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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

緑単アグロのバリエーション:ストンピィの系譜と毒コンボ(スタンダード)

岩SHOW
プラチナ-ミシックランク到達者 - 「緑単アグロ」
MTGアリーナ ランクマッチ / スタンダード (2023年5月29日)[MO] [ARENA]
24 《
-土地(24)-

4 《進化する適応体
4 《隆盛な群れ率い
4 《ヤヴィマヤの偶像破壊者
4 《腐れ花
3 《クウィリーオンの獣呼び
4 《茨橋の追跡者
3 《秋の占い師
2 《西の樹の木霊
1 《ウルヴェンワルドの奇異
-クリーチャー(29)-
3 《ブランチウッドの鎧
2 《尾の強打
2 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(7)-

-サイドボード(0)-
magic.gg より引用)

 

 いきなりリストからスタート!これはスタンダードの「緑単アグロ」の一例。緑単色のアグロデッキといえば、実に25年前。僕がマジックを始めた直後から「ストンピィ」の名で知られるデッキが存在したもので。《飛びかかるジャガー》などの1マナから展開できるクリーチャー。そしてそれらを強化する《怨恨》や《樫の力》!強いクリーチャーで殴るというシンプルさ、ストレートに強いデッキ!マジック初心者の僕にもわかりやすく、ちょっとした憧れのデッキだった(当時の手持ちでは組めずに対策する側に回ったのはまた別の機会に)。

 それではリストの解説に入ろう。「ストンピィ」の系譜に名を連ねるような、デッキの半数近いクリーチャーで構成されたバチバチなアグロデッキ。1マナ8枚、2マナ11枚!良いね、絶対に最序盤から戦場の主導権を握るという姿勢。《進化する適応体》《隆盛な群れ率い》そして《クウィリーオンの獣呼び》と、後続を展開することでサイズアップするクリーチャーらが中心なことも重要だ。盤面の頭数を増やしつつ、このターンに与えるダメージも伸ばす。

 またこれらの+1/+1カウンターを乗せるという形の強化は《西の樹の木霊》とも噛み合う。トランプルを持つことで、中途半端なブロックは許さず速やかにライフを削り切る!

 さて、上記の内容であれば単色でないアグロでも同じようなことが狙える。このリストが緑単色で組まれているのには理由がある。《ブランチウッドの鎧》!まさしく僕がマジックを始めたばかりの頃に登場し、仲間内では最強カード候補として皆使っていた。長い歴史を持つ1枚が現行スタンダードでも使えるのは嬉しいね。

 森の枚数分だけクリーチャーを強化するこのオーラで、小型クリーチャーがドラゴンやデーモンを見下ろす巨神の如き存在に!アンコモンで集めやすいのも嬉しく、紙のカードでもMTGアリーナでも、比較的組みやすい「緑単アグロ」はマジックに慣れるのに最適なデッキかもしれない。ブランチウッドもクリーチャーを改善させるので、《西の樹の木霊》からのトランプルで貫通パンチをお見舞いだ。

Piotr Rebizant - 「緑単アグロ」
The Pizza Box: Standard Slice 12位(5-2) / スタンダード (2023年6月4日)[MO] [ARENA]
22 《
1 《耐え抜くもの、母聖樹
-土地(23)-

4 《敬慕される腐敗僧
4 《枝枯らしの忍び寄り
4 《ふくれた汚染者
-クリーチャー(12)-
4 《無鉄砲
4 《タミヨウの保管
2 《タイヴァーの抵抗
4 《伝染する一噛み
2 《星界の飢餓
2 《不自然な修復
4 《芽吹く生命の行進
3 《イコリアへの侵攻
-呪文(25)-
4 《しげ樹の牙
4 《人喰い梢
2 《星界の飢餓
2 《タイヴァーの抵抗
2 《ガイアの贈り物
1 《真髄の針
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 一方、同じスタンダードの緑単アグロに分類されているデッキの中には異形とも呼ぶべきものも。このリスト、まずクリーチャーが少ない!12枚は先のリストの半分以下で、ガンガン展開して殴るデッキではないってことが伝わってくる。他に類似したリストがないためにアグロに分類されたのだろうが……これは方向性が大きく異なるものだな。

 12枚のクリーチャーを見ると、いずれも毒性を持っている。このデッキの狙いは毒殺!これらのクリーチャーの攻撃を通して毒カウンターを与え、また他にも増殖でカウンターを増やしたり、直接毒カウンターを乗せる呪文などを用いて、計10個与えれば勝利となる。

 対戦相手に20点ダメージを与えるよりも早く決着をつけられる可能性があり、またやたらとライフ回復を連打してくる相手にも詰まないというのが毒デッキのセールスポイント。その分クリーチャーの戦は細くなりがちという弱点もあるのだが、《ふくれた汚染者》はやたらとハイスペックなので、これをエース格として《タミヨウの保管》《タイヴァーの抵抗》で守りながら攻撃を通し、毒をガンガン増やしていくのが理想的なゲーム展開となる。

※《芽吹く生命の行進》にはテキスト訂正がございます。詳細はこちら

 緑単毒デッキの誇る必殺技が《敬慕される腐敗僧》と《芽吹く生命の行進》のコンボだ。《敬慕される腐敗僧》は自身のクリーチャーが呪文の対象になると対戦相手に毒カウンターを乗せる。《無鉄砲》などで自身のクリーチャーを強化しても、対戦相手の《喉首狙い》など除去を撃たれても誘発する能力なのでかなり厄介な存在なのだが……これを《芽吹く生命の行進》の対象にすると、毒カウンターを乗せつつ腐敗僧がライブラリーからもう1体飛び出してくる。数が増えたということは、次の行進は毒カウンターを2つ乗せられるということになる。このようにどんどんと腐敗僧を連打していって《星界の飢餓》などの呪文も全て毒の発生源へと変えていく。4体並ぶブン回りともなれば、攻撃を一度もせずとも毒10個を与えることだってできてしまうだろう。こりゃやってみてぇ。

 スタンダードの緑単に絞っても、これだけ毛色の違うデッキが組める。アグロ系のみに絞っての紹介であり、もっと高コストのカードを叩きつけるランプなどのデッキも含めれば……デッキって実質無限に組めるものだなと。マジックの奥深さが伝わったなら嬉しいね。君も様々なカードを組み合わせて、新しいジャンルのデッキを作ってみよう!

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