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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴルガリ・ミッドレンジ:サボタージュ?耕作者がデッキを支える(パイオニア)

岩SHOW
 

 最近は言わなくなったマジック用語に「サボタージュ能力」というものがある。サボる能力ってなんだという話だが、これはクリーチャーが持つもので……攻撃に参加して、それがブロックされなかったときに誘発する。戦闘ダメージを与えないことを選んだり、あるいは生け贄に捧げるなどすることで、何らかの恩恵を受ける能力群をサボタージュ能力と呼んだ。つまり、戦闘ダメージを与えることをサボるってわけだ。

 《知恵の蛇》などはその代表格で、ダメージの代わりにドローをもたらして、長期戦を愛する通なプレイヤーを楽しませていた。この能力は後に「対戦相手に戦闘ダメージを与えた時に誘発」という形に昇華し、今日までそのデザインが続いている。プレイヤーとしてのキャリアが長い人たちは今でもこの手の能力をサボタージュと表現することがある……もう何もサボっているわけではなく、むしろ滅茶苦茶仕事しているということはわかっていてもね……(当事者は語る)。

 

 そんなサボタージュ系の最新カードが『リアリティ・フラクチャー』で登場、《人喰い植物の耕作者》!なんと物騒な名前だ。2マナ2/3で接死持ち、そして攻撃が通れば墓地の土地カードを手札に加えるという限定的ではあるが確実なアドバンテージをもたらす。土地を拾われるのが嫌なら、ブロックしないといけない。ブロックすると接死で相討ちに持っていかれる。絶妙~にいやらしいデザインが実に良いね。

 さらに耕作者は準備済状態で戦場に出て、《埋根》というソーサリーを使わせてくれる。1マナでライブラリーから墓地に土地を置く、変則的サーチ……自身の能力と併せてどんな土地でも手に入れる……シブい仕事を担えるたまらないデザインのカードだ。

 この《人喰い植物の耕作者》、どんなデッキで使えば良いか……そのサンプルとなるリストを紹介しよう!

kanara38204 - 「ゴルガリ・ミッドレンジ」
Magic Online Pioneer Challenge 16 優勝 / パイオニア (2026年10月10日)[MO] [ARENA]
4 《草むした墓》
4 《花盛りの湿地》
2 《ラノワールの荒原》
1 《眠らずの小屋》
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》
1 《耐え抜くもの、母聖樹》
3 《変わり谷》
3 《エルフの小道》
3 《沼》
3 《森》
-土地(25)-

4 《人喰い植物の耕作者》
1 《怪物の災厄、チェビル》
2 《豊穣の名誉教授》
2 《グリッサ・サンスレイヤー》
2 《聖域に潜むもの》
-クリーチャー(11)-
4 《致命的な一押し》
3 《突然の衰微》
2 《苦々しい勝利》
4 《思考囲い》
2 《エシカの戦車》
4 《不浄な別室 // 祭儀室》
2 《客員講師、ラル・ザレック》
3 《デリアン・フェル教授》
-呪文(24)-
2 《強迫》
2 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント》
2 《報いの呪詛》
1 《苦々しい勝利》
3 《選別の儀式》
2 《未認可霊柩車》
1 《夢を引き裂く者、アショク》
2 《黄昏の妨害工作員》
-サイドボード(15)-
(Magic Online より引用)

 

 

 パイオニアのゴルガリ(黒緑)カラーのミッドレンジ(中速デッキ)!《致命的な一押し》《突然の衰微》などのパーマネント除去に《思考囲い》による手札破壊で対戦相手のゲームプランを崩し《不浄な別室》でカードを引き込む。このエンチャントはデーモンをコントロールしていることで、対戦相手にライフを失わせて自分はゲインするという大きすぎるオマケがついてくる。

 このカードの進化をどうやって引き出すかがポイントだが……パイオニアであれば《変わり谷》がある!多相を持つクリーチャーになるこの土地の起動コストはたったの{1}。簡単に支払えるコストでデーモンを準備し、手札もライフもいただきだ!

 このミッドレンジにおいて重要な《変わり谷》を《埋根》し回収する耕作者を採用したのがこのリストというわけだな。除去の的にもなりがちな《変わり谷》をしっかり拾って再利用、ねっとりとしつこく戦えるデッキにチューニングされている!

 

 パイオニアはまだまだ使いまわしたい土地がある。たとえば魂力能力を持った伝説の土地サイクル!手札から捨てることでなんらかの効果を引き起こす……《見捨てられたぬかるみ、竹沼》は、ライブラリーを切削して墓地からクリーチャーかプレインズウォーカーを手札に回収する。

 このリストはクリーチャーだけでなく《客員講師、ラル・ザレック》《デリアン・フェル教授》とプレインズウォーカーを採用している……なので耕作者が墓地から土地を手札に加える行動は、巡り巡ってこれらの強力プレインズウォーカーが盤面に並ぶことも意味している!

 また《耐え抜くもの、母聖樹》はアーティファクト・エンチャント・基本でない土地を破壊できるコントロール手段であり、呪文ではないので打ち消しや手札破壊で邪魔されにくい強力な一手になる。それらのパーマネントに頼って何かを行うデッキにとっては、耕作者が延々と母聖樹を拾っては投げつけてくる様はまさしく地獄!使い減りしないリソースはマジックプレイヤーの夢だなぁ。

 

 そしてさらに気になる新カード《聖域に潜むもの》にも触れておこう。このホラー、ジェイス付与1を行って、そして全プレインズウォーカーに[+2]能力を与える。それは対戦相手に1点ダメージを与えつつこちらは1点回復するという、一見すると微々たるものではあるが……これがジェイス、ラル、デリアンと並んだ際には、無視できないライフの交換となる。

 ここに《不浄な別室》×《変わり谷》やデリアンの紋章も絡めば……ターンを経る毎に互いのライフがゴリゴリと離れていくことになる。打力の高いカードはほとんど採用されていないこのデッキは、こうして関節技のようにジリジリと確実に追い込んでいく。

 そういう戦い方、好きな層は確実にいるよね?《聖域に潜むもの》が竹沼と耕作者のシステムで延々回収されるってのも、悪夢だなぁ……。

 《人喰い植物の耕作者》、サボタージュどころかバリバリに働いてくれる良いデザインのクリーチャーだ。こういうカードを強く使えるデッキをプレイしていると「ああ、マジック堪能しているなぁ」と気持ち良くなれるものだ。どんな土地を埋めて拾って得をするか、皆も色んなフォーマットで考えてみてね!

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