎ払って、２マナ、３マナの小さいクリーチャーでのビートダウンを完遂しきった。

　渡辺のテーブルに戻ろう。渡辺は《ウェストヴェイルの修道院》を盤面に追加し、《不敬の皇子、オーメンダール》勝ちも視野に入れながら、盤面を固めていく。

　いくつかの１対１交換を繰り返し、その間にも人間・クレリック・クリーチャー・トークンが盤面を固めていく。そして、渡辺は意を決して《ウェストヴェイルの修道院》を《不敬の皇子、オーメンダール》に変身させ、谷口に襲いかかる。対する谷口は《遥かなる旅路》で《不敬の皇子、オーメンダール》を追放するが、根本的解決には至っていない。

　谷口は《支配の天使》を手札に持っており盤面を横に展開すれば一撃で渡辺を葬りされるのであるが、渡辺が《ウェストヴェイルの修道院》で再度優位を広げる間、カードをうまく展開できない。そのまま、渡辺が押し切った。

谷口 0-2 渡辺

Shota Yasooka Fanclub こと チーム 渡辺/中村/井川

　中村と渡辺の勝利により、Shota Yasooka Fanclubの勝利が決まった。

　Shota Yasooka Fanclubのデッキ構築の様子については、本日終了後に掲載予定である。

Shota Yasooka Fanclub win!!