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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

第89回:プロツアー・闇の隆盛直前特集・最新メタゲームと注目のデッキ

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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ

2012.02.09

第89回:プロツアー・闇の隆盛直前特集・最新メタゲームと注目のデッキ


 こんにちはー。

 いよいよ「闇の隆盛」が発売され、先週末には世界各国で新スタンダードの大会が行われました。まだ誰もが手探りといった様子ですが、そんな中、今週末には「プロツアーホノルル・闇の隆盛」が開催されます。
 スタンダードラウンド10回戦とドラフトラウンド6回戦の後に、スタンダードのデッキを用いて決勝ラウンド3回戦が行われます。そこでは、新環境の指針となるデッキが現れることでしょう。

 今週はそのプロツアーのカバレージをより一層楽しむためのメタゲーム予想と、先週末に行われた大会の中から、「闇の隆盛」を使用したデッキを見ていきたいと思います。
 まずはいつものようにメタゲーム予想から。


~プロツアー・闇の隆盛・メタゲーム予想~

Tier1
  • 「青白Delver-Blade(第85回)」
  • 「青白人間ビートダウン(第77回)」
Tier2
Tier3


 個人的にはこのようなメタゲームを予想しています。
 依然として「青白」の二強状態は変わらずといったところですが、《死の支配の呪い》や《鞭打ち炎》のようなクリティカルなカードが多い「Delver-Blade」よりも、これといった弱点の少ない「人間ビートダウン」の活躍が目立つのではないかと考えています。
 そこにお馴染みの「赤緑《ケッシグの狼の地》」や「エスパーコントロール」が続き、さらにはここ最近Magic Online(以下MO)界で爆発的な増加を見せている「白単タッチ緑《鍛えられた鋼》」などが虎視眈々と王座を狙う構図になると思います。

 どのデッキもデッキパワーは申し分ないものの、上位陣はそれに加え高い安定性を誇ることが、強いデッキたる所以ですね。あとは細部の調整だったり、いかに「闇の隆盛」のカードを上手くデッキに組み込めるか、といった辺りが焦点になってくるのではないでしょうか。

 今週は、プロツアー前にぜひとも抑えておきたいデッキを中心に見ていきたいと思います。デッキリストを参照させていただくのは以下の大会の結果です。

StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド

PWC第316回&第317回大会」(結果は「ストライクと大会」)より


 それでは、今週も最後までお付き合いをよろしくお願いいたします。


「白単タッチ緑《鍛えられた鋼》」

Nils Tolpingrud
StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド 優勝(2012-02-05)[MO] [ARENA]
9 《平地
4 《剃刀境の茂み
4 《墨蛾の生息地
3 《ガヴォニーの居住区

-土地(20)-

4 《メムナイト
4 《信号の邪魔者
4 《きらめく鷹
4 《大霊堂のスカージ
4 《刻まれた勇者

-クリーチャー(20)-
4 《オパールのモックス
4 《起源の呪文爆弾
3 《急送
4 《きらめく鷹の偶像
4 《鍛えられた鋼
1 《忘却の輪

-呪文(20)-
2 《呪文滑り
4 《刃砦の英雄
2 《精神的つまづき
1 《急送
4 《忠実な軍勢の祭殿
1 《天界の粛清
1 《忘却の輪

-サイドボード(15)-

 昨年は日本選手権優勝を手始めに、世界選手権トップ8のうち4つを占めるなど、著しい活躍を見せた「白単《鍛えられた鋼》」デッキ。
 第80回でご紹介したものは、《ムーアランドの憑依地》のために青を足した形でしたが、最近では《ガヴォニーの居住区》のために緑を足したものが主流になっています。

 これは主に《鍛えられた鋼》を引かない場合のデッキパワーの向上を狙っての採用だと思われますが、現状の「青白」過多のメタゲームだと、墓地にあまりクリーチャーが落ちないゲームが多い上、それに加え《死の支配の呪い》の流行も《ムーアランドの憑依地》の不採用を促しています。

 このデッキの強みは「Delver-Blade」に多少の有利が付くことでしょう。
 「Delver-Blade」のような「クロックパーミッション」は、基本的にクリーチャーを大量に展開されることを弱点としているので、これだけ手数の多いデッキだと、普通にプレイしているだけで「Delver-Blade」に対して優位を築くことが可能です。

 さらには「Delver-Blade」のメインアタッカーである《聖トラフトの霊》が、ブロッカーを容易に用意できるこのデッキにとってはそこまで大きな脅威ではないことや、「Delver-Blade」が突破口を開くために使用する《蒸気の絡みつき》も、軽量クリーチャーを多用するこの「白単タッチ緑《鍛えられた鋼》」デッキには効果がいまいちなことなどなど、「Delver-Blade」が嫌がる要素が詰まっています。
 ある程度のクロックが用意できたのならば、あとは《鍛えられた鋼》を通すタイミングを見計らって動くか、《ガヴォニーの居住区》でのバックアップのもと攻撃を継続するといいでしょう。

 ここまでは敢えて触れてきませんでしたが、このリストには「闇の隆盛」のカードが1枚も入っていません。もともとアーティファクト主体のデッキなので、アーティファクト以外のカードを採用しづらいため、これは致し方のないことではありますが、《鍛えられた鋼》と《忘却の輪》が重要になるミラーマッチを見越して、《天啓の光》を採用してもいいかもしれませんね。

 とはいえ、何にせよ「闇の隆盛」の恩恵をあまり受けられないデッキなのは紛れもない事実です。しかしながら、このデッキはプロツアーでも間違いなく活躍するであろうデッキのひとつということで、今回のトップバッターに選ばせてもらいました。
 この「StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド」が良い例ですが、「《鍛えられた鋼》」というデッキはメタゲーム次第で勝てるだけの十分なデッキパワーがあります。どのデッキで出るにしろ、きちんと対策をしておきたい類いのデッキですね。

 さて、ここからは気を取り直して「闇の隆盛」の入ったデッキを見ていきましょう。


「緑単ビートダウン」

Todd Anderson
StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド 5位(2012-02-05)[MO] [ARENA]
24 《

-土地(24)-

4 《極楽鳥
4 《ラノワールのエルフ
4 《絡み根の霊
4 《ダングローブの長老
3 《ファイレクシアの変形者
2 《最後のトロール、スラーン
1 《酸のスライム
1 《吠える絡みワーム

-クリーチャー(23)-
1 《変異原性の成長
4 《戦争と平和の剣
4 《緑の太陽の頂点
1 《情け知らずのガラク
3 《原初の狩人、ガラク

-呪文(13)-
1 《裏切り者グリッサ
2 《外科的摘出
3 《漸増爆弾
2 《帰化
3 《転倒の磁石
2 《忍び寄る腐食
2 《饗宴と飢餓の剣

-サイドボード(15)-

 Todd AndersonさんはStarCityGamesの看板ライターで、3週間前に行われた「StarCityGames スタンダードオープン・ワシントン」でも見事に優勝を果たしています。
 そんな彼が新環境一発目に持ち込んだのは、いくつかのシークレットテクニックを搭載した「緑単ビートダウン」でした。

 まず目を引くのが、《》24枚というシンプルなマナベース。《ダングローブの長老》の入ったこの手のデッキは、《原始のタイタン》から《ケッシグの狼の地》と《墨蛾の生息地》を導くシステムを採用するのが一般的ですが、Toddさんはそうはせずに、敢えて《》だけのマナベースに仕上げています。
 これにより《ダングローブの長老》は以前よりも安定したサイズを見込めますし、新顔の《絡み根の霊》を安定して2ターン目にキャストすることができます。

 この《絡み根の霊》こそが、Toddさんが《》24枚というマナベースを作るきっかけになったであろう1枚で、「闇の隆盛」の中でも要注目のカードと言えます。

 「緑単色」のデッキが古来より苦手とする《審判の日》、《黒の太陽の頂点》のような全体除去耐性はもちろんのこと、《ファイレクシアの変形者》との相性の良さも見逃せない重要なポイントです。

 《絡み根の霊》に化けた《ファイレクシアの変形者》が墓地に落ちた場合、当然「不死」能力が誘発して戦場に戻ってきます。その際にはもちろん+1/+1カウンターのおまけ付きで戦場に戻ってきますし、さらにはコピー先を新たに選ぶこともできます。
 仮に《審判の日》のような全体除去で《絡み根の霊》と《ファイレクシアの変形者》が同時に墓地に落ちた場合でも、戦場に《絡み根の霊》→《ファイレクシアの変形者》の順番で戻せば無事に3/2クリーチャーが2体戻ってきます。とにかく《ファイレクシアの変形者》と「不死」能力の相性の良さは強力の一言に尽きます。
 今まで《クローン》系クリーチャーには、全体除去の直後に展開しづらいという大きな弱点がありましたが、「不死」クリーチャーの登場でそれは一変してしまいました。

 この《ファイレクシアの変形者》+「不死」テクニックを、「闇の隆盛」発売直後にきちんと形に仕上げただけでも尊敬に値しますが、Toddさんのリストにはまだまだ驚きのテクニックが隠されています。

 ひとつめは《緑の太陽の頂点》用に採用された《吠える絡みワーム》。
 今までの連載でも何度かお伝えしている通り、《ダングローブの長老》の課題は回避能力がないことです。本来であれば、前述の《原始のタイタン》+《ケッシグの狼の地》システムでこれを解消するのが一般的ですが、Toddさんが選んだのはまさかまさかの《吠える絡みワーム》でした。
 ミラーマッチや「白単《鍛えられた鋼》」系統のデッキ相手にはさみしいものの、このデッキが苦手とする《ミラディンの十字軍》すらも乗り越えられる優秀な1枚で、《原始のタイタン》とは違い、速攻性があるのが長所ですね。
 ほぼリミテッド専用と思われがちなこのようなカードを、さらりと使いこなすセンスはさすがとしか言いようがありません。

 ふたつめも《緑の太陽の頂点》絡みのカードで、サイドボードに採用された《裏切り者グリッサ》がそれにあたります。
 先週お伝えした(第88回のリンク)「白黒トークン」は、やはり多くのプレイヤーが意識していたようで、それはToddさんも例外ではなかったようです。
 サイドボードから《漸増爆弾》を入れる際に、同時に《裏切り者グリッサ》を投入することで「トークン戦略」を完封する狙いで、これは《漸増爆弾》が有効な「白単《鍛えられた鋼》」相手なんかにも効果的に作用する戦略だと思います。
 僕は《》24枚のようなマナベースでデッキを作る場合、中々マルチカラーに目がいかないのですが、この辺りの視野の広さもさすがですね。

 みっつめはメインから4枚採用されている《戦争と平和の剣》。
 《極楽鳥》、《ラノワールのエルフ》を最大限に活用できるだけでなく、《ミラディンの十字軍》擁する「人間ビートダウン」に打ち勝つためにも装備品は必須と言えますが、Toddさんはメインに《戦争と平和の剣》、そしてサイドに《饗宴と飢餓の剣》という戦略を気に入っているようで、「StarCityGames スタンダードオープン・ワシントン」でもこの手法を用いていました。
 至ってシンプルな戦略ではありますが、これは自分のデッキの得意、不得意、そしてメタゲームをしっかりと把握した上でこそできる芸当だと思います。特定のデッキに勝てない、そんな悩みをお抱えのみなさんは、ぜひともToddさんのように「剣の使い分け」を真似してみてはいかがでしょう?

 最後に、これはToddさんのリストとは関係ないのですが、近頃MOで《ダングローブの長老》入りの「緑単タッチ《ケッシグの狼の地》(参考:第75回)」が再び日の目を浴びています。
 おそらく「Delver-Blade」の《蒸気の絡みつき》に強いことと、《審判の日》などの全体除去よりも《破滅の刃》のような単体除去の需要が上がっているためでしょう。
 プロツアーのカバレージを観る際には、ぜひとも《ダングローブの長老》の動向にも注目してみてください。


「青黒《心なき召喚》」

Ali Aintrazi
StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド 6位(2012-02-05)[MO] [ARENA]
8 《
6 《
4 《闇滑りの岸
4 《水没した地下墓地
3 《埋没した廃墟
1 《幽霊街

-土地(26)-

2 《幻影の像
4 《真面目な身代わり
2 《ファイレクシアの変形者
2 《ヘイヴングルの死者
2 《ワームとぐろエンジン
1 《霜のタイタン
3 《ルーン傷の悪魔
2 《ウスーンのスフィンクス

-クリーチャー(18)-
4 《思案
4 《悲劇的な過ち
4 《心なき召喚
2 《破滅の刃
2 《黒の太陽の頂点

-呪文(16)-
3 《呪文滑り
1 《危険なマイア
1 《ワームとぐろエンジン
1 《霜のタイタン
3 《精神的つまづき
3 《漸増爆弾
2 《ミミックの大桶
1 《血統の切断

-サイドボード(15)-

 お次は「青黒《心なき召喚》」の最新版を。
 「闇の隆盛」から加入したカードは《ヘイヴングルの死者》と《悲劇的な過ち》の2種類です。

 前者は《心なき召喚》と相性が良く、息切れ防止にもってこいの1枚で、後者はとても1マナとは思えないほど高性能の除去です。
 デッキの細かい動きやカード選択は、お手数ですが第82回の記事をご覧になっていただくとして、今回のプロツアーで注目してほしいのは、このアーキタイプがプロツアークラスのイベントで勝ち切れるのか否かです。

 基本的にはローグデッキ扱いされることが多いデッキなのですが、デッキパワーはかなりのものがあると思いますし、このリストの使用者であるAliさんは2010年度のアメリカ王者なんです。そんな強豪プレイヤーすらも惚れ込んだ《心なき召喚》が、今回のプロツアーで一花咲かせてくれるのでは、と密かに期待を寄せています。

 彼がプロツアーにそのままこのデッキを持ち込むかどうかは分かりませんが、歴代最強「ジャーマン・ジャガーノート」Kai Buddeがこのアーキタイプをプロツアーに持ち込むという噂を耳にしましたし、そういった意味でも《心なき召喚》には要注目です。


「Esper-Blade」

Harold White
StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド 7位(2012-02-05)[MO] [ARENA]
6 《
1 《平地
4 《金属海の沿岸
4 《闇滑りの岸
4 《氷河の城砦
3 《ムーアランドの憑依地

-土地(22)-

4 《秘密を掘り下げる者
4 《瞬唱の魔道士
4 《聖トラフトの霊
3 《ドラグスコルの隊長

-クリーチャー(15)-
3 《ギタクシア派の調査
2 《はらわた撃ち
4 《蒸気の絡みつき
4 《思案
4 《マナ漏出
4 《未練ある魂
2 《戦争と平和の剣

-呪文(23)-
2 《ファイレクシアの変形者
2 《精神的つまづき
2 《外科的摘出
1 《はらわた撃ち
2 《瞬間凍結
1 《否認
2 《雲散霧消
2 《忘却の輪
1 《機を見た援軍

-サイドボード(15)-

回転

 今回のプロツアーで大本命と言われるのが「青白Delver-Blade」。
 こちらのリストはそこに黒を足すことで、「闇の隆盛」最強のカードと噂される《未練ある魂》の運用を可能としています。

 黒マナソースが4枚しか入っていない関係上、毎回安定して「フラッシュバック」できるわけではありませんが、それでも《深夜の出没》と同等の効果が得られるわけで、このカードは本当にただただすごいです。

 そしてこのリストには《未練ある魂》の力を最大限に発揮すべく、《ドラグスコルの隊長》までもが採用されています。

 これは《未練ある魂》のみならず、《聖トラフトの霊》自身と《ムーアランドの憑依地》から出てくるトークンが「スピリット」であることに着目した1枚で、「Delver-Blade」が苦手とする《死の支配の呪い》への貴重な対策カードにもなります。
 《未練ある魂》のない「青白」バージョンだと少し微妙に感じますが、「タッチ黒」バージョンであれば大いに検討する価値のあるプランだと思います。

 今日ではみなが相当に「Delver-Blade」を対策してきていますし、「Delver-Blade」がそれらを乗り越えられるのか、というのは個人的に注目しているトピックのひとつです。この「Esper-Blade」は、もしかすると良い解答になりえるかもしれません。


「エスパー(青黒白)コントロール」

Shaheen Soorani
StarCityGames スタンダードオープン・リッチモンド 14位(2012-02-05)[MO] [ARENA]
5 《
3 《平地
2 《
4 《金属海の沿岸
1 《闇滑りの岸
4 《孤立した礼拝堂
2 《氷河の城砦
2 《水没した地下墓地
3 《進化する未開地

-土地(26)-

2 《瞬唱の魔道士
2 《聖別されたスフィンクス

-クリーチャー(4)-
4 《マナ漏出
3 《熟慮
2 《破滅の刃
2 《喉首狙い
2 《漸増爆弾
2 《禁忌の錬金術
3 《審判の日
3 《死の支配の呪い
3 《ヴェールのリリアナ
3 《イニストラードの君主、ソリン
2 《ギデオン・ジュラ
1 《エルズペス・ティレル
1 《解放された者、カーン

-呪文(31)-
3 《聖トラフトの霊
4 《天界の粛清
1 《漸増爆弾
2 《法務官の掌握
1 《機を見た援軍
1 《幻月
1 《黒の太陽の頂点
2 《殴打頭蓋

-サイドボード(15)-

 「青白黒」というカラーリングのデッキと言えば、今まで「太陽拳」や「エスパーコントロール」を幾度となくご紹介させていただきましたが、このリストは「プレインズウォーカーコントロール」と呼ぶべき新機軸のアーキタイプとなっています。

 デッキの前に使用者であるSooraniさんの紹介をさせてもらうと、彼は根っからのコントロールフリークで、とりわけ「青黒」というカラーを好みます。第87回の記事で紹介した「青黒コントロール」を作る際にもMOのチャットで色々と教えてもらいましたし、僕らのMOでの会話のほとんどはコントロールデッキに関することばかりです。

 そんな、いつもどんな時でもコントロールデッキの可能性を模索するSooraniさんが披露したのが、こちらの「プレインズウォーカーコントロール」です。序盤を各色の優良スペルでやり過ごし、あとはデッキに大量に投入されたプレインズウォーカーで戦況をコントロールしていくわけですね。

 《イニストラードの君主、ソリン》は、ただ単に攻防に活躍するだけでなく、他のプレインズウォーカーを守るという意味合いでも重宝します。

 個人的にはこのデッキにも《未練ある魂》を入れてみたいですね。
 改悪になってしまうかもしれませんが、《瞬唱の魔道士》1、《聖別されたスフィンクス》2、《熟慮》3を抜いて、《禁忌の錬金術》2、《未練ある魂》4を追加したリストを試してみようと思っています。

 このアーキタイプはまだできてから間もないので、伸びしろがたくさんあると思うので、みなさんもぜひ自分なりのリストを組み上げてみてください。


「黒青ゾンビ」&「黒赤ゾンビ」

ワタナベ ユウヤ
第316回PWC 7位(5-1-1) [MO] [ARENA]
14 《
1 《
4 《闇滑りの岸
4 《水没した地下墓地

-土地(23)-

4 《墓所這い
4 《戦墓のグール
3 《幻影の像
4 《戦墓の隊長
4 《ゲラルフの伝書使

-クリーチャー(19)-
4 《悲劇的な過ち
4 《小悪疫
4 《困窮
3 《迫撃鞘
3 《ヴェールのリリアナ

-呪文(18)-
2 《ファイレクシアの抹消者
3 《虚無の呪文爆弾
4 《マナ漏出
4 《漸増爆弾
2 《戦争と平和の剣

-サイドボード(15)-
サイダ トシヒロ
第317回PWC 7位(4-1-1) [MO] [ARENA]
15 《
4 《黒割れの崖
4 《竜髑髏の山頂

-土地(23)-

4 《墓所這い
4 《戦墓のグール
3 《黒猫
3 《名門のグール
2 《組み直しの骸骨
4 《ゲラルフの伝書使

-クリーチャー(20)-
4 《悲劇的な過ち
4 《小悪疫
3 《困窮
3 《迫撃鞘
3 《ヴェールのリリアナ

-呪文(17)-
2 《松明の悪鬼
3 《オリヴィア・ヴォルダーレン
4 《漸増爆弾
3 《饗宴と飢餓の剣
3 《攻撃的な行動

-サイドボード(15)-

 今週の最後を飾るのはふたつの「ゾンビ」デッキです。
 ここ最近の黒のビートダウンデッキと言えば、「毒殺」を狙う「感染(参考:第76回)」デッキくらいのものでしたが、「闇の隆盛」で《墓所這い》と《ゲラルフの伝書使》という優秀なクリーチャーを手に入れたことで、久しぶりにライフを攻める真っ当なビートダウンデッキが帰ってきました。

 この2種類のクリーチャーの対処の難しさはかなりのものがあり、上記のリストではそれを活かして《小悪疫》までをも投入しています。《墓所這い》か《ゲラルフの伝書使》がいる状況であれば、こちらにあまり被害はありませんし、手札を攻めるこういった手法は、古き良き黒いビートダウンデッキを想起させますね。

 なべ(渡辺 雄也)君のように青を2色目に選べば、戦闘能力に長け、《死の支配の呪い》にも強い《戦墓の隊長》が、サイダさんのように赤を選べば、対クリーチャーデッキ必殺兵器の《オリヴィア・ヴォルダーレン》が使えます。
 青も赤も黒の友好色ということで、どちらも土地構成に差はないため、コントロールデッキをメタるなら青を、逆にビートダウンデッキをメタるのであれば赤を、というように使い分けるといいかもしれません。

 長らくの間日の目を浴びることのなかった黒系のビートダウンデッキですが、今回のプロツアーで復権を果たすのか。
 他にも見所満載の大会となっていますが、黒のお好きな方にはそんなところにも注目していただければと思います。


 今週は以上になります。「闇の隆盛」加入直後ということもあって、Tier1~3までの全てのデッキを紹介することができませんでしたが、お時間のある方は僕の過去の記事をご覧になっていただけると、カバレージをより一層楽しんでいただけるかと思います。
 今回は日本語カバレージチームが現地に行くことはないそうですが、その代わりにカバレージが日本語に翻訳されるとのことなので、そちらの方をぜひお楽しみに! みんなでカバレージを観ながら一緒に盛り上がっちゃいましょう!

 それでは、また来週ー!

プロツアー・闇の隆盛 イベントカバレージ

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