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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今年の干支は小さくてふわふわでもこもこで……(特別企画)

岩SHOW

 新年あけましておめでとうございますッッ!

 今年もまたこうして元日に新年のご挨拶をすることができて、大変に光栄です! 昨年もたくさんのデッキを紹介させていただいたこの「岩SHOWのデイリー・デッキ」、皆さんに読んでいただけて感謝の極みでありました。今年も色んなデッキを取り上げていくので、どうぞよろしくお願いしますね。

 僕自身は強かったり上手かったり実績があったりするプレイヤーではないけれども、デッキへの深い愛を語るのは……ここまでそれなりの期間連載をやってきて、得意になったと言えるかな。2022年も凄いデッキ、ヤバいデッキ、心に響くデッキ……いろいろな出会いがあった。2023年も昨年を上回るたくさんのデッキたちとの出会いに胸が高鳴るよ。素敵なデッキを楽しくお届けできるように頑張っちゃうぞ!

 毎年恒例、元日のデイリー・デッキは特別企画。子丑寅……これまでも干支になぞらえたデッキを紹介する形でやってきた。今年は卯年、うさぎの1年だ。

 うさぎ……かわいいよねぇ。僕はホラー映画、プロレス、過激な音楽などをたしなみ……マジックにおいても死を扱ったグロテスクなカードが好みではあるのだが、それらと対極に位置するともいえる、ふわふわもこもこなうさぎちゃんも大好きなのだ。

 特に子ウサギの破壊力ったらないね。SNSではうさぎのブリーダーさんをフォローして赤ちゃんうさぎのキュートな画像に心を癒されたりもしている。

 また、ウサギは自然界においては食物連鎖における重要なポジションを担っている。草食で繁殖力に優れたウサギは、肉食動物にとって重要な食料となる。ただ、か弱いイメージのある飼いウサギと違って、野ウサギはたくましい! 素晴らしい聴覚で危険を察知し、短距離ランナーをも上回るスプリントで逃げる! そんな野生下での必死に生きる姿も心に響くのだ。

 かわいさと強さを併せ持つウサギたち、マジックでもクリーチャータイプの1つとなっている。ただ、数はまだまだ多くない。兎タイプを専門に強化する部族カードというものも存在しておらず、今後に期待というところ。

 では兎デッキを組むのは難しいのか? うーむ、兎タイプだけでカードが足りないなら、イラストに兎が出ているものも含めてデッキを組むのはどうか? ということで、記憶と検索を頼りに調査してみた結果……

通常カード(特別アートも含む)
銀枠・どんぐりカード

 現在イラストでウサギ(らしきものも含む)が確認できるカードはざっとこんなところ。お正月、めでたいタイミングなので食用に狩られてしまった姿が描かれたカードなんかは除外させてもらったよ、なんせ干支だからね(笑)。兎デッキを組みたい同士がいたらこのリストを参考にしてみてね。

 《巡歴の干渉者、クウェイン》や《消失師、プレストン》など近年は獣人タイプの伝説の兎も見られるようになってきたね。

 これらを見ると……まあ統一感がないものだ。色も5色に散っており、使用感にクセもあるカードが目立つね。

 ライフ20点回復&20点喪失の《Illusions of Grandeur》が最も活躍したウサギカードじゃないかな。

 かつて存在したエクステンデッドというフォーマットにおいて、これを用いたコンボデッキが一世を風靡した。

Kai Budde - 「トリックス」
プロツアー・ニューオーリンズ2001 優勝 / エクステンデッド (2001年10月2~4日)[MO] [ARENA]
14 《
4 《シヴの浅瀬
4 《Volcanic Island
-土地(22)-
 
-クリーチャー(0)-
2 《渦まく知識
4 《蓄積した知識
4 《対抗呪文
4 《商人の巻物
4 《サファイアの大メダル
1 《衝動
4 《寄付
3 《直観
1 《転覆
4 《Illusions of Grandeur
4 《意志の力
3 《火 // 氷
-呪文(38)-
3 《変異種
4 《紅蓮破
2 《水流破
3 《紅蓮地獄
1 《冬眠
2 《天才のひらめき
-サイドボード(15)-
過去の当記事 より - 原典ページ消失のため)

 

 《Illusions of Grandeur》で20点のライフを得た後、《寄付》で対戦相手に押し付ける。

 このエンチャントは「累加アップキープ」という能力で維持し続けるのは実質不可能であり、いずれは生け贄に捧げられる。戦場を離れれば相手は20点のライフを失い、KO。そんなテクニカルなコンボデッキが「トリックス」だ。このデッキについて過去に当コラムで取り上げているので、興味があれば読んでみてね。

 過去最強のウサギデッキを紹介して……となれば最高のスタートだったかもしれないが、まさか過去の自分がそれを許してくれないとは……長期連載やってりゃこういうこともあるね(笑)。

 うーんじゃあやっぱり自力でデッキを組んで終わりとするしかねぇなぁ……だったら……とびっきりかわいいうさぎがいっぱい盤面を埋め尽くすデッキにしようじゃないか。

 現時点で兎・トークンは1種類のみ。『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』に収録されているものだが、これがめちゃんこかわいい。たれ耳、ロップイヤーのあどけない子うさぎちゃん……ファンシーなイラストにクラクラするぜ。

jp_BJClcJ547H.png

 このトークンを生成するのは《小さきものの呼び手、カディラ》!

 イラストで藪の中から飛び出すウサギを見つけてニッコリ微笑んでいるのが印象的なかわいいオークだ。

 カディラの攻撃が対戦相手に通れば、自身がコントロールしているトークンの数だけ兎・トークンを生成する。倍々ゲームの申し子とでも言おうか、これ1枚でトークンを生成することはできないという弱点は抱えるものの、動き出したら止まらない。

 もふもふ軍団を並べて全身をふわふわにうずめる……そんな夢をかなえてくれそうな統率者デッキを組もう!というわけで今回僕はこんな感じのリストにまとめてみた。

岩SHOW - 「うさぎ年デッキ」
統率者戦 (2023年1月1日)[MO] [ARENA]
1 《小さきものの呼び手、カディラ
-統率者(1)-

9 《平地
8 《
1 《寺院の庭
1 《吹きさらしの荒野
1 《統率の塔
1 《草茂る農地
1 《まばらな木立ち
1 《陽花弁の木立ち
1 《豪勢な大通り
1 《梢の眺望
1 《光輝の木立ち
1 《風立ての高地
1 《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ
1 《ガヴォニーの居住区
1 《無限地帯
1 《クローサの境界
1 《耐え抜くもの、母聖樹
-土地(32)-

1 《極楽鳥
1 《贖われし者、ライズ
1 《祝祭の出迎え
1 《輝かしい聖戦士、エーデリン
1 《魂の養育者、ベス
1 《森の友、ジャヘイラ
1 《国王ダリアン四十八世
1 《鋼軍団のプラヴァ
1 《ルアダッハの女王オーリナル
1 《噂の蒐集家
1 《硬鎧の大群
1 《不屈の補給兵
1 《歓迎する吸血鬼
1 《動物学者、ベニー・ブラックス
1 《アルガイヴの盾、ミュレル
1 《ブレタガルドの守護者、メイヤ
1 《マイコロス
1 《小隊分配機
1 《若葉のドライアド
1 《不和のトロスターニ
1 《エインシャント・ゴールド・ドラゴン
1 《大修道士、エリシュ・ノーン
1 《イマーラ・タンドリス
1 《孔蹄のビヒモス
-クリーチャー(24)-
1 《太陽の指輪
1 《秘儀の印鑑
1 《流刑への道
1 《オーラの突然変異
1 《騒鳴の嵐
1 《英雄的介入
1 《忘却の偶像
1 《無形の美徳
1 《自然の知識
1 《調和の儀式
1 《隔離する成長
1 《王神の玉座
1 《アシュノッドの供犠台
1 《オーラの破片
1 《獣使いの昇天
1 《銅纏いの呼集
1 《完璧な策略
1 《内にいる獣
1 《過大な贈り物
1 《イトリモクの成長儀式
1 《光素の泉
1 《耕作
1 《木霊の手の内
1 《根生まれの防衛
1 《選定された行進
1 《フェリダーの撤退
1 《似通った生命
1 《記憶への開放
1 《再度の収穫
1 《スカイシュラウドの要求
1 《大軍の功績
1 《アクローマの意志
1 《ミラーリの目覚め
1 《大衆蜂起
1 《報いの時
1 《エズーリの捕食
1 《盛大なるクレッシェンド
1 《森林の目覚め
1 《頭蓋骨絞め
1 《ホーン・オヴ・ヴァルハラ
1 《囁き絹の外套
1 《祝賀の笏
1 《太陽の勇者、エルズペス
-呪文(43)-

 統率者戦のデッキを考えるのも久しぶりだなぁ。

 当コラムでは《Savannah》《ガイアの揺籃の地》のような古くて手に入りにくいカードはなるべく使わない方針でデッキを考えている。ガチガチでやるならそういったカードを入れるとデッキはより強くなるだろうけど、僕は統率者戦はまったりやれたら良いやという考えで、これからやろうと考えている人へのハードルも上げたくはないので、自分が使いたいカードを重視してやらせてもらってるよ。

 さて、デッキ構成はシンプル。ひたすらにトークンを生成し、それを強化して攻撃する! 真面目に対戦相手のライフを0にするのを目指す、硬派なデッキだ。

 とか言いつつ《大軍の功績》や《光素の泉》といったライフ狙い以外での勝利手段も用意しているが、これはトークン・デッキの嗜みというか特権というか、狙ってナンボだろう?

 いずれにせよとにかくトークンを並べていく、デッキとしてはシンプルなものなので誰でも扱えるリストだと思う。デッキを構成するパーツは

  • マナ加速
  • トークン生成
  • クリーチャー強化
  • アドバンテージ(手札)獲得

 以上の4要素からなる。

 マナ加速は《太陽の指輪》《秘儀の印鑑》と統率者の基本中の基本は備えているが、アーティファクトによる加速は極力抑えている。対戦相手のアーティファクト対策により、使えるマナの計算が狂うのは避けたいからだ。

 その分、緑の得意とする、土地を戦場に出すカードをメインのマナ加速として採用。これらはただ単に使えるマナを増やすだけでなく、中盤以降では《硬鎧の大群》《フェリダーの撤退》などの上陸能力でトークンを生成するカードと組み合わせることでカディラのための頭数を揃えるという重要な役目も兼ねている。

 アーティファクトは抑えると言っても、戦場にひたすら発生するトークンを有効活用するために《アシュノッドの供犠台》は使いたいところだ……兎を生け贄にするかについてはノーコメントだ。

 《森林の目覚め》や《森の友、ジャヘイラ》といったトークン自体がマナ加速にもなるので、そうやって得たマナからさらなるトークン、兎、もこもこ楽園へと繋げていこう。

 カディラの能力を活かすための案として、装備品で強化するというのもアリ。今回はカディラをブロックされなくする《囁き絹の外套》を採用。トークン倍増ゲームを大いに後押しだ。

 《祝賀の笏》はダメージを与えた分の市民・トークンを生成できる。

 こちらの能力を先に解決して、後からカディラ本人の能力を解決すれば市民分も兎を呼び出すことが可能だぞ。これがあれば全体除去を使われた後にもカディラ1枚で戦場を作りだせるので、リセットを躊躇せずに全力で展開してヨシ! さあ、楽園は目の前だ。

 今年の干支はうさぎ、卯年の人はよりいっそうおめでとう。他の干支の人も含めて、せっかくのお正月だから干支デッキを組むなどのこの時期にだからこその遊び方をしてみてはいかがかな?

 統率者戦、プレインチェイス、アーチエネミー……親戚や友人が集まりやすいこの時期だからこそのフォーマットもあるし、こたつでぬくもりながらマジックを遊んでみようぜ!

 それじゃあ、改めて今年もこのデイリー・デッキをよろしくね! マジック30周年の記念の1年、味わい尽くそうぜ!

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