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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:明かされしイゼット・マエストロ(スタンダード)

岩SHOW


 あの○○の全貌が、今明かされる!……みたいなことはいつの時代、どんなジャンルにおいてもクールに感じるものだ。伏線がしっかりしていればそれだけ盛り上がるというもの。マジックで秘密のヴェールが明かされる瞬間というと、背景世界のキャラクターの正体や世界の秘密が明かされたりする瞬間、あるいは謎多きデッキの全貌が判明した時など……というわけでマジックのクールさを探求するためにカードやデッキを語るこのCool Deckのコーナーとしては、そういった秘められたデッキについて取り上げていきたいところ。丁度プロツアー『ストリクスヘイヴンの秘密』で開戦前にその名が明かされ、多くのプレイヤーの興味を引き付けたが……結局のところ、同トーナメントのフィーチャーマッチを見ていてもその全貌が明かされなかった存在があったのを覚えているだろうか?

 それは……イゼット(青赤)系のデッキが大多数を占めたこのトーナメントにおいて「イゼット果敢」「イゼット・スペレメンタル」「イゼット講義」などとともに名を並べた「イゼット・マエストロ」。マエストロとは巨匠を意味し、様々なことを期待させてくれるアーキタイプ名に胸が躍ったものだが……残念ながら今回のプロツアーでは目立った活躍は見られなかった。そしてそのまま忘れ去られるデッキになるかと思いきや……プロツアーを経てロンドンで開催された「マジック・スポットライト:シークレッツ」にて、そのマエストロに分類できるようなデッキがトップ8入り!プロツアーで使用されたリストとは趣が異なるのだが、その設計思想を一部受け継いだ新たなアーキタイプとして、スタンダードに新風を吹かせた。今回はそんなクールなデッキをご紹介!

Yanatoy - 「イゼット・マエストロ」
マジック・スポットライト:シークレッツ(ロンドン) トップ8 / スタンダード (2026年5月9日)[MO] [ARENA]
1 《マルチバースへの通り道
4 《蒸気孔
4 《尖塔断の運河
4 《リバーパイアーの境界
4 《嵐削りの海岸
2 《
5 《
-土地(24)-

4 《融解コアの巨匠
4 《荒削りな天才、サナール
4 《彩嵐の雄馬
-クリーチャー(12)-
4 《噴出の稲妻
1 《炎魔法
1 《洪水の大口へ
2 《プリズマリの魔除け
4 《食糧補充
4 《アシュリングの命令
3 《有頂天の瞬間
1 《即興の集大成
4 《発見の石板
-呪文(24)-
2 《焼きつけ
1 《霊気化
1 《炎魔法
1 《舷側砲の一斉射撃
2 《呪文貫き
1 《軽蔑的な一撃
2 《除霊用掃除機
2 《倦怠の宝珠
1 《司書、ワン・シー・トン
1 《即興の集大成
1 《轟く機知、ラル
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 マエストロ、巨匠とは《融解コアの巨匠》のこと。このゴブリンはインスタントやソーサリーを唱えると演目という能力が誘発。巨匠の演目は+1/+1カウンターを得るというものであり、威迫持ちの2マナ2/2を効率よく育てて攻撃を仕掛けていける。そして演目はそれだけでなく、その唱えた呪文に5マナ以上を支払っていた場合、さらなるボーナスを受け取れるという特性がある。巨匠はその条件を満たした場合、パワーの値だけの赤マナを加えるというクールでホットな演目になっている。プロツアーで用いられたリストはこれに注目して無限コンボを搭載していたものだったが、このリストはそういった要素は取り入れてはいない。そのマナは更なる展開のために用いるという、無理のない構築が功を奏したのかもしれない。

 そして巨匠と同じく演目能力を持つ《彩嵐の雄馬》も採用。雄馬は演目で5マナ以上を支払っていれば、それのコピーが生成されるというかなり強力なクリーチャーだ。さらに《荒削りな天才、サナール》はインスタントorソーサリーを唱えていれば宝物を生成できる能力を持ち、準備済状態から唱えられる呪文は5マナで、インスタントかソーサリーを手札に加える……演目の誘発を引き起こすのに有用なクリーチャーだ。というわけでこのデッキはこれらのクリーチャーを並べてインスタントとソーサリーを唱えるのが目的のクールなデッキということがよくわかる。

 

 さて、演目を持った面々も重要だが、それを引き起こすための呪文のチョイスもデッキの明暗を分ける。5マナ以上のインスタントとソーサリーの中から選ばれたのは《アシュリングの命令》!4つのモードから2つを選択する命令サイクルの1つで、この《アシュリングの命令》には2枚ドローと宝物2個生成という、この手の呪文を連打するデッキには必須とも言えるドローとマナを供給してくれる。巨匠と組み合わされば……+1/+1カウンターでパワーが上昇して、赤マナ3つを加えた上で宝物が2つ……なので、すかさず次の5マナ以上の呪文に繋げられる。巨匠が前もってサイズアップしていれば、マナが余るほどの爆発的な展開をもたらしてくれる。

 また雄馬はエレメンタルであるため、この命令で対象に取ってコピーを生成することも可能だ。つまりは雄馬自身の演目も併せて、2体の雄馬を増やすことが可能。すでに雄馬の演目を達成して頭数が増えていれば……戦場がとんでもなくクールで華やかなレース場に早変わりだ。《有頂天の瞬間》も3枚ドローして2枚捨て、その後青と赤のマナを合計5マナ加えるド派手呪文。これまた手札とマナを供給してくれるので、演目ループを後押しする……これらとキッカー込みの《噴出の稲妻》などで演目を誘発させ、クールにゲームを終わらせるのがこのデッキの辿るストーリーなのだな。

 

 演目要素を抜きに見れば、赤いダメージ呪文でクリーチャーを除去し、《食糧補充》で手札を整える……コントロール的な要素を備えている。そうやって演目でクールな時間を味わう準備をしていくわけだが、その際に夜に立つのが《発見の石板》。このアーティファクトはマナを加えるもので、インスタントかソーサリーを唱えるためだけであれば赤マナ2つが得られる!このデッキのような構成であれば、そのマナの恩恵をクールに受けられるだろう。

 またこの石板は戦場に出るとライブラリーを切削、墓地に落ちたカードはそのターン中プレイが可能。巨匠や雄馬らクリーチャー、タップリの非クリーチャー呪文は勿論、土地もプレイ可能なので、しっかりとそれを置ける状況でプレイして可能な限りお得に運用できるようにしたいところだ。他のアーキタイプでも活躍中のこの石板、今後スタンダードではよく目にする1枚となるだろう。アンコモンというのも手に入れやすくて嬉しクール!

 というわけでプロツアーでは躍動が叶わなかった「イゼット・マエストロ」が後のイベントで入賞というクールなエピソードとデッキを紹介させていただいた。マジックにはこういったクールなことが起こるので、トーナメント結果には常にアンテナを張り巡らせ、クールな瞬間を味わい尽くしてほしいところだ。様々なデッキを知ることで、未来の巨匠を目指せ!それじゃ今週はここまで。Stay cool‼ Be the maestro!!

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