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戦略記事

鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」

第11回:Pauperの「青白黒ストーム」をリプレイ!

読み物

鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」

2011.04.12

第11回:Pauperの「青白黒ストーム」をリプレイ!

 こんにちは!

 今週はスタンダードからはちょっと離れ、MOならではのフォーマットであるPauperのデッキを紹介したいと思います。

 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」にて3週に渡って紹介されている「深遠なるコモン構築の世界~Pauper」の、その2・コンボデッキ編から「青白黒ストーム」をピックアップし、実際にプレイした動画を観てみましょう。

ChaozLex (4-0)
Pauper Daily #2202901 on 03/25/2011[MO] [ARENA]
6 《
2 《平地
1 《
3 《アゾリウスの大法官庁
3 《ディミーアの水路
3 《進化する未開地
4 《広漠なる変幻地

-土地(22)-

4 《フェアリーの大群
4 《陽景学院の使い魔
4 《夜景学院の使い魔
4 《熟考漂い
1 《記憶の壁

-クリーチャー(17)-
4 《断絶
4 《大あわての捜索
4 《強迫的な研究
3 《綿密な分析
3 《予感
3 《時間の亀裂

-呪文(21)-
3 《孤独な宣教師
3 《ヴィダルケンの異国者
3 《水流破
3 《呪文貫き
3 《虹色の断片

-サイドボード(15)-


 レガシーとまでは言えませんが、Pauper環境に存在するデッキは余裕(よっゆー)で現行のスタンダードよりもパワーが高く、速度も早いんです。
 コモン構築といっても侮るなかれ、お手軽にカードプールの広さを体感できる楽しい種目ではないでしょうか。


Game 1: コンボ!

http://www.youtube.com/watch?v=THATmbL8kKU


0:00
陽景学院の使い魔》に、色マナとドロースペル、コンボパーツの《断絶》と《大あわての捜索》もあり、かなり期待のできる初手をキープ。
 欲を言えば、早めに2マナランドと《フェアリーの大群》を引きたいところだが、ドロー呪文ですぐに発見できそうだ。

0:12
 《甲殻の鍛冶工》を出され、やっぱり対戦相手のデッキは親和だとと確信する。
 このカードはスタンダードにもあるんだけど、アーティファクト・ランドの存在でプレッシャーが半端ない。

0:31
 金属術を満たし、こちらの《陽景学院の使い魔》を即《感電破》で処理されてしまう。
 さらに、《甲殻の鍛冶工》は4/4に成長するわ、2枚目が出てくるわで、3ターン目にして盤面は圧敗。ハンドを眺めても全くプランが浮かばないが、残りターンがもう少ないことだけはわかる。

0:38
 使い魔も、2マナランドも無ければフリースペルでマナを余分に生むことはできないので、とりあえず《熟考漂い》を想起してみるしか選択肢がない。
 このドローで《夜景学院の使い魔》を見つけるも、黒マナは無くライフはもう8へ。

0:49
 タイミングよく《ディミーアの水路》をトップデックしたので、残りライフから考えて動くしかなく、《断絶》からのコンボを狙ってみることにした。
 《甲殻の鍛冶工》をバウンスしつつ黒マナを起こし、《夜景学院の使い魔》をキャストする。
 そして、不要な土地を捨てるために《大あわての捜索》を唱えるが、ここで2枚目の《感電破》! これではコンボを決めに行くには絶対的にマナが足りない。
 仕方なく余った4マナを《予感》にそそぐと、《断絶》と《夜景学院の使い魔》を発見した。
 次のターンまで生き延びればいけそうな予感!

1:33
 《大霊堂の信奉者》を出され、一瞬ヒヤっとするが、《彩色の宝球》だけで《エイトグ》系のカードは現れなかった。
 赤マナを立ててはいるものの、こちらのライフが3なので、さすがに3枚目の《感電破》は持っていないようだ。これで心置きなくコンボをスタートできる!

1:42
 まずは《夜景学院の使い魔》からのキャスト。
 《平地》を置かないのは、《アゾリウスの大法官庁》などの2マナ土地を引く可能性を考慮し、ギリギリまで土地を置きたくないからだ。
 そして、相手のクリーチャーを《断絶》してマナを増やし、《強迫的な研究》を唱えると、《ディミーアの水路》と《夜景学院の使い魔》をドロー!
 再度《断絶》から《夜景学院の使い魔》を唱えるが、青マナを残したいために{B}{B}で支払い、プールしていた{U}で《強迫的な研究》へと繋げる。
 このターンは土地も置いてしまい、{W}も用意できないので《大あわての捜索》すれば《陽景学院の使い魔》も積極的にディスカードしていき、《予感》の連打でライブラリーを全力で掘り進むと、やっと《時間の亀裂》を発見!

 止めに相手の土地をすべて戻して一丁あがり。

 投了されてしまってこの先のゲーム展開は見られないわけですが、簡単に今の状況を説明すると、かなり厳しいロックを相手に「ほぼ」かけている状態になっています。
 つまり、ハンドのカードで残りのライブラリーを引ききれば、《記憶の壁》へ必ずたどり着き、《時間の亀裂》でその壁自身も巻き込みつつ、相手のパーマネントを戻し切ることが毎ターン可能になっているわけですね。
 そうなれば、《夜景学院の戦闘魔道士》や、《フェアリーの大群》といった1/1達でも数の暴力で20点のライフを削るのは簡単です。

 詳しくは高橋優太の記事に書いてあるので、読んでみてくださいね。


Game 2: サイドボード後!

http://www.youtube.com/watch?v=bFNSd6qTq80


 ちなみに、このゲームはサイドボードを使用せずに、メインのまま2ゲーム目を行いました。
 コンボデッキってパーツの枚数を少し変えるだけで全く機能しなくなることも多いので、とても難しいですよね。

0:00
 このゲームも《陽景学院の使い魔》と土地が揃っているとても良いハンドが来た。
 ドローこそ少なめだけれど、《時間の亀裂》があるので心強い。

0:32
 金属術しての《感電破》で、またも即除去されてしまった使い魔。
 土地が「おかえりランド」ばかりと、テンポがとても悪いのだが相手のクロックもまだ2点。

0:44
 あれっ!?
 《倒壊》で破壊される《ディミーアの水路》。
 実質、2ターンとんでしまった・・・。

1:10
 《断絶》があるからフルパンプからの即死はないが、《エイトグ》はかなりのプレッシャー。
 ひとつ食べて3点、みたいな小刻みなアタックをされるとさらにキツイです。

1:22
 《フェアリーの大群》に、《紅蓮破》!?
 まさか、これをカウンターされるとは。。。

1:31
 《彩色の星》でのドローがハズレならまだライフは1残る計算・・・だけど。
 もちろん、ドローは《黄鉄の呪文爆弾》。 うーん、GG!


 今回紹介した「青白黒ストーム」ですが、その3・コントロール編で紹介されているようなアーキタイプを相手にする場合、土地破壊や使い魔を除去する程度の妨害しかされないので相性はかなり有利です。

 しかしその反面、親和や赤単はバウンスでは対処しきれずに圧敗するケースが多く起こりました。
 デッキ相性をひっくり返すカードって、アンコモン以上が多いのかもしれませんね。

 ですがその分、サイドボードの選択も難しく、やり込みがいのある面白いフォーマットでした。
 《Force of will》こそ無いですが、《対抗呪文》を《紅蓮破》! みたいなことも起こりますし、それを《水流破》!! してみたり。

 MO未経験の方は、必要な資産も少なく奥が深いフォーマットから始めてみませんか?
 2ゲーム目はちょっとヒドイ試合でしたが(笑)

 それではまた来週!

2011年日本選手権予選

グランプリ・神戸

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