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新セットめった切り!

「イニストラード」トップカードレビュー!後編

読み物

新セットめった切り!

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By 鍛冶 友浩


 本日9月30日、新大型セット『イニストラード』ついに発売!

 これからどんな可能性が広がっていくか、いまから心躍りますね。


 前回に引き続いてお送りいたしますのは、恒例の「トップカードレビュー」!

 『イニストラード』では、週刊連載も好評いただいている2人のライター、津村健志&鍛冶友浩両氏によるレビューをお届けします。

津村健志 鍛冶友浩


 今回は、鍛冶サイドからの5枚を掲載!
 
 それではさっそくまいりましょう!



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古えの遺恨

 ミラディンの傷跡ブロック構築で猛威を振るった《鍛えられた鋼》デッキは、日本選手権でも優勝を飾ったわけだが、今後もアーティファクト・クリーチャーが今後のスタンダードのメタゲーム上でも意識されることは間違いないだろう。

 そこへ《古えの遺恨》が再録されたことの意味は非常に大きく、2色のマナこそ必要ではあるが、対アーティファクトとして低コストな上に、唱えるだけでアドバンテージも取れる優秀な1枚だ。

 この影響で、旧ミラディン環境で流行した親和に対し大量に浴びせられた《酸化》のように高い使用率になれば、当時の《火と氷の剣》同様、《饗宴と飢餓の剣》の立場も危ういかもしれない。
 まあ、あくまで受身なカードである以上、すべてはサイドボードでの話なのかもしれないが。




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炎の中の過去

 これは、どのフォーマットからも強力すぎるが故に退場させられた《ヨーグモスの意志》を彷彿とさせる墓地活用呪文だ。
 相方となった《暗黒の儀式》ほどのマナ効率の良い呪文は無いが、今はファイレクシア・マナ呪文があることを思い出せば評価が変わるのでは?

 また、かつて《稲妻の裂け目》を中心としたサイクリングを軸にした白赤のコントロールデッキがオンスロートブロックの頃に存在したわけだが、このセットには《夢のよじれ》、《捨て身の狂乱》と、単体では機能しなそうな怪しげな呪文が多く含まれているわけだし、《瞬唱の魔道士》もある。
 《燃え立つ復讐》も同様なボードコントロールの鍵となるカードになるかもしれない。

 弱いと思われていたカードでも美しいデッキを構築するために考えなければならないことはいつも一つ、シナジーだ。




両面カードのルール


無謀な浮浪者》/《無慈悲な捕食者

 1マナでパワー3というスペックのクリーチャーといえば、まず最初に思い浮かべるのは《野生のナカティル》ではないだろうか?
 カードのP/T欄にはは1/1と書いてあるのだが、コントロールしている土地のタイプによって修正を受けており、その規格外のサイズ故に構築の段階で少なからずマナバランスに制限を受けていることはご存知の通りだ。

 そして、この《無謀な浮浪者》もその系譜を受け継いでいる。条件を達成しなければ本当の実力は発揮できないのだが、先手1ターン目に出そうものならそのまま簡単に条件を達成できそうだ。

 同様に、《秘密を掘り下げる者》も普通の1マナでは考えられないスペックの持ち主で、《思案》と一緒に構築シーンで見かけるかもしれない。

 新コンセプトの両面カードの実力や、いかに?




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スカーブの殲滅者

 基本セット2012でライブラリー破壊のカードが多く採用されていたのはこのためだったのか!と思わせてくれた1枚だ。

 今までのライブラリーを削る対象といえば対戦相手、という先入観があったが、これからは墓地を肥やすために自分へ使用することも考慮する必要がある。
 《鏡狂の幻》の能力を使って《スカーブの殲滅者》を掘り当てることを狙うのはいささか悠長だが、《精神叫び》や、《錯乱した助手》といったカードも含めれば話は変わるのだろうか?

 スペックは《マハモティ・ジン》なので、マナコストがリーズナブルなのは間違いないが、追加コストがどう支払えるかでかなり評価が変わりそうだ。

 もちろん、「唱えないで」戦場に呼び出すことを考えるのもあり。




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ヴェールのリリアナ

 津村に《情け知らずのガラク》を紹介されてしまったので、最後はリリアナについて触れたいと思う。

 このカードは3マナのプレインズウォーカーで、非常に使用率の高かった《ジェイス・ベレレン》と同じシンボルの濃さと重さであることを考えると、先行きは明るいだろう。
 ただ、+1能力は普通に使うだけでは有利にならないので、自分の手札を0にしてから使ったりと面倒なことが多いかもしれないし、-6能力でもあくまで盤面の有利しか得られないので、自身だけでは勝利に直接結びつかないものとなっている点も興味深いところだ。
 しかし、この-2能力は+1能力によって手札を使い切りらなければというプレッシャーでより活きてくるわけだし、前環境の《マラキールの門番》と比べるとその存在感が伝わるのではないだろうか。

 個人的には、スタンダードよりもカードプールの広い環境でこそ栄える1枚ではないかと思うのだが、実際はどうだろう?
 具体的にモダン環境で言うと、ジャンドの《血編み髪のエルフ》から続唱でキャスト、という流れを相手にするのは非常に難しいと思う。





 お楽しみいただけましたか?

 ついに発売を迎え、みなさんのお手元に届き始めた『イニストラード』。

 「両面カード」などは手にして初めて驚きが伝わるでしょうし、
 カードを眺めてこそ、デッキに入れてこその発見があるかもしれませんね。

 この記事の右上と右下にあるツイッターボタンを利用して、「あなたのトップ5」を語ってみてください!
 全カードリスト全カードギャラリーも公開されていますので、ぜひご利用ください。





 それでは、このあとの週刊連載記事、『イニストラード』世界をお楽しみに!


イニストラード

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