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『基本セット2020』プレリリース入門

Gavin Verhey
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2019年7月2日


 昔なじみ。新たな仲間。そこかしこにいるチャンドラたち。それらの意味するところはただひとつ―― 『基本セット2020』がやって来る!

 君が初めて呪文を唱える魔道士でも、熟練のプレインズウォーカーでも、きっとこのセットに夢中になれるだろう。私たちはいつも、基本セットがマジックの遊び方を知る絶好の機会となるように、そしてさまざまなデッキで使えるわくわくするような新カードのたくさん入ったものになるように心がけている。

 そしてもちろん、今回もそんな素晴らしいセットをいち早く楽しめる場所がある――プレリリースだ!

 プレリリースは、初めて参加する人にとっても、100回目だという人にとっても、最新セットを体験する最高のイベントだ。さらに、他の誰よりも早く最新のカードを手にすることができる!

 さて、プレリリースでは一体何が行われるんだろう?ぜひこのまま読み進めてくれ!

「基本」の コンセプト

 プレリリースは数あるマジックのイベントの中でも私のお気に入りだ。

 私はこれまでの人生の中で、自分がどこにいようとも、季節がいつであろうとも、近くで開催されるプレリリースに参加することにしてきた。何も私だけの話じゃない――長年のベテランから始めたばかりの初心者まで、きっと多くのマジック・プレイヤーがそうだろう! プレリリースは最も人気のあるイベントなんだ。

 それはなぜかって? プレリリースはマジックを楽しむ最高の手段のひとつだからさ!

 こんなイベントは他にないよ。全員が一斉に席について、新しいカードの数々を手に取り、それらの使い道を見出す。みんながカジュアルな雰囲気で楽しみ、マジックの最新セットへの興奮と、あふれんばかりのエネルギーを共有するんだ!

 私が初めてプレリリースに参加したのは11歳のときで、このイベントはたちまち私を夢中にさせた。それから18年を経た今でもまだ、その想いは変わらないよ――それに、プレリリースはもっとすごくなってる!

 このイベントの素晴らしいところは、使われるセットがまったく新しいもので、参加者は初めてそのセットに触れることになるため、スタート地点が全員同じになる点だ。初心者にとっても経験者にとっても、たっぷりと楽しめるものなんだ!

 すでにシールドデッキの経験を積んでいる方は、次の項まで読み飛ばしてくれても構わない。飛ばした先では、最寄りのお店で楽しめるであろう 『基本セット2020』ならではの特別なことについて語ろう。だがシールドデッキのお祭りが初めての人や、もうちょっとアドバイスが欲しい人は、ぜひこのまま読み進めてくれ!

 オーライ。それじゃあ、まずは一番大事なことからいこう。プレリリースを開催している場所を見つけるんだ!何はともあれ、プレリリースへ行けなければ楽しめないからね。どうやって行けばいいのだろう?

 特に行きつけの店舗がないなら、店舗イベント検索を使って、最寄りの店舗を探すのがおすすめだ! 店舗では事前登録も行なわれているかもしれない。プレリリースは私たちが提供するイベントでも最も人気のあるもののひとつなので、その店舗で参加するのに事前登録が必要かどうかを確かめておくことをお勧めしよう。イベントが満員だとわかるのが、 会場を訪れてプレイできないことを知ってからというのでは全くもって遅すぎるので、 先を見ておくに越したことはない。

 参加できる店舗は見つかったかな? 素晴らしい!

 それじゃあ今度は、イベントに向けて準備を進めよう。このイベントではその場で手に入れたカードを使ってデッキを組むことになるのだが、それだけではなく、やれることはたくさんある。

 旅に必要なものをすべて用意するんだ! 例えば、ラウンドの合間に遊ぶためのスタンダードのデッキやトレード用のバインダー、ライフを記録するためのペンと紙、そして飲料水もあるといいかもしれない。

 プレリリースの1回のイベントは約4~5時間を要するから、当日はイベントを最後まで楽しめるように、しっかり時間を確保しておこう。それから、「腹が減っては戦はできぬ」と言うし、リンゴやプロテイン・バーのような軽食を持っていくのも「基本」だね。

 うん、こんなところかな。行くべき店舗は地図上に見つけたし、必要なものはすべて詰め込んだね。それからもちろん、 『基本セット2020』カードイメージギャラリーには目を通して、素晴らしいカードの数々を確認しておこう。またイベントへの参加自体が初めての方は、私が書いた「初めてのイベント」という記事をぜひ読んでみてくれ。

 これで全部揃ったね! それじゃあ次は、実際にパックを開封しよう!

デッキの 「基本」

 オーケー。あとは会場へ行き、席についてプレイするだけだ。そこでは何がもらえるんだろう?

 プレリリースに参加すると、こんな感じのデッキボックスが手に入る。

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 中には 『基本セット2020』 のブースターパックが6個と、日付が印刷されたプレリリース・フォイル仕様のレアまたは神話レアのカードが1枚入っている。このセットに収録されているレアまたは神話レアならどのカードが当たる可能性もあるぞ!

 それからもちろん、ライフの管理に役立つスピンダウン・ライフカウンターのようなグッズも入っているぞ。よし、せっかくだから1箱開封してみよう!

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 すごい! 必要なものがすべて入っているね。

 そしてもちろん、何よりも大事なのはブースターパックだ。次は、それらをどうすればいいのか教えよう!

 まず最初にすることは、パックの開封だ! そうすると、カードの束を手にすることになる。

 さて……その次は?

 もちろん、デッキを作成する時間だ!

 シールドデッキは、普通のデッキ作成とは少し違うところがある。目の前にあるカードのみを使ってデッキを作成し、そこへ基本土地を好きなだけ加えて完成させるんだ。また、最少枚数が60枚である普通の構築デッキと異なり、デッキは40枚以上であればいい。

 はじめに取り組みたいのは、使う色を見極めることだ。私からは2色で組むことをおすすめしよう。ときには3色目を「タッチ」することもあるけれど、基本的には2色をデッキの核にするべきだ。

 使う色を決める基準としては、以下のようなものが挙げられるだろう。

  • 心惹かれる本当に強力なレアがある
  • 対戦相手のクリーチャーに対処できる、「除去」カードが多くある
  • 優秀なカードがたくさんある
  • 「マナ・カーブ」が優れている――つまり、さまざまなコストのクリーチャーが豊富にある

 これら4つがすべて満たされていれば理想的だけれど、2つか3つでも十分だろう。

 さて、方法はどうあれ、使うカードは絞る必要がある。プレリリース中に困ったことがあったら、周りのプレイヤーに気軽に声をかけて教えてもらおう。(プレリリースでは周りのプレイヤーに教えてもらうことができるんだ――このイベントに参加しているプレイヤーは、みんなでイベントを楽しむために力を尽くしてくれるはずさ!)

 使う色は決まったね。では、すべてのカードを精査して、デッキに採用したい22~23枚のカードを決めるためにはどうしたらいいだろう?

 デッキを絞り込む助けになる方法を伝授するぞ!

 まずは、クリーチャーをマナ・コスト順に並べてやろう。こうすることで、ゲームのどの段階でそれぞれのクリーチャーを唱えられるのかが分かりやすくなる。(この時点では、クリーチャー・カードと、必要なマナに届いたらすぐにプレイしたいようなカードだけを並べるほうがいい――例えば、《夜明けの司祭》は通常2ターン目に唱えることになるが、《解呪》は2ターン目の行動として優先されるものではないだろう)。

 クリーチャーの「マナ・カーブ」を整えるのは、うまく動くシールド・デッキを作るにあたって極めて重要なものだ。カーブの1か所に大量のカードが偏らないようにしよう。序盤で軽いものを、終盤で重いものをプレイできるような良い配合にすることが大切だ。リミテッドのごく一般的な基準として、私は以下のようにクリーチャーを採用したいと考えている。

  • 1マナ:0~2枚
  • 2マナ:4~6枚
  • 3マナ:3~5枚
  • 4マナ:2~4枚
  • 5マナ:1~3枚
  • 6マナ以上:0~2枚
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 これが絶対というわけではないが、良い出発点にはなる。お気に入りを選んで、これらの数になるまでクリーチャーを絞り込もう。

 さて、核となるクリーチャーの基盤を見定めたね。次は呪文を加えよう! 選んだ色からお気に入りのカードを抜き出し、デッキを22~23枚にしていく。これで、呪文の準備もばっちりだ。

 数々の呪文の中でも、「除去呪文」と呼ばれるものは一番欲しいところだ――除去呪文とは、ダメージによって破壊する、タップしたままにする、直接破壊するなどの方法で、対戦相手のクリーチャーを恒久的に無力化するもののことだ。「シールドデッキ」 の中心になるのは、やはりクリーチャーだ。だから、選んだ色に合うカードで対戦相手のクリーチャーに対処できるものは、ぜひ採用しよう。

 マナ・カーブについてもっと学びたいなら、マナ・カーブの組み立て方について書いたこちらの記事を読んでみてくれ。

 もっとヒントが必要かな? 以下に、デッキ作成の際に心に留めておきたい事項をいくつか挙げておこう。

  • 40枚を超えたデッキを使うこともできるが、可能な限り40枚ちょうどに強くこだわるべきだ。41枚目以降のすべてのカードは、デッキに入れた素晴らしいレアを引く確率を下げてしまうだろう!
  • 土地の比率は、概ね土地17枚と、土地以外23枚にすべきだ。100%当てはまるものではないが、ほとんどのリミテッドのデッキはこの前後に収まり、大抵の場合、私もそうしている。
  • 低コストのカードと高コストのカードを組み合わせよう。軽く、小さいクリーチャーだけにした場合、たった1枚の大きなクリーチャーで止められてしまう。また全部を重く、大きなクリーチャーにした場合、それらを唱える前に勝負を決められてしまう恐れがある。2マナ、3マナ、4マナ、5マナのクリーチャーを含んだ構成にこだわろう。シールドデッキのゲームの多くでは、第2~3ターンから毎ターン続けてクリーチャーを唱えることで勝利をものにしているんだ。
  • 回避能力が重要だ! シールドデッキのゲームでは、両方のプレイヤーが大量のクリーチャーを並べていてどちらもうまく攻勢に出られない、という膠着状態に陥ることがある。飛行などの能力を持つクリーチャーは、こうしたクリーチャーによる膠着状態を打破できるようにしてくれる。
  • 他のマジックのフォーマットと異なり、シールドデッキの試合展開は遅くなりがちだ。組み上げたデッキが長期戦で強いものなら、先攻より後攻を選んだ方がカードを1枚多く引けて有利な場合もある。

双頭巨人戦

 いくつかの店舗では、シールドデッキの中でも双頭巨人戦と呼ばれる形式を開催している(しばしば略して「2HG」とも)。これは2人のプレイヤーがチームを組んで、他のペアと対戦するものだ。各ペアは2個のプレリリース・パックを受け取り、そこからデッキを構築する。(最近登場した 『バトルボンド』 を体験した人は、すでによく知っているかもね!)

 どうやって作ればいいかって?

 チームメイトと協力して40枚のデッキをふたつ作るようにすれば、きっと楽にできるだろう。デッキ構築が終わったら、他のペアと1ゲーム先取の試合をする。

 双頭巨人戦のゲームはどうやって進めればいいのかって? 難しいことはないよ。クリーチャーや土地はチーム内で共有されないけれど、ライフは30点を共有する。ターンはふたり同時に進めることになり、それから攻撃やブロックもチーム単位で行うんだ。双頭巨人戦の魅力は、勝つためにチームメイトとの協力が不可欠なところだ。

 双頭巨人戦について、もっと詳しく知りたい? ぜひ、こちらを読んでみてくれ。

オープンデュエル

 一日中イベントでプレイするのが君のマジックの楽しみ方と合わない、あるいはあまり時間はないけれどもちょっと対戦したいというなら、オープンデュエルに参加するという方法もある!

 オープンデュエルでは、すぐに対戦できるカード60枚入りのプレインズウォーカーデッキを受け取り、それを使って他のオープンデュエルの参加者や、次のラウンドを待っているプレリリースの参加者と対戦できるんだ。これは、プレリリースが自分に合うイベントかどうかわからないなら、ちょっと試してみるのにいい方法だ。あるいはプレリリース・イベントに5時間いられない場合にもおすすめだぞ。オープンデュエルは好きなときにプレイできる。これも楽しいよ!

 さらに、 『基本セット2020』 では5種類のプレインズウォーカーデッキが登場する――いつもよりバラエティ豊かなんだ! それぞれのデッキについて調べておくといいだろう!

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 お近くの店舗にプレリリースでオープンデュエルを開催するかどうか確認して、戦いに備えよう!

さらに「基本」を味わう

 今回の基本セットをもっと欲しい? そんな君に朗報だ! プレリリースの新たな特典として、イベントでブースターボックスを手に入れられるようになった!

 そう、プレリリースに参加した人は、公式発売日より早くブースターボックスを受け取れる。いち早く家に持ち帰ることが(あるいはその場で開封も!)できるんだ。詳しくは店舗まで確認してくれ。

 また、プレリリースではプレインズウォーカーデッキも購入できる! オープンデュエルに参加する人もしない人も、気軽に手にとって遊んでみてくれ。

これからの 『2020』

 今こそマジックを始める絶好のチャンスだ。最新の基本セットが間もなくやって来る。「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」というゲームでも体験できるし、プレイできる店舗もたくさんある。どこにいても、マジックを楽しめるだろう!

 初めての人は、ようこそ。久しぶりにプレイする人は、おかえりなさい。きっと楽しい時間を過ごせるはずだ!

 友人を集め、もう一度カードイメージギャラリーを見て、お近くの店舗で事前予約をして、万全の準備で楽しもう!

 他に気になることはあるかな? 何かご意見、ご質問は? どうぞ気軽に私まで送ってくれ! みんなの話は大歓迎だよ! いつものようにツイートを送るか、Instagramやメール、Tumblrで質問してくれれば、必ずお答えするよ。ちゃんと全部読んでるからね!(編訳注:英語でお願いいたします。)

 君たちの最新セット体験が最高のものになりますように。それじゃあまた!

—Gavin

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