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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

八百ボシュ:パイオニア怪獣決戦(パイオニア&エクスプローラー)

岩SHOW

 《八百長試合》とコストパフォーマンスに優れたクリーチャーの組み合わせというお手軽コンボ、これはちょっとしたブームを引き起こした。詳しくは以前に紹介した回をご覧あれ。

 パワーが7以上のクリーチャーをコントロールしていれば秘匿した呪文をマナの支払いなく唱えられる。その派手な能力も最高だが、恒久的にクリーチャーを強化する手段でとして堅実な仕事をこなす点も素晴らしい。

 スタンダードでは《強請る大入道》という相性抜群な1枚があるが、八百長を行うパートナーは何もそれだけじゃない。他のフォーマットまで視野を拡げれば、いるわいるわ。マナ総量に見合わぬ巨体の持ち主が。

 というわけで本日はMTGアリーナ独自の構築フォーマット、エクスプローラーの《八百長試合》デッキを紹介しよう。もちろんパイオニアでも同様のデッキは組めるので、デジタル派もテーブルトップ派もお付き合いいただきたいね。

 まずパイオニア&エクスプローラー環境にて使用可能なパワー7以上のクリーチャーについて考える。珍しくデータから入ってみよう。

 パイオニアで使用可能なパワー7以上のクリーチャーは『ニューカペナの街角』現在122種類。ただマナ総量が多ければパワーが高いのは当然、そういったカードと《八百長試合》を組み合わせても旨味は薄めなので……ここは4マナ以下のクリーチャーに絞ってみよう。そうすると14種類に限られる。

 ただ、この14種類の中には変身するものも含まれるため、全部が全部簡単に運用することが可能なわけではない。そういったカードを端折ると……ごくごく限られた猛者のみが残る。

 その中にかつてスタンダードで大暴れ、今なお構築シーンを闊歩する化け物の姿がクッキリと浮かび上がる。《朽ちゆくレギサウルス》だ!

 毎ターン手札を失うというデメリットのもと許された、3マナ7/6という破壊力。このレギサウルスであれば、《八百長試合》のカウンターは他のクリーチャーに乗せつつもその条件を満たすことが可能だ。

 八百長ザウルス、そのコンボを備えた理想的なリストを見つけたぞ!

Jose Lopez - 「八百長試合」
エクスプローラー (2022年5月30日)[MO] [ARENA]
3 《
2 《
4 《草むした墓
4 《花盛りの湿地
2 《死天狗茸の林間地
4 《闇孔の小道
2 《ハイドラの巣
1 《ギャレンブリグ城
1 《耐え抜くもの、母聖樹

-土地(23)-

4 《金のガチョウ
4 《ラノワールのエルフ
4 《朽ちゆくレギサウルス
4 《強請る大入道
1 《不屈の神ロナス
4 《長老ガーガロス
4 《新緑の機械巨人
3 《産業のタイタン

-クリーチャー(28)-
4 《八百長試合
2 《変わり樹の共生
3 《グレートヘンジ

-呪文(9)-
1 《獲物貫き、オボシュ

-相棒(1)-

4 《致命的な一押し
4 《思考囲い
1 《魂標ランタン
2 《真っ白
2 《ビビアン・リード
1 《怪物の代言者、ビビアン

-サイドボード(14)-
Jose Lopez氏のTwitter より引用)

 

 《八百長試合》とパワフルな怪獣が集った、使う側にとっては楽園、対戦相手にとっては地獄のような盤面を作りだせるビートダウンだ。ビジュアル面だけでもう腹いっぱい、ありがとう。

 《ラノワールのエルフ》か《金のガチョウ》からスタート。

 そこから2ターン目に《朽ちゆくレギサウルス》《強請る大入道》そして《八百長試合》と強い3マナパーマネントで良いスタートを切ることを狙っている。

 パイオニアであれば《エルフの神秘家》も使えるため、ここの枚数やバランスを好みで増減するのが良いね。単体で殴れるラノワール&神秘家も良いが、{B}も出せて八百長で育てれば飛行が活きるガチョウも捨てがたいところだなぁ。レギサウルスと大入道のバカデカいタッグチームがいるので《不屈の神ロナス》も運用しやすい。これらの軽いカードでロケットスタートするべし。

 《八百長試合》の秘匿から飛び出して盤面にインパクトを与えるカードのチョイスとしては、それほど重すぎるカードを採用しているわけでないところがポイントかな。

 《産業のタイタン》が最重量カードだが、7マナであれば唱えることはそう難しいことではない。このカードはスタンダードも定番中の定番だが、エクスプローラー環境でもやっぱりめちゃめちゃ強い。1枚でゲームの流れが一気にこっちに傾く、正真正銘のパワーカードだ。

 タイタン以外の当たりクリーチャーは5マナ、《新緑の機械巨人》と《長老ガーガロス》。

 機械巨人はダメージを爆発的に伸ばしてくれるし、ガーガロスはあらゆる相手に効き目のあるアドバンテージをもたらす攻防一体のタイタンの亜種的存在。こんなんマナを踏み倒して唱えたら、そら勝つよと。エルフたちから4ターン目に出すだけでも普通に強く、コンボや特定のカードに依存していないビートダウンとしての強さを確保している。

 《グレートヘンジ》も秘匿から出せれば嬉しいアドバンテージ源であり、レギサウルスや大入道からなら激安コストで戦場に出せてしまう。

 レギサウルスの手札捨てデメリットも、ヘンジがもたらすドローで帳消しだ。噛み合いっぷりがたまらない。

 タイタン、ガーガロス、そしてこのヘンジとライフ回復要素がたっぷり目だが、これはエクスプローラーをやっていると非常に重要だということがよくわかる。ここから巻き返すぞ!という時にライフが風前の灯火、《魔術師の稲妻》などで焼き切られて負けというパターンが多いからなぁ。回復してしすぎることはない、遠慮するな!

 最後にこのデッキの最高にカッコイイところを。相棒に《獲物貫き、オボシュ》が採用されている!

 そう、ここまで紹介したカードがすべてマナ総量奇数なのである。そのために無理やりカード選択したという感もなく、ナチュラルに必要なものを揃えたら奇数デッキだったという雰囲気が良いよね。

 久しぶりにオボシュを使ったが、こいつは強い、気持ち良い強さだね! ちょっとゲームが長引いた際にスッと出てきていきなり大ダメージでクライマックス、という勝ちパターンが多く見られた。

 サイドボードもこのオボシュを意識しての奇数カードオンリーで、その中でも《ビビアン・リード》は《八百長試合》から飛び出した際に対戦相手が絶望している雰囲気が伝わってくる、懐かしさと強さを堪能できる良いサイドだった。

 新しいカードがちょい古カードを引き立たせ、再びスポットを当てる。これこそエクスプローラーおよびパイオニアの魅力だ。

 個人的に「八百ボシュ」と呼んでいるこのデッキ、意外に攻めも多角的でどんなデッキ相手にも自分のやり方で戦えるので、マジオススメ!

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