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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

死者を超えた死者(スタンダード)

岩SHOW

 いつになくゾンビがひしめいているスタンダード環境になっている。《死者の原野》の登場により、デッキ内の土地の種類を多くし、土地を置くだけで生ける死者を血の底から呼び出すデッキが大人気だ。

 《成長のらせん》《迂回路》で少しでも早く7種類以上の土地が並ぶ状況を作り上げ、《風景の変容》で《死者の原野》ごと多数の土地を持ってきて10体以上のゾンビを並べる荒業も備えた「スケープシフト」「○○・シフト」と呼ばれるデッキがスタンダードで猛威を振るっている。

 攻め手である原野がブロック要員にもなって攻防一体な点が各種アグロデッキに対して優位に立て、《ケイヤの怒り》なんかで全滅させられても原野が複数並んでいる状態ならただ土地を置くだけで一瞬で立て直せてコントロール相手にも強い。なかなか隙がない恐ろしいデッキなのだ。

 ところで、うじゃうじゃとわいてくる一般ゾンビと違って、あふれんばかりの魔力で自らを生ける死者へと変貌させたことで不死者となった、より高位のゾンビをご存じだろうか? それはリッチと呼ばれる。リッチ/Lichとは死体を意味する英単語だが、TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」にて上述の魔法使いが自らゾンビ化した姿をリッチと名付け、マジックでもただの動く死体ではなく不死を追い求めた結果にたどり着いた姿をリッチと表現するようになった。

 リッチを名に冠するカードで近年大きなインパクトを放ったのは《リッチの熟達》。

 これをコントロールする者はゲームに敗北しなくなるというスーパー・エンチャント! もちろんデメリットはあるが、このカードの負けなくなるという美味しいところだけをいただこうというデッキが昨秋に誕生して話題になった。《栄光の好機》との組み合わせだ。

 たった3マナで追加ターンを得て、追加ターン終了時にゲームに敗北するというデメリットは無視! これを《ミラーリ予想》で何度も繰り返して相手にターンをあげずにゲームに勝ちましょう、という永遠の命を持ったことで狂気に陥った魔術師の思考そのもののようなデッキが、一部のマニアの間で話題になったものである。

 今日はこの《リッチの熟達》デッキの最新バージョンを紹介しよう! 今まさに隆盛を極めんとするゾンビたちに対して、プレイヤー自らが最高位の不死者となるデッキで立ち向かうべし、「5色リッチ」だ!

Ali Eldrazi - 「5色リッチ」
Fandom Legends July 25, 2019 ベスト16 / スタンダード (2019年7月25日)[MO]
1 《平地
1 《
1 《
3 《孤立した礼拝堂
1 《聖なる鋳造所
2 《寺院の庭
1 《陽花弁の木立ち
3 《湿った墓
2 《水没した地下墓地
1 《急流の崖
2 《繁殖池
2 《内陸の湾港
1 《神秘の神殿
1 《竜髑髏の山頂
2 《草むした墓
1 《森林の墓地
-土地(25)-

1 《不屈の巡礼者、ゴロス
-クリーチャー(1)-
1 《渇望の時
1 《根の罠
1 《アズカンタの探索
4 《楽園の贈り物
2 《栄光の好機
2 《ケイヤの誓い
2 《首謀者の収得
1 《抽象からの抽出
2 《ミラーリ予想
1 《浄化の輝き
1 《永遠神の投入
2 《リッチの熟達
4 《発見+発散
4 《覆いを割く者、ナーセット
4 《時を解す者、テフェリー
2 《伝承の収集者、タミヨウ
-呪文(34)-
2 《軍団の最期
1 《灯の燼滅
1 《自然のらせん
1 《古呪
1 《思考消去
2 《肉儀場の叫び
1 《煤の儀式
1 《ヴラスカの侮辱
1 《浄化の輝き
1 《永遠神の投入
1 《苦悩火
1 《神秘を操る者、ジェイス
1 《伝承の収集者、タミヨウ
-サイドボード(15)-
mtggoldfish.com より引用)
 

 このデッキは《リッチの熟達》《栄光の好機》《ミラーリ予想》に加えて《首謀者の収得》も用いる。

 首謀者でサイドボードからその状況に合った除去呪文を持ってきて生き延びるか、《ミラーリ予想》を使いまわすための《自然のらせん》、あるいは勝負を決めるための《苦悩火》を持ってくる、またはライブラリーから《ミラーリ予想》 or 《栄光の好機》のコンボパーツをサーチ……という動きでゲームを思いのままに進める。この首謀者もミラーリで拾って、Ⅲ章能力でコピーを生み出して欲しいカードをたっぷり手札に加えてと、強欲の限りを尽くそうってわけだ。

 こんなことをするには相応のマナが必要である。ただ土地を置くのみではなく《楽園の贈り物》も使って、好きな色マナを1ターンでも早く多く手に入れよう。

 3点回復もリッチ化するまでの時間稼ぎになるし、リッチ化した暁にはこの回復が3枚ドローとして機能する! これが強いのだ。

 《ケイヤの誓い》も序盤を耐えるための除去でありつつ、後半は3枚ドローとなってくれて無駄がない。

 昨秋には存在しなかったプレインズウォーカーたちが加わったのもこのデッキにとっては追い風だ。コンボパーツを探す《覆いを割く者、ナーセット》&《伝承の収集者、タミヨウ》、クリーチャーを手札に戻して時間稼ぎしつつこのデッキが苦手な打ち消しを否定、各種ソーサリーを隙なく運用できる《時を解す者、テフェリー》……これらの加入はまさしくリッチデッキの足りなかったピースを埋めてくれるものだ。

 彼ら彼女らの助力を得て、《栄光の好機》+《ミラーリ予想》+《自然のらせん》による無限ターンを決めにかかろう。こうして終わらないターンを迎えたら、特大の《苦悩火》を叩き込んで勝利を迎えるのだが、場合によっては《神秘を操る者、ジェイス》で自分のライブラリーを切れさせて勝つというのも一興だ。

 マナを食うデッキなので《不屈の巡礼者、ゴロス》も採用されている。

 彼(?)はただ土地を増やすだけでなく、能力を起動することでさまざまなミラクルを起こしてくれる可能性がある。3枚めくったカードの中に《リッチの熟達》と《栄光の好機》があったりすると……雄たけびを上げてしまうこと間違いなし!

 全体除去を多数有しているので、《風景の変容》ぶっ放しに対しても応じることができるのはデッキとして頼もしい限り。続くゾンビ軍団が再結成する前に、リッチの力で終わらないターンを手に入れて勝利しよう!

 勝利への道をたどりだした瞬間からのアドレナリンの分泌量は異常に高まること請け合いの「5色リッチ」、見た目以上にきちんと動けるデッキなので、スタンダードに夢を求めるプレイヤーはぜひとも不死者になる試練に挑んでちょうだい!

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