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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
アヴァシンの帰還 リミテッド点数表・後編?赤色キセキ?
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2012.05.29
アヴァシンの帰還 リミテッド点数表・後編~赤色キセキ~
こんにちは。渡辺です。
今回は『アヴァシンの帰還』の点数表の後編です。前回で白・青・黒の3色に点数を付けたので、今回は残りのカード全てに点数を付けていきます。
前回からの続きなので、前編を見ていないという方は前編を、それ以前の記事もこちらからどうぞ。
カードの採点基準も改めて載せておきますね。
点数 | 基準 |
10 | 神カード。見たら取るべし。確定初手。 |
9 | 爆弾カード。これ1枚でゲームに勝てるようなカード。初手~2手目。 |
8 | かなり優秀なカード。流れてきてもおかしくないが、初手でも問題ないレベル。初手~3手目。 |
7 | 優良カード。是非デッキに入れたいレベル。2~4手目。 |
6 | 普通にデッキに入るくらいのカード。3~6手目。 |
5 | ぎりぎりデッキに入るぐらいのカード。5~8手目。 |
4 | できればデッキに入れたくないようなのカード。枚数が足りないときに仕方なく使うレベル。または特殊な条件でのみ使用するカード。7~9手目。 |
3 | サイドボード要員。基本はデッキに入らない。10~12手目。 |
2 | よほどのことがない限りデッキに入れることはないカード。12~14手目。 |
1 | 何をしてもデッキに入らないレベル。ほぼ14手目。 |
では今回は赤から。
赤
|
|
カードの方向性が前のめりなものが多い今回の赤。当然戦術のほうも、前のめりなビートダウンを目指すことになります。
《クルーインの打撃者》や《暴動の首謀者》は単体でも非常に高いクロックを刻めるので、これらを《熱血漢の聖戦士》や《ハンウィアーの槍兵》のようなカードでサポートしながら戦うのが基本戦術となります。
実際にこれらのカードが上手く機能したら、非常に素早くゲームを終わらせることができるでしょう。
このように今回の赤はコモンだけでかなりビートできるようにデザインされていますが、使うクリーチャー自体のスペックはそれほど頼もしいものではないので、相手のクリーチャーに足止めされてしまう展開もあるでしょう。そういう展開のときは、《屋根職人の反乱》の出番です。
《屋根職人の反乱》は、環境にある多くのカードとコンボするカード。前回にも紹介した《流血の鑑定人》の餌にしたり、《黄金夜の指揮官》でいきなり自軍を大幅に強化したり。
同色のカードでも、《暴動の首謀者》や《自警団の正義》のようなカードとの組み合わせは強力です。
これらのコンボを駆使して、序盤に押し切れなかったときでも勝てるようなギミックをデッキに仕込んでおくようにしましょう。
赤をドラフトするときの注意点は、デッキに入るカードの枚数に気をつけること。
ドラフトの基本的なことなので何を今更と思われるかもしれませんが、実はこの環境の赤は、コモンに使用に値するカードがもっとも少ない色なのです。
コモンの良いところだけを見れば、上で挙げたようなビート向きのクリーチャーが揃っていますが、悪いところを見ると《戦いの賛歌》や《破砕》のような、絶対にデッキには入れたくないようなカードもちらほら。当然そういったカードは他の色にもあるのですが、赤のコモンには他の色に比べるとそういったカードの割合が多いのです。
できればそれらのカードを使わないようにするのが望ましいですが、コモンのカードの割合的に、どうしてもデッキに入るカードの枚数が足りなくなってしまうこともあります。
そうなってしまったときは、普段ならデッキに入れたくないようなカードを有効に使えるようにしておきましょう。
例えば《ハンウィアーの槍兵》が何枚かデッキに入っているなら、「先制攻撃」と相性の良い《異常な俊敏性》や《掲げられた軍旗》などを使ったり、デッキが全体的に軽く組めてすぐに手札を使いきれるような構成なら、手札補充として《危険な賭け》を使ったり。
デッキに入るカードの枚数が確保できないというのは往々にして存在します。そのようなときに、これらの「普段なら使わないようなカード」を上手く使えるように意識してピックしておけるようにしましょう。
緑
|
|
青と並んで環境の人気色である緑。
全体的にカードの質が高く、安定している点は青と一緒。ただコモンによるシナジーが青に比べると少ないのが、青に環境最強色を譲った最大の理由です。
とはいえ《信頼厚き腕力魔道士》を筆頭に、《イラクサ豚》や《猛森の霊》のような緑らしい重量戦線がコモンに揃っているので、従来の緑らしい大型クリーチャーによる蹂躙は今回も健在です。
今回の緑は2マナも充実していて、《さまよう狼》《森林地の先達》《ベラドンナの行商人》と3種類もあるので、序盤からちゃんと展開していけるようになっています。
コモンだけで全てのマナ域の調達が十分に見込めるのは、今回の緑の特権ですね。
また《国境地帯のレインジャー》と《豊かな成長》というマナサポートもあるので、3色も十分視野に入れてドラフトできるのが緑の強みです。3パック目初手で引いてしまった自分のやっていない色の強力カードを、3色目として使う可能性を残しておける、いわゆる「受けの広い」ドラフトができますからね。
そんな緑をやる際に注意しておく点ですが、前回でも紹介した(特集記事)アヴァシンの帰還における緑ドラフト戦略を見ていただくのが一番かと思います。ここには緑をやる際に気にするべき点がたくさん書かれていますからね。
記事内でキブラーも語っていますが、《連携攻撃》や《恐るべき存在》のような、緑のインスタントのコンバット・トリック系のカードは非常に重宝します。今回の緑は相手のクリーチャーに直接触る手段が存在しないので、こういったカードで盤面を常に有利に運ぶようにしましょう。
多色
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多色の3枚の天使はどれも盤面に与えるインパクトが高いです。流石は神話レアの天使たち。
ただ、その性能に見合っただけの重さとマナ拘束を要求してきます。どれも白のダブルシンボルを含んでいるので、基本的には白いデッキでの運用になります。
どの天使もスペックは異常に高いので、デッキを3色にしてでも使う価値はあるでしょう。3色の場合は《終わりなき休息の器》や《国境地帯のレインジャー》のようなマナサポートとの併用を忘れずに。
アーティーファクト
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どの色でも使用可能なアーティーファクトたち。
《月銀の槍》は本当に壊れているカードですが、それ以外のカードはどれもバランスが取れている感じです。
リミテッドで重宝する装備品も、使うマナと能力付加がほどよくバランスしていますし、《妖術師の衣装部屋》や《ヤナギの丘の絞首台》はデッキの中にちゃんと運用できるカードが確保できていれば非常に頼れるカードになるでしょう。
使いやすいところでいうなら、《アヴァシンの巻物》は非常に手頃な良カード。
単純にデッキの潤滑油になりつつ、天使がいれば副次効果のライフ回復、それと「奇跡」の誘発にも貢献するカードでもあります。できれば天使のいる状態で起動したいので、《奉仕へのいざない》などで簡単に天使を用意できる白で使いたいですね。
決して点数の高いカードではありませんが、こういったカードは上手く使えば点数以上の働きをしてくれます。それと対になる《グリセルブランドの巻物》は・・・まあ見なかったことにしますか。
土地
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《処刑者の要塞》や《僻地の灯台》はデッキの色さえ合えば是非使いたいところ。
特に《処刑者の要塞》はそれだけでゲームに勝てるほどのインパクトがあります。流石に土地が恒久的なコンバットトリックになるのは強いです。ここから赤白デッキをドラフトしてもいいくらいですね。
構築でも絶賛活躍中の《魂の洞窟》は、リミテッドでも良いマナサポート。種族限定ではありますが、この環境には人間が多いので、意識して使えば優秀なマナ源として活躍してくれます。基本土地しか使えないリミテッドでは,どんなデッキでも色マナ事故は起こしてしまうもの。そういった色マナ事故の可能性を軽減できるカードなので、余裕があるときは確保しておくようにしましょう。
以上で「アヴァシンの帰還・点数表編」は終了です。
毎回言っていることではありますが、この点数表はあくまで僕個人の点数表です。人によって得意な戦術はありますし、ドラフトのピックの状況によってカードの評価というのは常に変わるものです。なのでこれが絶対の正解というわけではありません。この点数表はあくまでもカードの基準の参考にするくらいでちょうどいいと思います。
環境に対する理解度が上がっていけば個々のカードに対する評価が変わっていくというのも珍しい話ではないので、たくさんドラフトをプレイして、自分だけの点数表を作っていきましょう!
そういえばマジック・オンラインでは丁度『アヴァシンの帰還』がリリースされ、リリースイベントなるものが開催中らしいです。
(参考:先週の鍛冶さんの記事の後半)
新しいセットが発売したこの時期はどんどんイベントが立つので、待ち時間も少なくすぐにドラフトすることができます。
ドラフトできる人が8人も集まらないという方や、単純に時間があまり取れないという方でも気軽にドラフトすることができるので、そういった方は電脳世界で『アヴァシンの帰還』ドラフトを堪能してみてはいかがですか?
今回で「リミテッドのススメ・アヴァシンの帰還編」は終了となります。
それではまた、次回のリミテッド環境でお会いしましょう。
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