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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

白単信心:伝説とその伝承者(パイオニア)

岩SHOW

 『ニューカペナの街角』の全カードが公開されたのでカードギャラリーを眺めている。

 ニューカペナに限った話ではなく、最近のセットに多く見られる傾向だが……伝説が多いね! ストーリーの主役となるプレインズウォーカーやクリーチャー、キーとなるアイテムや場所……1990年代・2000年代には伝説のタイプを持つカードがほとんど入っていなかったり、数枚あるけど構築では使われないみたいなセットが大半だったもんなぁ。その時代に比べると、毎回魅力的な伝説のカードが収録されている最近のセットは良いものだね。カードの能力やイラストから背景世界に興味を持つ導線になるし、その逆もまた然り。

 伝説のパーマネントは同名を戦場に2枚以上並べることができないというデメリットを持つのだが、それがメリットになるカードも随分と増えた。伝説のクリーチャーはデッキに4枚採用しない、なんてセオリーももう遥か昔のテクニックになったなぁ……

 というわけで、今回は伝説を取り上げたデッキを紹介しよう。フォーマットはパイオニア、早速行くぞッ!

SeventhProphet - 「白単信心」
Magic Online Pioneer Challenge #12409669 準優勝 / パイオニア (2022年4月16日)[MO] [ARENA]
19 《冠雪の平地
2 《アーデンベイル城
2 《フロスト・ドラゴンの洞窟
1 《皇国の地、永岩城
4 《ニクスの祭殿、ニクソス
4 《変わり谷
1 《不詳の安息地
1 《大瀑布
-土地(34)-

4 《スレイベンの検査官
4 《白蘭の騎士
1 《太陽に祝福されしダクソス
1 《高名な弁護士、トミク
4 《粗暴な聖戦士
2 《傑士の神、レーデイン
3 《不屈の巡礼者、ゴロス
2 《サリアの槍騎兵
1 《約束された終末、エムラクール
-クリーチャー(22)-
4 《ポータブル・ホール
4 《冥途灯りの行進
3 《高貴なる行いの書
2 《栄光の探索
2 《停滞の罠
1 《エメリアの呼び声
4 《大いなる創造者、カーン
4 《放浪皇
-呪文(24)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
-相棒(1)-

3 《エメリアのアルコン
1 《不屈の巡礼者、ゴロス
1 《激変の機械巨人
1 《約束された終末、エムラクール
1 《トーモッドの墓所
1 《墓掘りの檻
1 《真髄の針
1 《減衰球
1 《獅子の飾緒
1 《高貴なる行いの書
1 《王神の立像
1 《領事の旗艦、スカイソブリン
-サイドボード(15)-

 

 パイオニアの「白単信心」の登場だ。

 まず信心デッキのキーカード《ニクスの祭殿、ニクソス》こそ、伝説にして4枚採用されるカードの典型だな。

 《白蘭の騎士》のような白マナシンボルの濃いカードを並べ、それによりニクソスから大量のマナを得て重いカードや手数で圧倒するデッキだ。

 《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒にすることで80枚に水増しされたメインデッキ、その中に詰まった伝説の数々!

 この構築を引き出したのは白ならではのカード、伝説サーチだ。《栄光の探索》そして《サリアの槍騎兵》!

 どちらも伝説のカードをライブラリーから手札に加える万能サーチだ。特に《サリアの槍騎兵》を採用しているのは個性的。これ自体も4/4先制攻撃と戦闘向きのスペックであり、かつ信心も稼げる、重めの5マナもニクソスからなら問題なし、と見れば見るほど納得のチョイスだ。

 伝説サーチにより、80枚デッキであっても各種伝説のカードを引き込みやすくなっているこの信心デッキ、状況に合わせて必要なものを引っ張ってくるのが強くそして楽しいデッキに仕上がっている。そのサーチしてくる伝説のカードについて取り上げていこう。

 まずは《高貴なる行いの書》。

 濃厚な白のシンボルを持つこのアーティファクト、採用している狙いは《変わり谷》《不詳の安息地》とのコンボ。

 クリーチャー化すると天使でもある土地に悟りカウンターを置き、これをコントロールしている限りゲームには敗北しなくなるという不死身状態に。ひとたびクリーチャーでなくなれば、その状態を保てるので、土地破壊を持たない相手には決まったら勝ったも同然だ。

 《廃墟の地》などのアンサーを持つ相手や、コンボを決める際に《致命的な一押し》で妨害されそうな相手には《高名な弁護士、トミク》を。

 これで土地が対象にならなくなるので、安心と信頼の高貴コンボを決められるね。

 もうひとつの勝ち筋となるのは《不屈の巡礼者、ゴロス》。

 ニクソスに繋げる信心デッキの生命線的な役割を担いつつ、《大瀑布》で{W}{U}{B}{R}{G}を供給して能力起動にこぎつければ……その怒涛の展開力に対戦相手は為す術がないだろう。

 このゴロスと《高貴なる行いの書》にアクセス可能なのが《大いなる創造者、カーン》。

 両方の勝ちパターンに繋げるスイッチをサイドボードから持ってくるのはもちろん、《獅子の飾緒》《激変の機械巨人》など特定のデッキやケースにおいて火を噴くカードを採用してアドリブをマシマシにしてくれるデッキのブレイン的な存在だ。

 そしてこのデッキの隠し技、奥の手は《約束された終末、エムラクール》!

 ゲームが長引きグダりにグダった時、各種サーチから叩きつけられるエムラクールで対戦相手のターンをジャック! 不利な攻撃や自分のパーマネントへの除去など、無茶苦茶なことをやって相手の盤面を壊滅させてやるのだ。

 デッキに複数枚採用するにはコストが重すぎて、複数枚引いた場合に手札のお荷物になりかねないカードではあるのだが、サーチから持ってくるにはこれほど効果的なものもない。

 このエムラクールが使いたくてパイオニアをやっている・やってみたいというプレイヤーも少なくないはずだ。僕も大好きなカードなので、自分が使う時にはこの「白単信心」を参考にしてみようかなと。好きな人にはかなり刺さるデッキだと思うね!

 これからますます盛り上がっていくに違いないパイオニア。そこに集いし伝説のカードは、強力かつ面白いものばかり。君も思い入れのある伝説のカードを、それをサーチしたりとシナジーを形成するカードと組み合わせてデッキを作ってみようぜ!

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