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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ グランプリ・神戸2015直前特集!

津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ グランプリ・神戸2015直前特集!

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 こんにちは!晴れる屋の津村です。

 いよいよ今週末に「グランプリ・神戸2015」が開催されますね! 久しぶりの国内スタンダードグランプリということで、個人的にも非常に楽しみにしております!

 さて、今週はそんな「グランプリ・神戸2015」に向けて、スタンダードの主要デッキをおさらいしてみたいと思います。まずは、直近に行われたふたつのグランプリのトップ8デッキをご覧ください。


グランプリ・インディアナポリス2015」トップ8デッキ(10月31日~11月1日開催)

  • 優勝・「アブザン・アグロ」
  • 準優勝・「エスパー・トークン」
  • 3位・「赤緑上陸」
  • 4位・「アブザン・アグロ タッチ青」
  • 5位・「バント・《硬化した鱗》」
  • 6位・「エスパー・コントロール」
  • 7位・「バント・大変異」
  • 8位・「アブザン・アグロ」

グランプリ・ブリュッセル2015」トップ8デッキ(11月14~15日開催)

  • 優勝・「エスパー・ドラゴン」
  • 準優勝・「4色《先祖の結集》コンボ」
  • 3位・「アタルカ・レッド」
  • 4位・「4色《先祖の結集》コンボ」
  • 5位・「4色《先祖の結集》コンボ」
  • 6位・「アブザン・アグロ」
  • 7位・「アブザン・アグロ」
  • 8位・「エスパー・ドラゴン」

 ここ最近のスタンダードと言えば、プロツアーで「赤単」系のデッキが勝って、その後にミッドレンジやコントロールデッキが勝つのが通例となっていましたが、今回は少し事情が異なっているようです。この度の異変の原因、それはプロツアー『戦乱のゼンディカー』を制した「アブザン・アグロ」が、まるで失速の気配を見せないところです。

 瀧村 和幸という最高の乗り手に恵まれたこのデッキは、プロツアー優勝というこれ以上ない結果を残し、その後もMagic Onlineで最も権威ある大会とされる「Magic Online Championship Series」を皮切りに、「グランプリ・インディアナポリス2015」、「第5期スタンダード神挑戦者決定戦」、「StarCityGames Open Philadelphia」などなど、立て続けに勝利を重ねています。「グランプリ・神戸2015」でも、間違いなく大本命と言って差し支えないデッキでしょう。

 「グランプリ・ブリュッセル2015」までは、このまま「アブザン・アグロ」の天下が続くものかと思われていましたが、「エスパー・ドラゴン」や「4色《先祖の結集》コンボ」デッキなど、バラエティ豊かなデッキが名を連ねています。

 「アブザン・アグロ」に強いとされている「エスパー・ドラゴン」の躍進は納得のいくものですが、一般的に《先頭に立つもの、アナフェンザ》に弱いとされていた「4色《先祖の結集》コンボ」の活躍には驚きました。使用者が錚々たる面子だったことも確かですが、そのうちの1人であるマグナス・ラント/Magnus Lanttoは、「このデッキは『アブザン・アグロ』に対して相性は悪くない」と自信を持っているようですし(参考記事)、今後の動向にも注目が集まります。


 今週は上記デッキを含め、今のスタンダードをときめくデッキをご覧いただきたいと思います。それでは、まずは大本命とされる「アブザン・アグロ」から。

「アブザン・アグロ」

Brent Clawson - 「アブザン・アグロ」
グランプリ・インディアナポリス2015 優勝(10月31日~11月1日開催)[MO]
2 《
2 《平地
2 《梢の眺望
1 《燻る湿地
1 《窪み渓谷
4 《吹きさらしの荒野
4 《溢れかえる岸辺
4 《樹木茂る山麓
4 《乱脈な気孔
2 《ラノワールの荒原

-土地(26)-

4 《始まりの木の管理人
4 《棲み家の防御者
4 《先頭に立つもの、アナフェンザ
4 《包囲サイ
2 《風番いのロック
3 《搭載歩行機械

-クリーチャー(21)-
4 《ドロモカの命令
4 《アブザンの魔除け
1 《残忍な切断
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-呪文(13)-
1 《風番いのロック
2 《黄金牙、タシグル
2 《強迫
3 《絹包み
2 《自傷疵
2 《精神背信
2 《究極の価格
1 《真面目な訪問者、ソリン

-サイドボード(15)-

 現環境の王者、「アブザン・アグロ」。前述の通りプロツアー『戦乱のゼンディカー』以降も数々のタイトルを獲得しており、現在最高のデッキと名高いアーキタイプです。

 このリストをご覧になっていただければ分かるように、プロツアーを制した瀧村さんのリストから大きな変化はありません。もとより完成されていたデッキだっただけに、デッキパワーの高さが周知されるに連れて使用者が増え、今のように活躍が目立つようになったのではないかと思います。

 「アブザン・アグロ」は高い安定性と環境屈指の爆発力に加え、《棲み家の防御者》による粘り強さや、《ドロモカの命令》や《アブザンの魔除け》による対応力も兼ね備えており、まさしく王者の呼び名に相応しいデッキです。

 それでいて弱点らしい弱点も少ないデッキではありますが、ヨーロッパのトッププレイヤーたちが「アブザン・アグロ」に打ち勝つために目を付けたのは、「エスパー・ドラゴン」と「4色《先祖の結集》コンボ」デッキでした。

「エスパー・ドラゴン」

Lukas Blohon - 「エスパー・ドラゴン」
グランプリ・ブリュッセル2015 優勝(11月14~15日開催)[MO]
6 《
2 《
4 《窪み渓谷
2 《大草原の川
4 《汚染された三角州
4 《溢れかえる岸辺
2 《血染めのぬかるみ
1 《乱脈な気孔
2 《精霊龍の安息地

-土地(27)-

3 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《龍王オジュタイ
2 《龍王シルムガル

-クリーチャー(9)-
2 《強迫
4 《シルムガルの嘲笑
2 《究極の価格
3 《忌呪の発動
2 《風への散乱
1 《完全無視
2 《完全なる終わり
1 《オジュタイの命令
1 《命運の核心
1 《残忍な切断
4 《時を越えた探索
1 《意思の激突

-呪文(24)-
3 《アラシンの僧侶
2 《黄金牙、タシグル
1 《強迫
2 《否認
1 《手酷い失敗
1 《正義のうねり
1 《究極の価格
1 《無限の抹消
1 《悪性の疫病
2 《龍王の大権

-サイドボード(15)-
Ondrej Strasky - 「エスパー・ドラゴン」
グランプリ・ブリュッセル2015 8位(11月14~15日開催)[MO]
6 《
2 《
3 《窪み渓谷
3 《大草原の川
4 《汚染された三角州
4 《溢れかえる岸辺
1 《血染めのぬかるみ
2 《乱脈な気孔
2 《精霊龍の安息地

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《龍王オジュタイ
2 《龍王シルムガル

-クリーチャー(10)-
3 《強迫
4 《シルムガルの嘲笑
3 《究極の価格
4 《忌呪の発動
1 《風への散乱
2 《完全なる終わり
2 《命運の核心
4 《時を越えた探索

-呪文(23)-
4 《アラシンの僧侶
2 《黄金牙、タシグル
1 《払拭
2 《否認
1 《究極の価格
2 《無限の抹消
1 《悪性の疫病
2 《龍王の大権

-サイドボード(15)-

 「アブザン・アグロ」に強いデッキとして、「グランプリ・ブリュッセル2015」で大きな注目を集めたデッキが「エスパー・ドラゴン」です。環境初期は《はじける破滅》の多さもあってか、《龍王オジュタイ》を採用しない形が結果を残していましたが、ここにきて《龍王オジュタイ》を採用した形が巻き返しを見せています。

 基本的な戦略は以前と変わらず、《シルムガルの嘲笑》や《忌呪の発動》で序盤を耐え凌ぎ、《龍王オジュタイ》や《時を越えた探索》でゲームを掌握するのみです。

 《忌呪の発動》と言えば、《搭載歩行機械》の台頭とともに使用数が激減したカードですが、(1)環境に《絹包み》が増えたこと、(2)「アブザン・アグロ」がミラーマッチを意識して《荒野の後継者》を優先することが増えたことを理由に《搭載歩行機械》の枚数が減ってきたため、今ならば以前と同様の活躍が期待できます。

 また、現環境には《ヴリンの神童、ジェイス》と《龍王オジュタイ》の両方を除去できるカードが少ないため、「エスパー・ドラゴン」は《ヴリンの神童、ジェイス》が最も力を発揮しやすいデッキのひとつです。

 例えば「ダーク・ジェスカイ」には軽量クリーチャーが大量に搭載されているので、《絹包み》をサイドインすることに抵抗がありませんが、対「エスパー・ドラゴン」では意見が分かれると思います。そういった背景から、「エスパー・ドラゴン」は最強の《ヴリンの神童、ジェイス》デッキとして、「アブザン・アグロ」の対抗勢力として、グランプリでも活躍が見込まれています。

 なお、優勝者のルーカス・ブローン/Lukas Blohonさんがトップ8プロフィールで「《オジュタイの命令》を削って《ヴリンの神童、ジェイス》の4枚目を入れたい」とおっしゃっているので、このデッキをご使用予定の方はぜひ参考にしてみてください。

 さて、続いては3名ものプレイヤーをトップ8に送り込んだ「4色《先祖の結集》コンボ」デッキを。

「4色《先祖の結集》コンボ」

Simon Nielsen - 「4色『先祖の結集』コンボ」
グランプリ・ブリュッセル2015 準優勝(11月14~15日開催)[MO]
1 《平地
1 《
1 《
1 《
1 《大草原の川
2 《窪み渓谷
2 《梢の眺望
4 《溢れかえる岸辺
4 《汚染された三角州
4 《吹きさらしの荒野
3 《進化する未開地

-土地(24)-

4 《シディシの信者
4 《エルフの幻想家
4 《ヴリンの神童、ジェイス
4 《ズーラポートの殺し屋
4 《地下墓地の選別者
4 《不気味な腸卜師
4 《ナントゥーコの鞘虫

-クリーチャー(28)-
4 《先祖の結集
4 《集合した中隊

-呪文(8)-
4 《アラシンの僧侶
2 《払拭
2 《強迫
1 《勇敢な姿勢
2 《アブザンの隆盛
4 《残忍な切断

-サイドボード(15)-

 「グランプリ・ブリュッセル2015」で台風の目となったのは「4色《先祖の結集》コンボ」デッキでした。前回の記事でもべた褒めしていましたが、僕自身は《先頭に立つもの、アナフェンザ》の隆盛を機にこのデッキは諦めてしまいました。

 しかしながら、ヨーロッパのプロたちはこのデッキが《先頭に立つもの、アナフェンザ》を乗り越えられると結果をもって証明しています。「アブザン・アグロ」に対しては、そもそも《先頭に立つもの、アナフェンザ》を引かれない場合には大体のゲームに勝つことができますし、仮に登場しても《シディシの信者》でどかしてしまえば、その間にコンボを決めることが可能です。

 このデッキに非常に効果的で、なおかつ「エルドラージ・ランプ」にも突き刺さる《無限の抹消》が増量傾向にあるのは懸念材料ですが、逆に言ってしまえばそのような専用カードがないと対策が難しく、非常に与しづらいデッキです。

 今大会の結果を受け、「グランプリ・神戸2015」でも増加が見込まれるデッキですので、可能であればサイドボードに対策カードを仕込んでおきたいところです。

「アタルカ・レッド」

Antonino Castellani - 「アタルカ・レッド」
グランプリ・ブリュッセル2015 3位(11月14~15日開催)[MO]
8 《
1 《
2 《燃えがらの林間地
4 《樹木茂る山麓
4 《血染めのぬかるみ
2 《吹きさらしの荒野

-土地(21)-

4 《僧院の速槍
4 《鐘突きのズルゴ
2 《稲妻の狂戦士
4 《ケラル砦の修道院長

-クリーチャー(14)-
4 《タイタンの力
3 《乱撃斬
2 《焦熱の衝動
4 《アタルカの命令
4 《ドラゴンの餌
3 《ティムールの激闘
2 《軍族童の突発
3 《強大化

-呪文(25)-
2 《棲み家の防御者
3 《カラデシュの火、チャンドラ
2 《焦熱の衝動
2 《引き裂く流弾
3 《焙り焼き
2 《軍族童の突発
1 《弧状の稲妻

-サイドボード(15)-

 「エスパー・ドラゴン」の活躍に伴い、再び日の目を浴びそうなデッキが「アタルカ・レッド」です。今回はプロツアー前の「SCG Open」を優勝したこともあり、プロツアー前から一貫してマークが厳しいものの、安定した展開と《ティムールの激闘》+《強大化》の一撃必殺コンボが魅力的なデッキです。

 《僧院の速槍》や《鐘突きのズルゴ》といった優秀なクリーチャーで攻め入り、対戦相手が隙を見せたら上記コンボで一瞬でライフを削りきります。このコンボ自体はすでに周知されているものの、常にプレッシャーをかけてくる「アタルカ・レッド」に対して、盤面の対処とコンボへの備えを両立するのは非常に難しいので、依然としてこの組み合わせは強力です。

 クリーチャーやその他の呪文も優秀なものが多く、メインデッキだけなら環境最高のデッキとも言われるほどのデッキですが、問題となるのは《アラシンの僧侶》や《正義のうねり》が投入されるサイドボード後です。

 上記カードを無視できる《カラデシュの火、チャンドラ》を投入する戦略もすっかり定着してきましたが、「アタルカ・レッド」に対しては対戦相手もありったけの除去呪文を搭載してくるので、これだけではまだ不十分に思えます。

 最近では《鎌豹》や《噛み付きナーリッド》など、《アラシンの僧侶》を乗り越えられ、なおかつ《正義のうねり》の対象にならない緑のクリーチャーを増やした「上陸」型も結果を残してきているので、どうしてもサイドボード後にうまくいかないという方は、下記リストもお試しいただければと思います。

Scott Kirkwood - 「赤緑上陸」
グランプリ・インディアナポリス2015 3位(10月31日~11月1日開催)[MO]
5 《
4 《
2 《燃えがらの林間地
4 《樹木茂る山麓
4 《血染めのぬかるみ
4 《吹きさらしの荒野
1 《進化する未開地

-土地(24)-

4 《僧院の速槍
4 《鎌豹
1 《鐘突きのズルゴ
4 《ケラル砦の修道院長
4 《棲み家の防御者
3 《噛み付きナーリッド

-クリーチャー(20)-
4 《タイタンの力
4 《アタルカの命令
4 《ティムールの激闘
4 《強大化

-呪文(16)-
1 《龍爪のヤソヴァ
3 《引き裂く流弾
2 《乱撃斬
2 《焙り焼き
3 《弧状の稲妻
3 《前哨地の包囲
1 《龍語りのサルカン

-サイドボード(15)-

「ダーク・ジェスカイ」

lsv - 「ダーク・ジェスカイ」
Magic Online Standard Championships #8987714(11月8日開催)[MO]
1 《平地
1 《
1 《
2 《
2 《大草原の川
2 《窪み渓谷
1 《燻る湿地
4 《溢れかえる岸辺
4 《汚染された三角州
4 《血染めのぬかるみ
4 《神秘の僧院

-土地(26)-

1 《竜使いののけ者
4 《ヴリンの神童、ジェイス
1 《魂火の大導師
4 《カマキリの乗り手
2 《黄金牙、タシグル
1 《龍王シルムガル

-クリーチャー(13)-
3 《焦熱の衝動
1 《乱撃斬
2 《否認
1 《手酷い失敗
4 《はじける破滅
2 《コラガンの命令
1 《ジェスカイの魔除け
1 《苦い真理
3 《オジュタイの命令
1 《完全なる終わり
2 《時を越えた探索

-呪文(21)-
2 《アラシンの僧侶
1 《フェリダーの仔
1 《龍王シルムガル
1 《払拭
1 《強迫
2 《軽蔑的な一撃
1 《見えざるものの熟達
1 《正義のうねり
1 《精神背信
2 《光輝の炎
1 《苦い真理
1 《影響力の行使

-サイドボード(15)-

 環境初期は「アブザン・アグロ」と双璧を成すとされていた「ダーク・ジェスカイ」。直近の2回のグランプリでこそトップ8に残っていないものの、依然として根強い人気を誇っています。

 「ダーク・ジェスカイ」の強みは、前回も少し触れた通り、対峙する際の難しさにあると思います。《はじける破滅》・《コラガンの命令》・《オジュタイの命令》を筆頭に、インスタントタイミングでできることが多彩なので、手札を読むのが非常に困難で、ゲーム運びも一筋縄ではいきません。

 単純な長期戦の強さで言えば、「エスパー・ドラゴン」に軍配が上がるため、少し微妙な立ち位置になってしまった感は否めませんが、デッキパワーは十分に水準をクリアしているデッキなので、「グランプリ・神戸2015」に向けてしっかりと練習を積んでおきたいデッキのひとつですね。


終わりに

 「グランプリ・ブリュッセル2015」では、「エスパー・ドラゴン」や「4色《先祖の結集》コンボ」が台頭し、話題に事欠かない週末となりましたが、「グランプリ・神戸2015」では一体どんなデッキが勝ち残るのでしょうか。

 実はひっそりと「グランプリ・神戸2015」の練習も兼ねて、「アブザン・アグロ」で「グランプリ・ブリュッセル2015」に参加してきたのですが、結果は5勝3敗と良いところなくボコボコにされました。今週末はその反省を生かしてがんばりたいと思います!

 参加される方々はよろしくお願いいたします! それでは、また次回の連載で!

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