READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

バント・ゴロス(スタンダード)

岩SHOW

 前回は、マナ・フラッドというマジックにおける苦しい現象に対してアンサーを用意したデッキを紹介した。

 その最後で予告したように、今日はさらにフラッドに対して強い……というか、自らフラッドのような状態に持って行くデッキを紹介しよう。引いても引いても土地、それこそ大歓迎!という構成のデッキだ。その土地の量、29枚! 最も平均的な枚数が24枚、27枚もあればかなり多く感じるものだが、それをさらに上回る、デッキのほぼ50%を土地にしてしまっているのだ。

 百聞は一見に如かずってことで、そのリストを早速チェックだ!

Brad Nelson - 「バント・ゴロス」
Fandom Legends October 3, 2019 準優勝 / スタンダード (ローテーション適用後) (2019年10月3日)[MO]
2 《
1 《平地
2 《
2 《寺院の庭
1 《花咲く砂地
1 《セレズニアのギルド門
2 《繁殖池
1 《神秘の神殿
1 《シミックのギルド門
2 《神聖なる泉
1 《平穏な入り江
1 《アゾリウスのギルド門
1 《疾病の神殿
1 《ゴルガリのギルド門
1 《オルゾフのギルド門
1 《ボロスのギルド門
1 《調和の公有地
1 《ヴァントレス城
2 《寓話の小道
4 《死者の原野
-土地(29)-

3 《樹上の草食獣
1 《願いのフェイ
4 《不屈の巡礼者、ゴロス
2 《王国まといの巨人
4 《ハイドロイド混成体
-クリーチャー(14)-
4 《成長のらせん
4 《むかしむかし
4 《迂回路
2 《時の一掃
3 《時を解す者、テフェリー
-呪文(17)-
2 《裏切りの工作員
1 《夏の帳
2 《霊気の疾風
2 《敬虔な命令
2 《否認
1 《ガラスの棺
2 《漂流自我
1 《神秘の論争
1 《次元の浄化
1 《神秘を操る者、ジェイス
-サイドボード(15)-
mtggoldfish より引用)
 

 土地の行、ながっ! これだけ多彩な多色土地が入っている理由は《死者の原野》を用いるためだ。

 7種類以上の土地をコントロールしている状況下で土地を戦場に出すと2/2のゾンビが這いずり出てくるこの土地をメインウェポンに据えて、いち早く7種類以上の土地を並べる→その後も土地を置きまくる、というこのデッキのミッションをこなすため、ありったけの土地を29枚も採用しているってわけだ。

 土地を7種類並べる方法として、手札にたっぷりあるそれを出す《樹上の草食獣》《成長のらせん》と、ライブラリーから直接戦場に出す《迂回路》《不屈の巡礼者、ゴロス》の2組がある。

 この中でもゴロスは勝つために必須の《死者の原野》を引っ張ってこれるため最重要なカードと言える。それゆえにデッキ名を「○○ゴロス」と呼ぶことが多い。このリストは緑白青の3色なので「バント・ゴロス」に分類される。

 バントとは言っても、ゴロスの能力を起動するために赤と黒のマナが出る土地も採用されていて、その役目をギルド門に担わせることで《迂回路》で探してくることが可能となっている。

 ゴロスの能力も動き出すととてつもないアドバンテージを弾き出す。これで土地を置くだけでもゾンビがワラワラ湧いてくる。《死者の原野》を複数並べて、圧倒的な軍勢を結成して対戦相手を押しつぶそう。

 ゲーム後半にはゾンビが大量に並ぶので、相手のクリーチャーの攻撃は通りにくくなる。しかしそこに至るまでにはノーガードになってしまうので、土地を戦場に並べつつしっかりと除去も行っていく。《時の一掃》と《王国まといの巨人》の出来事《脱ぎ捨て》で全クリーチャーを盤面から追っ払おう。

 この2種類がなぜ分けてあるのか? それは……ゴロスが出ているけれども全体破壊をしないとライフがもたないという状況下では《時の一掃》が便利であり、一方で《王国まといの巨人》はクリーチャーなので《むかしむかし》で探せるという点が素晴らしく、そのままフィニッシャ―になるのも頼もしい。どちらにもそれぞれの利点があるので使い分けられるようになっているという訳だ。

 こうした除去や土地とそれを戦場に出すカード、ゴロス……欲しいものは多数ある。それらを得るために利用するのが《ハイドロイド混成体》。

 序盤はXを小さい値で唱えて、1枚引いて1点回復なんかで使ってしまっても構わない。そうしてデッキを回転させつつ、後から《時の一掃》や《時を解す者、テフェリー》で回収して、今度はドデカいXで圧倒的なアドバンテージを得てやればよいのだ。何せ土地はたっぷりあるから、ほぼ毎ターン置けるだろうしね。ゾンビで地上を固めて、パワー10を超えるハイドロイドで2回殴って勝ちというのはこのデッキをプレイしていてかなり出くわす光景だ。

 立派なフラッド受けであるハイドロイドだが、これの追加枠的な存在でありデッキにより柔軟性をもたらしている1枚が《願いのフェイ》。

 サイドボードから除去や《漂流自我》《否認》など特定の状況で効果を発揮する呪文を引っ張ってきてゲームをこちらの有利な展開に持っていこう。これを出来事で使ってから戦場に出し、《時の一掃》で戻すと気持ちがいい。

 このカードからアクセスできる1枚として《神秘を操る者、ジェイス》が採用されているのは面白い。

 同じゴロス系のデッキと対戦すると、お互いがゾンビを出して除去してまた出し直して、ハイドロイドがぶつかり合って……と決着がつきにくくなってしまう。土地をどんどんと抜いていくのでライブラリーが薄くなりやすいデッキの特性を活かして、ぐだりやすい同型戦をジェイスの勝利条件で勝ってしまおうって寸法だ。何やら相手がライブラリーを数えだしたりするしぐさが見られたら、このカードの存在を疑おう!

 ゾンビが並びまくることで攻撃が通らない状況を作って心を折って勝つ、というのが対ビートダウンでの理想的なシナリオではあるが、相手もこれに対するアンサーを持っていないわけではない。《軍団の最期》でゾンビをまとめて消毒されたり、《探索する獣》がゾンビを飛び越えてバシバシ殴ってくることには注意しよう。逆にこれらのデッキに悩まされているプレイヤーは、こういった解答を用意して臨むようにしよう。《夢を引き裂く者、アショク》でゴロスから原野の黄金ムーブを止めるという手もあるね。

 そのデッキパワーは高く、各種トーナメントでも存在感を発揮し上位に名を連ねるゴロスデッキ。こうなるとゲームは、これを倒せるデッキや同型に強いゴロスの形、そういったものを考える段階に突入する。強いデッキを切り崩す、それを思案するのがトーナメントマジックの醍醐味なのだ。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER