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行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第6回:4パックシールド・アヴァシンの帰還編

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2012.06.21

行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第6回:4パックシールド・アヴァシンの帰還編

著者紹介:行弘 賢(ゆくひろ・けん)

 「deathsnow」の二つ名を持つ、気鋭のプレイヤー・デッキデザイナー。
 マジック歴は時のらせんブロックからと短いながら、プロツアー・京都09での《ミストメドウの魔女》デッキ、プロツアー・アムステルダム10での「オリスチャント」など、特異なデッキデザイン能力は海外からも注目を集める。
 高いレベルで安定した成績を残し続け、主な戦績にプロツアー・アヴァシンの帰還 4位、グランプリ・神戸2012 準優勝、The Finals 2011 トップ8などがある。
 また、「ニコニコ生放送」で配信を行うなど、ネットを使った積極的な活動でも知られている。


 皆さんこんにちは!

 アヴァシンの帰還が発売してもうすぐ2か月が経とうとしてますが、早くも基本セット2013(M13)の発売が近づいてきましたね。M13がMOにも導入されると、アヴァシンの帰還のパックを剥く機会がどんどん少なくなってきます。
 というのも、やはりMOでは最新セットのドラフトやシールドが人気なため、古くなったエキスパンションはドラフトやシールドのキューが立つ回数が少なくなってしまうからです。

 そういう理由もあり、今のうちにアヴァシンの帰還を剥いておかねばどんどん機会が少なくなってしまいます。
 しかしただ剥くのでは損してしまう可能性が高いですよね?
 そこで僕がオススメするのが『アヴァシンの帰還・4パックシールド』です。

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 この4パックシールドは、なんと参加費無料。
 参加に必要なのは持ち込みの4パックのみ、3回戦のスイスラウンド形式で、商品は3勝で5パック、2勝で3パック、1勝で1パックとなっています。
 2勝以上することができたなら、剥いた4パック分のレアを含めると、何回でもチャレンジできてしまえる構成になっています。


 ただパックを剥くぐらいなら参加費無料のこの4パックシールドをやった方が良い、というところまでは説明させていただきましたが、それでは実際にこのフォーマットがどのようなゲームなのかを説明していきたいと思います。


デッキは30枚

 普段のシールドは6パックで行われますが、このシールドは4パックです。なので、単純にカードプールが狭いので、40枚で組む、というのは厳しくなってきます。

 そういった面を考慮してなのか、4パックシールドでは30枚でデッキを組むことができます。
 ということは、単純に強いレアを引いたならば、普段のシールドよりそれを引く確率が高くなる、ということでもあります。なので、強いカードを引いたら、多少その色が弱くても使っていくようにした方が良い場合が多いです。

「高くて強い私なんかいかがかしら?」


土地の枚数は11~13枚

 土地の枚数は、

  • 30枚中、土地11枚≒40枚中、土地15~16枚
  • 30枚中、土地12枚≒40枚中、土地16~17枚
  • 30枚中、土地13枚≒40枚中、土地17~18枚

 ぐらいの感覚で考えていただけたら良いと思います。
 1マナ域~3マナ域が多いと思うのならば11枚、5マナ域までまんべんなくカードがある場合は12枚、低マナ域が薄く、5マナ以上が4枚以上ある、という場合は13枚を考慮した方が良いかもしれませんね。


ライブラリーアウトのススメ

 30枚というデッキの枚数のもとでは、ある戦略が普段のマジックより活きてきます。
 そう、『ライブラリーアウト』です。

 そしてこの環境には、コモンに凄い山札破壊のカードがあります。
 それは、《戦慄水》です。

 このカードは「土地の枚数分」の山札を削る、というカードです。したがって、防御的なデッキにして、これで一気に山札を削る、という戦略になります。

 その他にもアンコモンですが、《厳格な導師》も非常に強力なライブラリーアウトのカードです。

 《電位式錬金術師》なんかと組になった日にはすぐに相手の山札はスッカラカンになっちゃいますね。

 このようなライブラリーアウトに適したカードが複数枚プールにある場合は、それを視野に入れてデッキ構築すると良いと思います。特にこの環境は使用に耐えうるクリーチャーが少なく決め手に欠けるデッキになりやすいので、そういった時にもフィニッシュ手段として《戦慄水》を採用するのも良いかもしれませんね。

 逆に対戦相手がライブラリーアウトの戦略ならば、こちらも山札を増やす等対抗手段を取るのも良いかもしれません。


少し遅めな感じを意識しよう

 ただでさえ使用に耐えうるクリーチャーが少ないと言われるアヴァシンの帰還のリミテッドですが、4パックシールドではもっとシビアになってきます。

 全然強いクリーチャーがいない!という時も多々あると思います。しかし、それは対戦相手も同じことです。軽くて強いクリーチャーがたくさんいるに越したことはないのですが、そんなドラフトのようなデッキが組めるのは稀です。
 なので、軽くていまいちなカード(《真夜中の決闘者》等)よりは、場に出た時にプレッシャーを与えられる重いクリーチャー(《州民の声》等)を入れるようにした方が良いと思います。

 シールドの基本といえばそれまでですが、ドラフトよりも少し遅い環境を想定してデッキを組むようにした方が良いですね。


3つ目のエキスパンションは高騰のチャンス!?

 前ブロックである『ミラディンの傷跡ブロック』の3つ目のエキスパンション、『新たなるファイレクシア』のカードは、現在MOで非常に高騰しています。
 当時ドラフトでパックが剥かれていた時は5tixぐらいだった《大修道士、エリシュ・ノーン》は現在15tix以上で取引されてますし、レアである《刃の接合者》でさえ8tix以上することがざらです。

 これらは冒頭の3つ目のエキスパンションの後には基本セットが発売される、ということに関係があります。
 他のエキスパンションに比べて、次の基本セットが普通のセットの間隔よりも早く発売されるため、3つ目のエキスパンションは剥かれる期間が短くなってしまうという現象が発生するのです。そのためMO内における3つ目のエキスパンションの供給が少なくなりがち、というのが原因だと思われます。

 後から「あのカード、当時に比べたら、凄く高い!」ということも往々にして起こりますので、是非『アヴァシンの帰還』を剥いて剥いて剥きまくり、たくさんレアを持っておくと良いことが起こるかもしれませんね。


 今回はアヴァシンの帰還の4パックシールドを紹介させていただきましたがいかがでしたか?
 仕事が忙しくてなかなかMOする時間が無い、という社会人の方にもだいたい2~3時間ぐらいで試合が終わる4パックシールド、オススメです。是非皆さん遊んでみてください。

 それでは次回『基本セット2013』が発売した後の世界でお会いしましょう! それでは!


※ Magic Onlineでは10周年記念イベントが開催中! 詳しくは今週の『鍛冶友浩のデジタル・マジック通信』にて!(編集)

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