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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

モダンだけでなくパウパーにも大きな影響が…!(パウパー)

岩SHOW

 『モダンホライゾン2』、もう実際に手に取ってみたかな? まだの人はお近くのショップで、興奮必至のこのセットを購入して開封してみよう! パックから飛び出すレアや特殊な枠のカードとの出会いは、初めてマジックを手にしたあの日の感覚を呼び起こすかもしれない。

 ドラフト・ブースターを買って、ドラフトやシールドなどのリミテッド戦を遊ぶのも最高だね。他のセットでは味わえない独自のプレイ感覚を味わえるだろう。親和やストームなど、スタンダードのセットではまず目にすることのない能力をコモンでも味わえるのは素晴らしい。

 さて、そうやってレアや特殊なカードを目当てに剥いた後や、ドラフトやシールドを遊んだ後に手元に残るコモン。これにも使い道はもちろんあるぞ。モダンやレガシーのデッキを強化するパーツになるものもあるし、それらのフォーマットではコモンであるがゆえにやや力不足だったとしても、逆にコモンであるがゆえに活躍できる舞台がある。そう、パウパーだ。

 コモン限定構築であるパウパーに乗り込んできた『モダンホライゾン2』のコモンたち。今日はその参入によりパウパーで活躍中のデッキを2つ紹介しよう。

PintuMtg - 「親和」
Magic Online Pauper Challenge #12305269 優勝 / パウパー (2021年6月19日)[MO] [ARENA]
1 《
4 《教議会の座席
4 《大焼炉
4 《銀色険の橋
1 《霧霊堂の橋
4 《ダークスティールの城塞
-土地(18)-

2 《クラーク族のシャーマン
4 《エイトグ
4 《マイアの処罰者
4 《滞留者の相棒
2 《歯車襲いの海蛇
-クリーチャー(16)-
4 《彩色の星
3 《魔法の井戸
4 《感電破
2 《払拭
4 《予言のプリズム
2 《胆液の水源
2 《投げ飛ばし
1 《ティムールの激闘
4 《物読み
-呪文(26)-
1 《クラーク族のシャーマン
3 《水流破
2 《赤霊破
1 《払拭
1 《強迫
3 《古えの遺恨
2 《残響する真実
1 《悪ふざけ
1 《墓の刈り取り
-サイドボード(15)-

 

 まずこちらはパウパーの「親和」。

 モダンなどの親和デッキが親和能力を持ったカードが抜けていき、そこに新しい親和持ちがカムバックして名に恥じないデッキに戻ったという歴史をたどったのに対して、パウパーのそれはずっと親和能力を活かした正真正銘の親和デッキという伝統を貫いている。

 そして『モダンホライゾン2』から新たに加わったのが《滞留者の相棒》。

 《マイアの処罰者》も使われている環境において、それと同じスペックを有しているこのサラマンダーを使わない手はない。土地を持ってくるサイクリング能力もついてくるので、土地を切り詰めたデッキでも事故を軽減できる優れものだ。このデッキの7マナクリーチャーの数はこの《滞留者の相棒》も含めてなんと10枚! いずれもアーティファクトの数だけコストが減少するものなので、見た目よりもずっと早いターンに戦場に出てそのサイズで他のデッキを押していくのだ。

 これらのヘビー級親和持ちを運用するために重要なのがコストの軽いアーティファクトなのは言うまでもない。そしてこのパウパーというフォーマットでは、モダンでは禁止されているアーティファクトのタイプを持った土地が問題なく使用可能だ。《大焼炉》《教議会の座席》、そして色マナは出ないのでモダンでも使える《ダークスティールの城塞》。

 この強力な土地群に新しく加わったのがアーティファクトである2色土地のサイクルだ。このリストでは《銀色険の橋》《霧霊堂の橋》を採用。

 多色デッキをの動きを安定させながら、《滞留者の相棒》や《マイアの処罰者》を出すための親和カウントに貢献する。破壊不能なのでアーティファクト対策にも安心だ。

 《滞留者の相棒》のサイクリングはこれらのアーティファクト土地を持ってくるもので、黒マナを生み出せる土地を1枚潜ませておくことでサイドボードに黒いカードを備えておくことが可能になるというテクニックを実践している。

 土地をはじめとしたアーティファクトを並べ、親和クリーチャーを展開し、最後は《エイトグ》にアーティファクトを食べさせて攻撃するか《投げ飛ばし》で大ダメージ!

 コンボ要素を備えた楽しいビートダウンなので、皆もコモンを集めて組んでみよう。

CharlieTheBananaKing - 「リスストーム」
Magic Online Pauper Challenge #12305269 3位 / パウパー (2021年6月19日)[MO] [ARENA]
2 《
1 《
4 《泥炭の沼地
4 《鋭き砂岩
2 《硫黄孔
-土地(13)-
 
-クリーチャー(0)-
4 《水蓮の花びら
4 《彩色の星
4 《暗黒の儀式
4 《炎の儀式
2 《強迫
1 《信仰無き物あさり
4 《陰謀団の儀式
4 《騒鳴の嵐
4 《授業初日
4 《魔力変
4 《夜の囁き
3 《血の署名
1 《残響する衰微
4 《電位式リレー
-呪文(47)-
1 《屍肉喰らい
4 《死の重み
2 《強迫
2 《衝撃の震え
1 《残響する沈静
1 《残響する衰微
1 《環境科学
1 《血の署名
1 《予言学入門
1 《害獣召喚学
-サイドボード(15)-

 

 続いてはストームを活かしたコンボデッキ。

 『モダンホライゾン2』のストームはコモンに強いものが集まっており、デッキを組めと言わんばかり。このリストはそれにストレートに応えた形になる。

 「ストーム」とは、そのターンに唱えられた呪文の数だけコピーが発生するという能力。コモンの中でストームデッキを成立させるレベルで優れた1枚は《電位式リレー》。

 ストームデッキはとにかく行動回数を増やすという特性からマナ加速とドローを大量に採用する。それらを連打してストームに繋げるのだが、この《電位式リレー》はライブラリーの一番上のカードを追放して次のターンに唱えられるようにするというもの。連打してストームを稼いでから電位式、そこからめくれるのはまたマナ加速とドロー。それらをまた連打して次なるストームに繋ぐ……リレーという名に偽りなしの1枚で、これを使ったレガシーのデッキも出現した

 リレーからの大量ストームから繋げるのは《騒鳴の嵐》。

 《巣穴からの総出》を半分にしたようなストームのゴールとして機能するソーサリーだ。1/1のリスを1体生成するため、これで大量のトークンを並べて殴り勝つというのがこのデッキのフィニッシュ。

 ただ、1/1を出しただけではターンを返すと何らかのカードで壊滅させられる可能性もある。そこで《授業初日》と組み合わせる。

 これで速攻を与え、かつサイズを2/2に強化してやることで即座の勝利を確約する。対戦相手のブロッククリーチャーの数にもよるが、《授業初日》を含む呪文を前もって10個ほど唱えておけば勝利となるだろう。

 こう考えるとコストが倍の総出よりも使いやすく、《授業初日》のおかげもあって《ぶどう弾》よりも少ないストームで20点ダメージを叩き出すことも可能な《騒鳴の嵐》は、かなり画期的な1枚だったということだな。《魔力変》《彩色の星》で黒や赤のマナを緑に変換してまで使う価値はあるね。

 コモンだけで強くエキサイティングなデッキを組んで楽しめるフォーマット、パウパー。『モダンホライゾン2』はパウパーの入り口としても機能するセットだ。斬新なコモンたちをかき集めて、新たなマジック体験の扉を開いてみよう!

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