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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エスパー・ミッドレンジ(スタンダード)

岩SHOW

 エスパーの話をしよう! いや、超能力のことじゃないんだ。青を中心に、その仲良しな色である白と黒の3色が手を組んだデッキを、次元アラーラの断片の2つになぞらえてこう呼ぶのだ(ここまでおさらい)。

 エスパーはその色の組み合わせが示すように、テクニック重視のデッキになることが多い。白と黒が絡めばパーマネントの対処はかなり得意になり、青と黒は相手や自分の手札の増減に関する呪文が多数。これらで組まれるデッキが「エスパー・コントロール」だ。

 ただそれと同時に、3色とも飛行などのキーワード能力に恵まれたクリーチャーを誇る色でもある。コントロールのみではなく、線は細くとも老獪な攻め手を駆使するクリーチャー主体のデッキを紹介しよう!

onya - 「エスパー・ミッドレンジ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2019年2月4日)[MO] [ARENA]
1 《平地
1 《
4 《神無き祭殿
4 《孤立した礼拝堂
4 《神聖なる泉
4 《氷河の城砦
3 《湿った墓
4 《水没した地下墓地
-土地(25)-

4 《第1管区の勇士
4 《正気泥棒
4 《聖堂の鐘憑き
4 《秤の熾天使
2 《人質取り
2 《破滅を囁くもの
2 《黎明をもたらす者ライラ
-クリーチャー(22)-
4 《思考消去
1 《喪心
4 《屈辱
2 《虚報活動
2 《発見 // 発散
-呪文(13)-
1 《拘留代理人
3 《強迫
2 《喪心
2 《否認
1 《軽蔑的な一撃
2 《ヴラスカの侮辱
1 《煤の儀式
2 《昇華 // 消耗
1 《解任 // 開展
-サイドボード(15)-
 

 通称「エスパー・ミッドレンジ」と呼ばれるデッキだ。ミッドレンジ、すなわち速攻でもないが長期戦を狙うでもない中速度のデッキのことで、3~5マナのカードパワーが高いクリーチャーを主に用いるデッキをこう呼ぶことが多い。

 このリストは『ラヴニカの献身』発売直後より定番となっている「ヒーロー型」だ。主役はヒーローこと《第1管区の勇士》!

 エスパーカラーには優秀な多色のカードがズラリと揃っており、それらで固めたデッキを作ればこのヒーローがじゃんじゃんトークンを生成して自動的に盤面を形成してくれるというわけだ。

 このリストで重要視されているのは手札破壊。《思考消去》で相手の重要なカードを抜き、《聖堂の鐘憑き》で残りわずかな手札も奪い取る。これらで相手の行動を阻害しながら、オマケのトークンで殴ったり相手のクリーチャーを食い止めたりと柔軟に立ち回っていこう。

 《虚報活動》も相手の手札をはたいてこちらにはカードを授けてくれる、しかも多色という素晴らしいエンチャントで、かつ諜報すれば手札に戻ってくる。

 《思考消去》《発見 // 発散》を唱えてトークンを得て、諜報完了で《虚報活動》が戻って、再度唱えてトークンを得つつカードを引き……という具合に、上手く回れば毎ターン1~2体のトークンは生成できる。見た目以上に働くパワフルなカードなのだ。

 手札破壊しつつ殴る、というプランのおかげで、理論上すべてのデッキ相手に立ち回れる。まあこれはあくまで噛み合った際の話だが、しっかりと手札破壊が機能すればコントロールデッキ相手も苦にせず戦える。《思考消去》で《ケイヤの怒り》を抜き去りながらトークンを並べていくのはそれだけで快感だ。

 クリーチャーにも多色のカードを揃えることで怒涛の展開ができるのも魅力。《秤の熾天使》は純粋にカードパワーが高く、特に対クリーチャーデッキ戦では頭上を殴りつつ相手の攻撃の前に立ちふさがり、破壊してもスピリット・トークンが2体出てくるという嫌らしいことこの上ない1枚だ。

 どうでもいい話かもしれないが、ビジュアルも良い。美麗イラストに加えて、MTGアリーナでは戦場に出た際と能力を起動するたびに空から天秤が降りてくる演出があり、楽しい。こういう楽しさもデッキには必要だと、カジュアルプレイヤーな僕は思うね。

 《第1管区の勇士》と並ぶことで「これどっち除去するねん!」と相手を悩ませる存在となるのが《正気泥棒》だ。

 相手のライブラリーをごりごり食って有効なカードをいただける、凶悪な能力を有している。こんなものは生かしておくとマズいのでいち早く除去したいが、勇士のトークン生成能力も致命的……こういう具合に悩ませることができればもう仕事は十分。勇士も泥棒も、どちらも生き延びれば大いに仕事をするが、即除去されてもそれはそれで相手に除去を撃たせている、そう考えるのが大事だ。こちらにはまだ熾天使や《破滅を囁くもの》《黎明をもたらす者ライラ》が控えているからね、弾除けになってくれた程度に考えて、後続を展開していこう。

 トークンで耐えて手札破壊と除去で捌き、回復もできるということでアグレッシブなデッキ相手にはなかなか強い「エスパー・ミッドレンジ」。色の組み合わせも手伝って一見難しい・テクニカルすぎるように見えるデッキだが、使ってみればわかりやすく見た目以上にパワフルなデッキだ。現環境でデッキ選びに迷っているなら、手に取ってみて損はないぞ!

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