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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

グリ“ショール”ブランド(モダン)

岩SHOW

 地味でもシブい活躍をするカードがあるね。今までありそうでなかったタイプのシブめなカードが不意にぽろっと出てきて、既存のデッキが思いのほか強化されるなんてことが度々ある。

 マジックはただそれ1枚を見てもどれほどまでの働きをするのかわからないカードが多数ある。自分が普段追いかけていないフォーマットやデッキを見ると「え、このカードそんなに活躍しているの?」とプチびっくりが待っていたりするもの。

 今日は『ラヴニカのギルド』の新カードが良い歯車になったデッキを紹介しよう! 早速リストから!

Caleb Friedrich - 「グリショールブランド」
StarCityGames.com Regionals Dallas 7位 / モダン (2018年11月10日)[MO] [ARENA]
5 《
2 《
1 《血の墓所
1 《蒸気孔
4 《血染めのぬかるみ
4 《悪意の神殿
2 《黒割れの崖
-土地(19)-

4 《猿人の指導霊
4 《グリセルブランド
2 《怒れる腹音鳴らし
4 《世界棘のワーム
-クリーチャー(14)-
4 《信仰無き物あさり
4 《御霊の復讐
3 《夜の囁き
2 《捨て身の儀式
1 《集団的蛮行
1 《魔力変
4 《裂け目の突破
4 《発見 // 発散
4 《滋養の群れ
-呪文(27)-
3 《否定の契約
1 《致命的な一押し
1 《稲妻の斧
2 《削剥
1 《集団的蛮行
2 《神々の憤怒
1 《バントゥ最後の算段
4 《神聖の力線
-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)
 

 このデッキは「グリショールブランド」と呼ばれている、モダンのコンボデッキだ。デッキ名はキーカードである《グリセルブランド》と“ショール”を組み合わせたものだ。

 ショールってのは《滋養の群れ》の英名の群れの部分、Shoalからきている。ライフを払えばカードが引ける《グリセルブランド》と、ライフを回復する《滋養の群れ》の2枚を組み合わせて、じゃんじゃかカードを引こう……という、悪だくみを抱いたデッキなのだ。

 やりたいことはグリセルでもりもりドロー、でもそもそも8マナのカードを使うってそんな簡単なことじゃないのでは? そうです、もちろん真面目にマナを払ってこのデーモンを呼ぶ気はゼロ! コイツを降臨させるのにもちょっとしたズルをする。手札から、あるいは墓地から直接戦場に出す呪文《裂け目の突破》《御霊の復讐》を利用するのだ。

 《捨て身の儀式》《猿人の指導霊》でマナ加速して《裂け目の突破》というプランになるのだが、これは実は後述の別のコンボに使いたいのでメインは《御霊の復讐》でいきたいところ。この呪文は墓地から伝説のクリーチャーを釣り上げ、速攻を与える。たった2マナでグリセルを蘇らせ、7点叩き込みながら大量ドローを狙うのだが、これのために墓地にグリセルを落とす必要がある。

 そこで《信仰無き物あさり》を使うのが一般的なのだが、これに加えて今回のリストではシブ~い1枚、《発見 // 発散》を採用しているのだ。

 《発見》はライブラリーから墓地にカードを最大2枚送り込みながらカードを引く。これでコンボに必要なカードを手元に集めながら、墓地の準備もできるという……1枚で2つの仕事を成し遂げるナイスカードだ。

 では新カードも紹介したところで、実際にこのデッキがたどるストーリーを以下にまとめよう。

  1. 信仰無き物あさり》《発見 // 発散》《集団的蛮行》で《グリセルブランド》を墓地に送り込む。
  2. 御霊の復讐》でグリセルを戦場へ。攻撃して7点回復し、7点支払っての7枚ドローを2~3回起動する。
  3. 滋養の群れ》を《世界棘のワーム》をコストに使って唱える。11点回復してさらにドローを進める。
  4. 猿人の指導霊》《捨て身の儀式》《魔力変》などでマナを得ながら、《裂け目の突破》を唱えるか、もう一度墓地を作ってから《御霊の復讐》を唱える。今度は《怒れる腹音鳴らし》を戦場に繰り出す。大量ドローによって手札に溜まった土地を腹音鳴らしの能力で対戦相手に投げつけてライフを削りきる!

 なんとも荒唐無稽に見えるかもしれないが、これが見た目よりも強いコンボなのだ。ドローに恵まれれば、なんと最速2ターンで決まる! 瞬殺デッキを使いたければこれをオススメしよう。回復エンジン用の《世界棘のワーム》を《裂け目の突破》から投げつけて大ダメージ&大量のワームを展開という、アナザールートも存在するぞ。

 《発見 // 発散》のようなカードでこういうデッキが強化されるというのもなんとも趣があって良いね。ちなみにこのデッキ、採用されているカードの多くがつい先日発売されたばかりの『アルティメットマスターズ』に収録されているので、前よりもデッキは組みやすくなったのも嬉しいポイントだ。一方的にゴリゴリカードを引きまくる動きは楽しいので、興味があればトライしてほしいね!

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