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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!変わらないかも?毒性デッキ(スタンダード)

岩SHOW

公式発売が……クルゥゥゥ!

 というわけで『霊気走破』の公式発売日がやってくる。新しいセットの参入でスタンダードはブンブンのバリバリに盛り上がる!なんだったら発売日前にプレリ、そしてプレイヤーズコンベンションでこの最新セットに触れたプレイヤーも少なくないだろう。同イベント内ではジャパンスタンダードカップも開催され、新カードがスタートダッシュを切った……に違いない。これを書いている今は締め切りの関係でイベント前なので、一体どんなカードが場内やオーディエンスを沸かし、世界にその名をとどろかせたのかは不明だ。同大会のデッキを紹介するのは次週に持ち越しになるため、スタンダードをアツく語る当コーナーとしては今週どうしたものか……スタンダードの歴史を紐解くと、新セットがリリースされても「ん?何?」と言わんばかりにその内容が変わらないデッキが存在してきたものだ。

 今回はそんなスタンダードの慣例に基づいて、『霊気走破』前と後でそんなに姿かたちが変わらず、それでいて依然として戦えそうなデッキをチョイスして紹介しよう!こんなこと言いつつバリバリに新カード取り込んで超絶進化してたら、その時は笑ってくれ!よっしゃぁいくぞぉ。

とことん!猛毒道!
Julien Murgey - 「バント・ポイズン」
地域チャンピオンシップ予選(フランス・パリ) トップ8 / スタンダード (2025年2月1日)[MO] [ARENA]
3 《アダーカー荒原
3 《ヤヴィマヤの沿岸
4 《金属海の沿岸
4 《剃刀境の茂み
4 《種子中枢
2 《ミレックス
1 《平地
1 《
-土地(22)-

4 《離反ダニ、スクレルヴ
4 《敬慕される腐敗僧
4 《這い回る合唱者
2 《マネドリ
4 《顎骨の決闘者
2 《牙持ち、フィン
4 《別館の歩哨
-クリーチャー(24)-
4 《血清の罠
2 《この町は狭すぎる
3 《有貌体の向上
2 《幽霊による庇護
3 《スクレルヴの巣
-呪文(14)-
3 《ダニの突撃
2 《邪悪を打ち砕く
2 《エルズペスの強打
2 《幽霊による庇護
3 《否認
3 《萎れ葉のしもべ
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 

 近年のスタンダードにおいて、新セットの影響をスルーし続けていたデッキと言えば毒!『ファイレクシア:完全なる統一』の毒性持ちクリーチャーを固めたこのデッキは、他のセットが毒を扱わないこともあってほとんどカードの入れ替わりがなく初期型とほぼ変わらないリストのまま、スタンダード環境で使われ続けている。

 《離反ダニ、スクレルヴ》で相手の除去を弾き、ブロックをすり抜けながら攻撃を通して毒性を誘発させる。相手のライフを減らしつつ、毒が10個たまって敗北条件に達するのを狙うビートダウンだ。《ミレックス》や《スクレルヴの巣》など毒性持ちクリーチャーを継続して展開する手段を備えているため、粘り強くしつくこく攻められるのが特徴。

 そして《敬慕される腐敗僧》!これが毒性デッキの決め手だ。自身のクリーチャーが呪文の対象になることで対戦相手に毒を乗せる。相手の除去でも誘発するし、自分の《有貌体の向上》などで能動的に狙っていくことも可能で、これにより攻撃できないような盤面でも毒の連打であっという間にゲームを終わらせられる。

 

 白と緑の毒性クリーチャーを中心に、青でサポートするのが毒性デッキの定番。かつては《渦巻く霧の行進》が必殺技だった。これで相手のクリーチャーを疑似的に除去して攻撃をねじ込んだり、自身のクリーチャーをまとめて対象にとって腐敗僧で毒殺を狙ったり……ないものをねだっても仕方がない。現在の毒性デッキはその枠を《この町は狭すぎる》でカバー。行進がそうだったように対戦相手がこちらのクリーチャーをどうにかしようとしてきた時の救助手段になり、腐敗僧の誘発も狙える。相手にとってもパーマネントを戻される厄介なインスタントだ。

 これと《幽霊による庇護》で失ったスロットをカバーし、そして『ファウンデーションズ』からは《牙持ち、フィン》が参入。彼も毒を与えるクリーチャーで、スクレルヴで攻撃を通せば一気に毒3つを与えられるため、見た目よりもデンジャラスな戦闘要員だ。こうしたラインナップにより「バント(緑白青)ポイズン」はまだまだスタンダードの一線で戦えるデッキとして生き残っている。

入るか?新戦力!

 現状で十分に戦えるとは言っても、やっぱりなんだかんだ新セットも気になるところ。毒というテーマは『霊気走破』もノンタッチだが、デッキの方向性と噛み合うカードはあるかもしれない。カードリストから探ってみよう!

 

 『霊気走破』のカードの中でも真っ先に公開された《輝晶の機械巨人》。この機械巨人は色もマッチしているし、1マナ以下のクリーチャーを持ってこれるのは《離反ダニ、スクレルヴ》《敬慕される腐敗僧》らキーカードが手に入る。上記のリストにある《マネドリ》を持ってくるのも面白い。そしてエンチャントという選択肢も含まれているのが柔軟だ。オーラは自身のクリーチャーを対象にとって唱えるため、腐敗僧を誘発させられる。《無鉄砲》を1枚潜ませてここぞという時にサーチするのもデッキの引き出しが増えて良さげに見える。機械巨人自身が4/4先制攻撃&トランプルと毒を抜きにしても優秀な戦闘要員になれるので、デッキに1・2枚入れてみたいなと。

 

 都合4度目となるスタンダード入りを果たした《呪文貫き》も忘れちゃいけない。昨年の前半まではスタンダードに存在していたので、今もあると錯覚していたプレイヤーもいるかもしれないね。かつての「バント・ポイズン」といえばこの1マナの打ち消しがメインやサイドに入っていたものなので、これが再録されたことで在りし日の形に一歩近づくことに。デッキの勝ち筋に直接関係するわけではないが、軽くて扱いやすく様々な相手に効くカードなので、これがあるとないとじゃデッキの完成度が変わってくるというもの。何より青マナ一つ立てているだけで、相手がこれを意識してくれるのが追い風になるってわけだ。スタンダードにまた一つブラフ要素が増えるぞ、読み合いを楽しもう!

 というわけでジャパンスタンダードカップの結果が分からない状況でのスタンダー道だったが……もし「バント・ポイズン」が活躍していたら、褒めてくれてもいいんだぜ?なんて調子に乗りつつ、千葉への準備を進めるとしよう。時系列は無茶苦茶だが、会場で会えた全てのプレイヤーに感謝!これからもスタンダー道、ひた走っていこうぜ!『霊気走破』で爆走じゃあああッッ!

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