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『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のメカニズム

Matt Tabak
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2021年3月25日

 

 アルケヴィオス世界にあるストリクスヘイヴン魔法学院を探検する準備を進める中で、皆さんいくつか疑問をお持ちだと思います。その疑問は、私たちの世界の大学生が毎学期悩むのと同じかもしれませんね。「何を専攻するか?」「午後2時まで授業が入らないスケジュールで大丈夫だろうか?」「敵を素早く倒すためのどんな新しい道具があるだろうか?」 前の2つは私には解決できませんが、最後の1つなら得意分野です。では席について。「『ストリクスヘイヴン:魔法学院』メカニズム入門」の授業を始めます。

講義から学んだこと

 ここストリクスヘイヴンでの生活は、クラスメイトとの交流や喧嘩を楽しんだり、「メイジタワー」の練習をしたり、寮長の愚痴をこぼしたりするだけではありません。毎週数時間は集中して授業を受けることになります。そこで新たなキーワード処理「履修を行う」の登場です。

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 呪文や能力によってあなたが履修を行う場合、2つの選択肢があります(実際には3つありますが、それはのちほど)。1つは、「カード1枚を捨てカード1枚を引く」。手札の改善に最高の手段ですね。余分な土地やその場面では必要ないカードを、必要な1枚に変えられるチャンスがあります。

 しかしライブラリーの中には必要なものがないこともあるでしょう。そこでもう1つの選択肢、「ゲームの外部にある講義・カード1枚を公開し、あなたの手札に加える」の出番です。「講義」は新たな呪文タイプであり、《拡張解剖学》などのインスタントやソーサリーに見受けられます。

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 講義・カードはさまざまな効果を持ち、さまざまな分野の知識の獲得を表しています。トークン生成や除去、ドロー……ストリクスヘイヴンの誰かがそれらを教えているなら、講義・カードに描かれているかもしれませんね。なお、イベントで対戦しているときは、「ゲームの外部」はサイドボードを意味します。カジュアルに対戦しているときは、あなたのコレクションを「ゲームの外部」としても構いません。いずれにせよ、講義・カードで学問的な引き出しを持っておけば、さまざまな状況に備えられるでしょう。また講義・カードは、普通のインスタントやソーサリーのようにメイン・デッキに採用することもできます。

 ちなみに3つ目の選択肢は何もしないことです。何も強制ではありません。何もしない選択をそう何度もするとは考えにくいですが、もしかしたら講義・カードが切れてしまいカードを捨てる方を選択しようとしたのに、そこで何かが起きてそれがまた別の何かを起こし、履修を行うときには手札がない、なんてことがあるかもしれません。それはすごく恥ずかしいので、もうこの話はやめましょうか。

魔技

 講義・カードは、あなたがストリクスヘイヴンの滞在中に唱えたりコピーしたりするであろうインスタントやソーサリーのほんの一部に過ぎません。それ自体が優れた効果を持つ数々の呪文がありますが、新たに登場する「魔技」能力はそこへさらなるボーナスを与えます。《熱心な一年生》をご紹介しましょう。

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 魔技は、あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるかコピーするたびになんらかの効果をもたらす誘発型能力を表す能力語です。さて、あなたはソーサリー・呪文を唱えました。《熱心な一年生》は+1/+0の修整を受けます。さらにそれに対応して、ソーサリーをコピーするインスタント・呪文を唱えました。+1/+0の修整を受けます。インスタント・呪文が解決され、ソーサリーがコピーされました。+1/+0の修整を受けます。もしかしたら、インスタントやソーサリーを何度もコピーする方法を見つけてしまうかもしれません! そうなれば、優しい雨もあっという間に怒り狂う嵐へ変貌するでしょう。

 《熱心な一年生》の+1/+0の修整も素敵ですが、もう少しインパクトのあるものが欲しいときもありますよね。おや、教授じゃないですか。

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 魔技を持つカードは種類豊富で効果もさまざまで、色々なタイプのデッキやプレイスタイルをサポートできます……あなたが秘儀(呪文サブタイプの「秘儀」ではありませんよ)を研究する熱心な生徒であり、インスタントやソーサリーをたっぷり用意している限り。

護法

 魔道士の意見は合わないのが常ですが、誰かが自分のものに手を出すのを嫌うという点では一致しているようです。そこで私たちは、あなたのものに手を出す行為にいくらかのコストを課すことにしました。新たな常盤木メカニズム、「護法」の登場です。「常盤木メカニズム」とは、飛行やトランプルなど、セットの枠を越えて見受けられるメカニズムのことです。護法は今後、ストリクスヘイヴンの神聖なる広間を越えて別の場所でも見ることになるでしょう。

 皆さんはこの新たな常盤木メカニズムを受け入れてくださると思いますが、護法の導入理由についての説明は他の者に任せることにします

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 護法は誘発型能力です。護法を持つパーマネントが対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、そのプレイヤーが「護法」の後に書かれたコストを支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消します。コストはマナでもライフでも、コストになるものなら何でもあり得ます。対戦相手がコントロールしている呪文や能力なら何でも護法の影響を受けるので、その点にご注意ください。オーラ・呪文も誘発型能力も、護法を持つパーマネントを対象に取るものなら何に対しても機能します。ただし対象を取らない呪文や能力に対しては護法は誘発しません。

モードを持つ両面カード

 もはやモードを持つ両面カードを使わずにマジックのセットを作る方法を忘れてしまいそうですが、その楽しさはすでに証明済みですので、また使わない手はありませんよね? もう目新しいものではありませんが、初めてだという方のために説明しますと、「モードを持つ両面カード」は両面カードとしては新しい特徴を備えています。それらは変身するのではなく、2つの面のどちらかを選んでプレイするのです。

カードをクリックで別の面を表示
 

 『ストリクスヘイヴン:魔法学院』では5つの大学それぞれにモードを持つ両面カードが用意され、各大学の2人の学部長を表現しています。また、他にもモードを持つ両面カードが収録されます。そのほとんどは、5つの大学の二重性を表したものです。もちろん、サプライズもありますよ。

 モードを持つ両面カードのルールに変更はありません。モードを持つ両面カードを唱える際に、あなたはどちらの面を唱えるか選択します。このセットにはありませんが、土地の面をプレイする場合も同様です。モードを持つ両面カードを唱えもプレイしもせずに戦場に出す場合は、第1面で戦場に出ます。ただし、第1面が戦場に出られる場合に限ります。第1面がインスタントやソーサリーである場合、この方法で戦場に出すことはできません。

 モードを持つ両面カードが絡むさらに複雑な相互作用については、間もなく『ストリクスヘイヴン:魔法学院』リリースノートが公開されますのでそちらをご覧ください。『カルドハイム』リリースノート『ゼンディカーの夜明け』リリースノートでも概要を知ることができますので、そちらも合わせてお読みください。

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