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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ディミーア眼魔:新アーキタイプと、新カードへの高まる期待(スタンダード)

岩SHOW


 『リアリティ・フラクチャー』リリース前にしてスタンダードは雨上がりのタケノコ状態でデッキが生えてくる、環境活性の時を迎えている!これで新セットが加わったら一体どうなるんだ?このワクワク感こそスタンダードの醍醐味だ。デッキを作り、試し、調整する……この最も楽しい瞬間……皆もそれぞれのマイデッキを完成させる過程を楽しんでいただきたい。

 というわけでアイディアの源泉となるべく、当コラムでは今日も個性が光るデッキリストをお届けしよう!

Nate21 - 「ディミーア眼魔」
Magic Online Standard Challenge 16 トップ16 / スタンダード (2026年9月10日)[MO] [ARENA]
4 《マルチバースへの通り道
4 《湿った墓
4 《グルームレイクの境界
4 《地底街の下水道
2 《石化した村落
5 《
-土地(23)-

3 《カワウソボールの精鋭、キッツァ
4 《忌まわしき眼魔
3 《オリジナル、アシエン・エメトセルク
4 《ベイルマークの大主
-クリーチャー(14)-
4 《強迫
4 《脅迫戦術
4 《報いの呪詛
3 《苦々しい勝利
4 《戦略的裏切り
4 《客員講師、ラル・ザレック
-呪文(23)-
3 《無効
2 《瞬間凍結
3 《死の印
2 《一巻の終わり
3 《下水王、駆け抜け侯
2 《永劫の好奇心
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 スタンダードのディミーア(青黒)カラーのデッキ……キーカードは《忌まわしき眼魔》!5/5飛行という戦闘面でのスペックの高さ、そして対戦相手のアップキープに戦慄予示という処理を行い、2/2の裏向きのクリーチャーを戦場に出す。これは元のカードもクリーチャーであるならそれのマナコストを支払うことで表向きにすることが可能で、眼魔が次の眼魔を呼び込むなんてことも……単体としての強さと、面で展開する強さを併せ持ったクリーチャーが、なんとたったの3マナで唱えられる!ただそんなうまい話も転がっているわけもなく、墓地のカードを6枚追放するという追加コストが必要だ。ただまあそれを差し引いてもかなりコストは軽く、これのために墓地を準備するだけの価値はある。

 または……3マナであるという軽さを別の形で活かす方法も。それが《客員講師、ラル・ザレック》!彼もまた3マナのプレインズウォーカーであり、そして墓地から3マナ以下のクリーチャーを戦場に戻すという能力を持っている。これを駆使してお手軽に眼魔を戦場に繰り出す……あるいは真面目に墓地を耕して唱えるという形で、この強烈なクリーチャーでプレッシャーをかける……「ディミーア眼魔」がスタンダードに颯爽と登場だ。

回転

 この手のデッキにとって重要なのは、いかにして墓地にカードを送り込むか。もっとも豪快な1枚は4枚切削して、クリーチャーorプレインズウォーカーを拾い上げる《ベイルマークの大主》。2マナで唱えて出しておいて、他のカードであれこれとやりとりしている間に……時間カウンターがなくなってクリーチャーとなれば、これも5/5というサイズを武器に大立ち回りを披露してくれる。ベイルマークの切削と《地底街の下水道》とラルの諜報でライブラリーから墓地にカードを送り、そしてそれ以外に「手札から捨てる」というアクションに対して、このリストは重きを置いている。《苦々しい勝利》の追加コスト、またラルの手札を捨てさせる能力で自身を対象に取る……そういったディスカード(手札を捨てること)手段の中でも、1ドローして1ディスカードする、という青が得意とするアクションは、手札の総数を減らさずに質を高められる、有用な手段。これを行う能力を持ったクリーチャーを、昔のカードになぞらえてルーターと呼ぶ。

 ルーター枠に採用されているのは《カワウソボールの精鋭、キッツァ》!ルーターでありつつ警戒を持っているので、攻撃しつつ能力を起動できるという面白いデザインが施されている。素のサイズは1/1だが果敢を持っているので、《報いの呪詛》《強迫》など軽い呪文を唱えてサイズを上げ、殴りながらルーターとして眼魔絡みのアクションの下準備をする……しかも、パワーが3以上の状態であればインスタントやソーサリーをコピーすることも可能と、2マナにしてかなりのやり手のクリーチャーだ。

 《オリジナル、アシエン・エメトセルク》は戦場に出た際に誘発する1回限りのルーターだが、墓地が14枚以上あると……《最古の魔道士、ハーデス》に変身!サイズがデカくなるだけでなく、墓地からカードをプレイできるようになるという破格のアドバンテージ能力を持っている!変身させられれば、墓地から土地プレイしてクリーチャー唱えて、除去も手札破壊も……と、勝ったも同然の事態に。眼魔で決めきれずにゲームが長引いても、エメトセルクがいれば安心だ。

 

 さて、このアーキタイプが新戦力として迎え入れられそうな『リアリティ・フラクチャー』のカードをいくつか挙げてみよう。まずはルーター枠、《誤謬結論のスフィンクス》!4マナと若干重めではあるが、瞬速を持っており、状況に合わせて様子を見てから唱えられる隙の無いクリーチャー。飛行を持ちパワーも4と、4マナにして打点は十分。攻撃時に誘発するタイプのルーターで、墓地利用カードへのセットアップとなり……そして、死亡した際にトークンでなければ自身のコピーを残すという、強烈な除去態勢の持ち主!眼魔やリアニメイトなどを抜きしても、これ1枚でゲームに勝てそうなカードであり、大いに期待が持てる。これだけプレイヤーに損はさせないという作りになっていれば、色々安心だ。

 

 「魔除けシリーズはとりあえず使い得」というセオリーに倣って、新セットでの新たな魔除けサイクルにも注目しよう。2色2マナのインスタントであり、3つのモードから1つを選択するという共通点を持った呪文たち……その中でもディミーアカラーの《セオリクスの魔除け》は使い勝手が良さそうだ。クリーチャーでない呪文への打ち消し、-2/-2修正で小粒クリーチャーを除去したり、大物もブロックしてから縮めたり……そして最後のモードは1ドロー。その前に3枚切削を行うのだが、これに意味を持たせられるデッキでこそ、この魔除けは輝く……と……いうわけで眼魔やラル、エメトセルクのために墓地を増やしたいこの「ディミーア眼魔」にとっては、おあつらえ向きの1枚ではないだろうか。この3枚の捲れ次第で勝負が決まる場面もあるだろう。手札の総数を減らさずに一気に墓地を肥やせるカードとして、注目すべき1枚かもね。

 今回の「ディミーア眼魔」のように、目新しいリストがどんどんと作られ、試されている現在のスタンダード。まだセオリーは確立されていない中で、君だけのデッキを組み上げて……世界にそれを轟かせてほしいね。『リアリティ・フラクチャー』のカードギャラリーを眺めつつ、あれこれと思索にふけろうではないか。

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