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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

強く、面白く、フラッシュバック!ルビー・ストーム(モダン)

岩SHOW


 『ストリクスヘイヴンの秘密』ではインスタントとソーサリーが他のセット以上に重要視されている。魔法を習う大学が舞台というフレーバーを、セット全体で表現しているわけだ。そういった呪文の中でも特に面白く感じる1枚が……。

 

 《フラッシュバック》!フラッシュバックといえばマジックでも古株のキーワード能力で、初出の『オデッセイ』以降度々再録されている。この能力を持つインスタントとサーサリーは、設定されたコストを支払うことで墓地から唱えることができる。一度使った呪文を再利用するのはもちろん、打ち消したり、捨てさせられたとしても墓地から唱えることで損をしにくい作りに。またこれを持つカードを他のカードのコストとして自ら捨てたり、切削などで墓地に置くことで得するという使い方も狙える。

 そんなキーワード能力と同名の《フラッシュバック》は、言うまでもなく墓地の呪文にそれを持たせるという赤い呪文だ。1マナという軽さで、インスタントかソーサリーであればなんでも墓地から唱えられるため、手札を1枚損失してもそれに見合うだけの恩恵を受けられるだろう。インスタントである多面対戦相手の行動を見てから仕掛けられるため、使い勝手の良い便利な1枚に仕上げられている。《ジェスカイの啓示》のように唱えるだけで多くを得られ勝利に近づける呪文をとこれで使いまわす……ロマンを抱きつつ、緊急事態には除去や打ち消しを再利用してしのげる現実性を併せ持つため、スタンダードのコントロールデッキで人気を獲得している。

 そんな《フラッシュバック》が今回の主役。しかしフォーマットはスタンダードではなく、モダン!広大なカードプールが自慢のモダンにおいて、これで使いまわしたい呪文は挙げていけばキリがない。そんな《フラッシュバック》がバチッとハマったデッキが……

N0000000B - 「ルビー・ストーム」
Magic Online Modern Challenge 32 第10位 / モダン (2026年5月17日)[MO] [ARENA]
4 《血染めのぬかるみ
3 《樹木茂る山麓
2 《沸騰する小湖
1 《聖なる鋳造所
2 《優雅な談話室
1 《灼陽大峡谷
1 《宝石の洞窟
4 《
-土地(18)-

4 《モンスーンの魔道士、ラル
-クリーチャー(4)-
4 《魔力変
4 《捨て身の儀式
4 《発熱の儀式
4 《無謀なる衝動
4 《レンの決意
2 《不可能の一瞥
2 《フラッシュバック
3 《炎の中の過去
2 《ヴァラクートの覚醒
2 《願い
1 《ぶどう弾
4 《ルビーの大メダル
2 《美術家の才能
-呪文(38)-
1 《巣穴からの総出
1 《ぶどう弾
1 《炎の中の過去
2 《炎魔法
3 《オアリムの詠唱
4 《虹色の終焉
3 《摩耗 // 損耗
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

回転

 

 「ルビー・ストーム」!モダンを代表するコンボデッキの1つで、赤単色やそれに白などを足した構成が主体だ。《ルビーの大メダル》は赤い呪文のコストを{1}軽減する能力を持ち、これを活かして赤い軽量呪文を同一ターンに多数唱える。そのターンにプレイヤーが唱えた呪文の数と同じだけのコピーを伴うストーム呪文を、このルビーによるマナ加速から叩きつけることを狙ったデッキというわけだ。

 《モンスーンの魔道士、ラル》や《美術家の才能》もコスト軽減が行え、またストームに繋げるための手数も稼げるパーマネントだ。これらのいずれかを戦場に繰り出し、コスト軽減の準備を整えたら、《捨て身の儀式》《発熱の儀式》などマナを増やす呪文を唱え、《無謀なる衝動》《レンの決意》と唱えられるカードを増やすアドバンテージを得る手段へと繋げる。これらの呪文の連打の先にストーム呪文が待っており、基本的には膨大な《ぶどう弾》コピーが勝負を決めるという寸法だ。

 

 この「ルビー・ストーム」に《フラッシュバック》が採用されたことで。マナ加速かアドバンテージ源を拾ってストームを稼ぐ動きがやりやすくなった。デッキの潤滑油としてかなりいい仕事をしてくれるようで、Magic Onlineや各種イベントでこれが2枚ほど採用されたリストが結果を残している。そもそもこのコンボデッキは《炎の中の過去》というフラッシュバック付与呪文の元祖と言えるものを用いるのが一般的だ。こちらは4マナとソーサリーであるが、墓地のすべてのインスタントとソーサリーにフラッシュバックが付くというド派手な効果。また《炎の中の過去》自体がフラッシュバックも持っているため、ストームで勝負するデッキにはうってつけ。呪文の連打からこれに繋がれば、全てのマナ加速とアドバンテージ源を使いまわせるので概ねコンボ完遂といえる。

 そんな決定力の《炎の中の過去》と、気軽に《魔力変》などを使いまわしてスムーズな運用を助ける《フラッシュバック》の使い分けがこの赤いストームデッキを強く、面白いものへと昇華している。《炎の中の過去》や《ぶどう弾》《巣穴からの総出》らストーム呪文などは、サイドボードにも用意され、これを《願い》経由で唱える動きもまた「ルビー・ストーム」ならではのもの。他にもコンボを阻害するパーマネントを《虹色の終焉》で除去したり、《オアリムの詠唱》を唱えて対戦相手の反撃を封じた上で安全にコンボを一人旅……デッキの柔軟性を高める《願い》もまた、《フラッシュバック》が出たことで気軽に再利用可能になったことでより強く楽しく使えるようになった1枚と言えるね。

 《飛行》だったり《戦慄予示》だったりと、マジックのゲーム内のキーワードをカード名に冠したカードはいくつか見られる。《フラッシュバック》もそんな遊び心に溢れた名前を持ち、同時に構築フォーマットでも様々なデッキで活躍するポテンシャルを持つ1枚だ。君なら何をフラッシュバックする?その夢は今後も拡がり続ける……。

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