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呪文の検査

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呪文の検査

Dave Humpherys / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru

2012年11月16日


 イゼットはラヴニカの呪文の達人たちの本拠地です。マーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterがこのイゼット特集の彼の記事で先に述べたとおり、青と赤は伝統的に最も呪文が多くクリーチャーの少ない色です。ラヴニカへの回帰では、我々はこの魔道士や発明家が呪文を唱える能力を可能な限り強調しようとしました。

 最初期の超過のメカニズムから垣間見えるものに私はプレイヤーとしてとても興奮しました。私がマジックを始めた頃は、呪文を《Mana Drain》して巨大な《火の玉》をぶっ放し、《支配魔法》にふさわしい対象が出るまで邪魔者を《稲妻》することが中心でした。《剣を鍬に》は、対戦相手にライフを与えたくないので忘れていました。ライフを与えてしまうと、対戦相手を塵も残さず焼き尽くすことは困難になります。私はマッチごとに違ったクリーチャーで勝つのが好きでした。そのクリーチャーは何かって? そんなの、相手が何を出してくるかによります。私が他の色に手を広げる時も、初めて参加したプロツアーまでの間青と赤は私の中心色でありつづけました。イゼットはエンチャントでクリーチャーを盗むことには無縁に見えますが、私はそれにも適応できると思います。


通りのひきつけ》 アート: Raymond Swanland

 ケン・ネーグル/Ken Nagleが最初に彼のデザイン版メカニズムを単一の対象から全ての適正な対象に切り替えるものであると説明した時、彼はすぐにいくつかの例について話をしました。実際に彼が私に伝えたかったかどうかはともかく、下記の事柄が私の考えに浸透していきました。

 《石の雨》→《ハルマゲドン

 《粉砕》→《粉砕の嵐

 《ブーメラン》→《激動

 《稲妻》→《硫黄破

 《反逆の行動》→《暴動


 ワオ!これはやってみたい。どう見てもこのメカニズムがとても多くのことを提供してくれるだろうと感じました。どうやって他のギルドはこれと競おうと言うのでしょう?

 その上、私達はどのようにこれらの効果をレアリティごとに分ければよいでしょうか? これらはコモンらしい初期の効果を持っていますが、超過時の効果やコストを見るとレアを連想することでしょう。

 最終的に、超過のメカニズムがどうなったかを今確認することができます。ケン・ネーグルはすでにこのメカニズムがどのようにデベロップを通して変化したかを調査済みなので、それを焼き直すことはやめておきましょう。要するに、私たちはカードが自分のカードか対戦相手のカードかどちらかだけに影響が及ぶようにして、超過したときに超過呪文がすべてを対象にするのではなくしたのです。

超過してみた

 今日はイゼットの雰囲気を作って「いる」ものとそうであったかもしれないものについての多くの逸話をお伝えしたいと思います。

 いったん、私たちはこれらのカードを「あなたのコントロールする」か「あなたのコントロールしていない」を参照する、利点だけを持つ非対称的なものに切り替え、デベロップはファイルの中の何枚かの効果を期待されるであろう形で検査しました。超過した「全ての土地を破壊する」がデベロップで生き残れるかどうかは知りませんが、とにかく私はあなたが「あなたがコントロールしていない各土地を破壊する」の犠牲になることを心配しなくていい現実を喜んでくれていると思います。それでも、多くのカードが一方的な大惨事を引き起こす呪文として無傷のまま生き残りました。


 《暴突風》は最初、土地と全てのパーマネントに影響を及ぼしましたが、しかしデベロップはクリーチャー対策に焦点を当てるように決定し、超過コストを2マナ軽くして対戦相手の土地を全てタップして無防備にする役割を取り除きました。


 《ミジウムの外皮》は新しい語法による機能変更の犠牲者です。これは対象のあなたの各クリーチャーに対して呪禁を与えて超過の災難から逃れさせる、他の超過呪文に対する切り札でした。「各」に書き変えられた新しい世界では、これは他の呪文に対するもっとわかりやすい役目を果たしています。

 私が待ち望んでいたカードの多くはこういった手順の調整を必要としませんでした。私達は《粉砕の嵐》が改良された《汚損破》、《激動》が変化した《サイクロンの裂け目》、そして《硫黄破》が変化した《ミジウムの迫撃砲》を受け入れました。《ミジウムの迫撃砲》以外の全体除去として、X呪文にした《通りのひきつけ》を入れたのはデベロップの後期になってからでした。


汚損破》、《サイクロンの裂け目》、《通りのひきつけ》、《ミジウムの迫撃砲

 しかしイゼット・ギルドと連携するラヴニカの住人についてはどうでしょうか? 私達は彼らにこの呪文中心のギルドの多くの魅力を伝えて欲しいと強く望みました。

呪文好きなクリーチャー達

 私達はそれらが呪文に重きを置いたデッキにとって魅力的なクリーチャーであることを確認したいと思いました。多くの数の赤か青(もしくはその両方)のクリーチャーがインスタントやソーサリーを多く入れたデッキでプレイすることを奨励しています。では、それらを見ていきましょう。


 《ゴブリンの電術師》:この小さなウィザードにはプレイテストのいたるところで興奮させられました。彼は強力な4マナ呪文と協力して爆発的なドローを導き出しました。例えば、《サイクロンの裂け目》の初期のバージョンは超過を持っておらず、代わりに{3}{U}でドローがついていました。これらのカードのいらいらするドローに対する懸念は、私達を最終的な《サイクロンの裂け目》への道に導きました。誰もがこれをモダンで見ることになると予想していたかどうかは知りませんが、プロツアー「ラヴニカへの回帰」でいくつかのストームデッキのメインに4枚積みされてプレイされているのが見られました。


 《ニヴメイガスの精霊》:奇魔ではありませんが、このカードは奇魔だったとしてもおかしくありません。この間のプロツアーで評判になったもう1枚のカードがこれです。この場合は、これはスタンダードよりもモダンで多く活躍するだだろうと予想していたと言ってもいいぐらいだったので、結果を見るのは楽しみでした。私はこのカードの元々の形を忘れてしまったのですが、エリック・ラウアー/Erik Lauerの多元宇宙ファイルの書き込みの感嘆符の数からして予想はつきます。ある時期では、このエレメンタルは食べた呪文のマナ・コストを気にしていましたが、モンス・ジョンソン/Mons Johnsonが奇跡を食べる奇妙なデッキを作って以来、私達は最終的に単純さと「安全性」のために一定の数の+1/+1カウンターを置くことを選びました。


 《ニヴィックスのギルド魔道士》:呪文をコピーすることよりも楽しいことはありません。このギルド魔道士はデッキを掘り進めて多くの呪文を見つけ出すことにも長けています。土地を捨て過ぎなければ、呪文のコピーを始めることができます。


 《超音速のドラゴン》:このドラゴンはインスタントやソーサリーに対するカードとして良いデザインから出発して、最終的には逆にそれらと一緒に運用してうまく機能するようになりました。彼の能力はそれほど多く使われないかも知れませんが、いつもは唱えられない時に呪文を唱えることはとても楽しいでしょう。


 《どぶ潜み》:恐らくはこの記事の中で唯一イゼットの透かしを持っていないカードです。このクリーチャーはもちろん呪文と一緒に作用するイゼットの流儀に合わせてデザインとデベロップが行われました。元々はこれがソーサリーかインスタントの対象に取られた時に誘発していましたが超過が対象を取らないテキストに変わったので、これはより制限の無いように再加工され、上陸の呪文バージョンになりました。


 《イゼットの静電術師》:技術的にインスタントやソーサリーを動員するカードではありませんが、これは瞬速を持っています。そしてこれはインスタントの巧妙さを与えられています。そして構築での役割に向かってデベロップの中で推し進めて行った中で、タフネスと「それ、およびそれと同じ名前を持つ」という記述を与え、超過を巧みに唱えているような雰囲気を持たせました。私達がこれに望むのは、《思考を築く者、ジェイス》と共にスタンダードでの《未練ある魂》に対する保険を提供することです。そうしている間に《未練ある魂》は居場所をモダンに発見することでしょう。


 《膨れコイルの奇魔》:自身をアンタップさせるミニ《窯の悪鬼》です。これをどうしたらいいか思い付いたら教えてください。

私はまだわかりません。

呪文はさらに呪文を生み出す

 多くのプレイヤーがメインデッキに《払拭》を入れているのを見ることを期待しているようなリミテッド・フォーマットはそんなに多くありませんが、最近のラヴニカへの回帰の大きなイベントではかなり頻繁に見られました。この現象はほとんどがイゼットだけの行動ではありませんが、あなたは確かにどこでもインスタントが飛んで来るのを見張っていなければなりません。

 これは私達にイゼットの計画の最も意欲的な性質を捉えた2枚のカードをもたらしました。


 《世紀の実験》:この名前は本当にピッタリです。そしてこれは制限のないX呪文です。これは《起源の波》の片割れでもあります。このカードはあなたのデッキにできるだけ多くのインスタントとソーサリーを詰め込むことを求めています。私が話していた間抜けで小さなクリーチャーについては《忘却》してしまいましょう。まあ、全部というわけではありませんが。コストが{X}{R}{U}{U}から{X}{R}{U}に変わるとすぐにこれは開発部で最もテストされたカードのひとつになりました。先日行われたグランプリ・シカゴでもこれがより多くの呪文をデッキから掘り当てているところが見られました。ここにより多くの実験があったのは疑う余地がありません。


 《火想者の予見》:私はあなたに秘密にしていることがあります。エリック・ラウアーは本当にコーンが好きです。彼が私と一緒に手がけたセット全てで彼は《火炎放射》の変種を提案していました。私は彼がこのトピックを自覚していると信じています。それらの全てがセットに入るわけではありませんが、彼は挑戦し続けています。とにかく、彼が〈Cone of Spells〉(このカードのテストプレイ名)のアイデアを投げてきたのは当然だと思いました。私達は多くの時間をこのカードのプレイテストに費やしました。当初これは6マナのソーサリーでソーサリーも手に入れることができていましたが、しかしこの呪文を解決するとゲームの勝敗がほぼ決まってしまいますし、対戦相手が打ち消し、除去呪文、そして他のカードアドバンテージを得るカードを持っているということがわかるのは超イライラさせられるものでした。最終的に、我々はタップアウトしたくないデッキのためにインスタントにするのが良く、7マナにする必要があると感じました。セットの中に明確にインスタントに向かったカードを入れられたことにも満足しました。

呪文はクリーチャーに向かって戻る

 超過呪文の大部分はあなたのカードでなく相手のカードに影響を及ぼします。しかしながら、イゼット・ギルドの、少なくともリミテッドにおいて、戦場の複数のクリーチャーを強化するカードが必要だと思いました。完成したのは巧妙なものと直接的なものの両方のやり方のカードでした。

 クリーチャーで場を構築しているプレイヤーに最も分かりやすく有利が得られるのは《馬力充電》や《瞬間移動門》のような呪文です。これらのカードはブロッカーを出し抜こうとする、もしくは回避しようとする(またはその両方)あなたのクリーチャーを支援します。《ミジウムの外皮》とおなじく、これらは超過した時にあなたのクリーチャーだけに影響を与えます。

 しかしながら、ボード・アドバンテージを重視するデッキではより効果的に働く多くの他のカードがあります。率直に言って、対戦相手のクリーチャー全てに影響を与える呪文を最大限に活用する方法は対戦相手に戦場に全力を傾けるように強制することです。そしてあなた自身の強力な陣営を作り出すことは対戦相手のリソースを戦場に傾けさせるように誘う良い方法です。これは《ミジウムの迫撃砲》のようなオールスターであっても同じことが言えます。超過カードの多くは1、2ターンを稼ぐことができますが、同じカードを止めの一撃に使うほうがより良いでしょう。《サイクロンの裂け目》や《暴突風》、そして《薬術師の計略》は全てどこからでもゲームに勝てる良い手段で、《馬力充電》のようなカードと組み合わせてのワンツーパンチの場合は特に効果的です。あなたが単純にゲームを終わらせるプレイの準備ができないと仮定すると、《薬術師の計略》は対戦相手に陣営に力を注ぐように急逝した場合は最も効果的で、あなたのクリーチャーに十分なパワーがあればアタッカーを摘み取ります。

 さらに、超過がマナを多く使うメカニズムであるという事実はゲームを長引かせます。厄介な部分はゴルガリもまたゲームの後半で余分なマナから効果を生み出すということです。さらにセレズニアもそのような次から次へと脅威を生み出す流儀を身に付けています。その一方で、ラクドスとアゾリウスは安定した状態を止めるためにできることを全て行ってきます。

 あなたのイゼット・デッキのクリーチャーと呪文のバランスを取ることは確かに難しいことです。誰もそれを行うのは簡単だとは言わないでしょう。ドラフトではこれらの色のクリーチャーは比較的不足し、特に攻撃と防御の間で理想的なバランスを取れるものの取り合いになります。最終的に、私達は《馬力充電》のようなカードを助けるために《ゴブリンの結集》のマナ・コストを{4}{R}{R}から{3}{R}{R}に減らすのを含め、いくつかの微調整をさまざまな所に行いました。セットの中にはさらに多彩なクリーチャーがおり、特に《跳ね散らす凶漢》や《イスペリアの空見張り》のような他のギルドのキーワード能力を持ったクリーチャーは少なくとも他の一つのギルドでも欲しがるでしょうが、このプランにはうってつけと言えます。もしあなたがこのバランスを上手く取ることができたならば、リミテッドと構築の両方で素晴らしいイゼットのデッキを見つけるでしょう。それにはいくつかの実験が必要になるでしょうが、しかしそれ自体も楽しめるゲームに他なりません。

 これらの呪文が開放される幸運を祈るとともに、記事を読んで下さったことへの感謝をこめて。

 デイブ・ハンフリー/Dave Humpherys

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