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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

青赤デルバー(レガシー)

岩SHOW

 デルバーこと《秘密を掘り下げる者》が《死儀礼のシャーマン》とのレガシー界の黄金コンビを解散して、早いものでもうすぐ2か月。同じ1マナ域に超強力なクリーチャーを8枚というスタイルの構築はできなくなったが、それでもデルバーは変わらず元気だ。

 古き良き青赤緑になったり相変わらず青黒赤の3色でやったりドデカい影を新たな相方にしたり、デルバーデッキ自体は変わらず強力だ。

 今日紹介するのもそんなデルバーデッキの派生形の1つ。青赤2色型だ。

 このデッキ自体は、そこそこの歴史を持っている。その最盛期は『タルキール覇王譚』発売直後。同セットがもたらした《僧院の速槍》という1マナの名アタッカーと、そして《宝船の巡航》というぶっ飛びドローを得て、序盤から全力展開&火力連発しても手札尽きないやりたい放題なデッキだった。

 その後、巡航やそれに代わる《時を越えた探索》などを失いつつ、《嵐追いの魔道士》を得たりしながら、レガシーで一定数の使用者を保持し今日に至る。2色ゆえの安定感と、赤の火力にスロットを大きく割いて速度を重視した構築が、アグレッシブなデッキを好むプレイヤーに支持されている。その最新リストを見てみよう。

Mizuguchi, Kiyoshi - 「青赤デルバー」
98th KMC 6位 / レガシー (2018年8月12日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
3 《Volcanic Island
4 《沸騰する小湖
4 《汚染された三角州
3 《乾燥台地
-土地(18)-

4 《秘密を掘り下げる者
3 《渋面の溶岩使い
4 《嵐追いの魔道士
2 《真の名の宿敵
-クリーチャー(13)-
4 《渦まく知識
4 《思案
2 《定業
1 《蒸気の絡みつき
4 《稲妻
4 《稲妻の連鎖
4 《目くらまし
2 《魔術師の稲妻
4 《意志の力
-呪文(29)-
3 《紅蓮破
2 《狼狽の嵐
2 《外科的摘出
1 《墓掘りの檻
1 《真髄の針
2 《発展の代価
2 《粉々
2 《硫黄の渦
-サイドボード(15)-
KMC(Known Magician's Clan) より引用)
 

 最序盤に軽いクリーチャーを展開し、相手のアクションは《目くらまし》《意志の力》で打ち消す。いわゆるクロック・パーミッションと呼ばれるアーキタイプに属するデッキの中でも、前述の通り赤い火力を擁するため特に前のめりな形になっている。アドバンテージを獲得する手段はほとんどないので、長期戦は苦手。速やかにゲームを終わらせる必要があり、そしてこのデッキはその速度を有している。

 「青赤デルバー」の主要アタッカーであるデルバーと《嵐追いの魔道士》に共通する点は、双方ともにウィザードである点だ。これを活かすために、このデッキには《魔術師の稲妻》が本家《稲妻》そして《稲妻の連鎖》に続く、9枚目&10枚目の1マナ3点火力として採用されている。

 青赤2色のデルバーではこの枠にメインから《発展の代価》だったり《火 // 氷》なんかが採用されてきたが、いずれも相手を選ぶもの。その点1マナ3点はどのデッキを相手にしても本体を詰めることができ、決して腐らない。良いチョイスだ。軽い呪文が増えたことで《嵐追いの魔道士》の果敢も誘発させやすい。

 この《魔術師の稲妻》を用いるために、このデッキでは1マナクリーチャー枠から《僧院の速槍》を外し《渋面の溶岩使い》に変更している。

 地上戦が増えれば増えるほど、速槍は攻撃が通りにくくなり価値が下がる。逆に溶岩使いはどんなブロッカーがいようと本体に2点ダメージを飛ばせるし、手札の消費なしで除去もできる。どちらも一長一短だが、依然として環境に多い《悪意の大梟》を除去できる点、そして《グルマグのアンコウ》《死の影》《真の名の宿敵》《タルモゴイフ》などで攻撃が通りにくくなっている点を考えると、溶岩使い+《魔術師の稲妻》パッケージが今は正解になりやすいのかも。

 ウィザードたちで攻め込んで、相手の重要な呪文を打ち消し、火力をクリーチャー or 本体に投げつける。そんなダメージレースの大詰めは《真の名の宿敵》で相手の攻撃を受け止めて、ブロックされない3点を叩き込んで勝ち……こんなゲーム展開ができれば理想的。

 このデッキは相手をあまり選ばずに自分の動きで戦えるという点も優れている。トーナメントで安定して同様のゲームプランで戦いたいという方にはオススメだ。一見難しくも見えるが、初心者でも比較的安心して用いることができるデッキでもある。

 ただ一点のみ注意を……デルバーの第2面、変身後の《昆虫の逸脱者》はウィザードのタイプを失って人間・昆虫になっているので、《魔術師の稲妻》を唱える際には気を付けてほしい。アップキープに変身能力解決前に先に撃つ、というプレイをする場面もあるだろうね!

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