READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Temur Energy Never Die(スタンダード)

岩SHOW

 「MTG Arena」のクローズド・ベータ生活、最近は《巻きつき蛇》デッキを回すことにハマっている。このデッキで一番頼りになるのは《光袖会の収集者》だなと。序盤には止められにくい威迫を活かしてスパンスパンッと小気味よいビートを決めて、そうやって得たエネルギーで追加ドローをもたらしてくれる。この1枚と2~4点がなかったら負けてるな、というゲーム展開が多い。

 かつては1ターン目に《霊気との調和》でエネルギー補給しながら土地も得て、もっと強く運用できていたと考えると恐ろしい。その時は《牙長獣の仔》と分厚い2マナ圏を形成してたなぁ……調和→牙長獣の動きと言えば「ティムール・エネルギー」が懐かしいなぁ。あのデッキは本当に鉄板、安定感の化身だった……とか回想しながらゲームをプレイしていた。

 なんだか気になったので、最近「ティムール」を使っている猛者はいないものかと調べてみた。いるじゃないか。MOCSという予選ラウンド全8回戦のトーナメントで6勝2敗。十分な成績だ。もしかして、まだまだやれるのか? 青赤緑のエネルギーを軸とした中速デッキは、息を吹き返すか?

milikin - 「ティムール・エネルギー」
Magic Online Standard MOCS 6勝2敗 / スタンダード (2018年6月9日)[MO] [ARENA]
4 《
2 《
3 《根縛りの岩山
2 《隠れた茂み
4 《植物の聖域
4 《尖塔断の運河
4 《霊気拠点
-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《牙長獣の仔
4 《導路の召使い
4 《つむじ風の巨匠
4 《逆毛ハイドラ
3 《栄光をもたらすもの
-クリーチャー(23)-
2 《マグマのしぶき
4 《蓄霊稲妻
3 《削剥
3 《霊気圏の収集艇
2 《反逆の先導者、チャンドラ
-呪文(14)-
3 《貪る死肉あさり
1 《栄光をもたらすもの
2 《チャンドラの敗北
4 《否認
1 《グレムリン解放
2 《慮外な押収
2 《領事の旗艦、スカイソブリン
-サイドボード(15)-
 

 大体は今年に入るまでのリストと大差はない。《霊気との調和》と《ならず者の精製屋》が抜けたスロットをどうするかというのが問題で、このリストでは1マナ圏に《ラノワールのエルフ》を採用することで調和の穴を埋めている。

 エネルギーは得られず、緑以外のマナの供給源にもならないが、調和と違って次のターンに使えるマナ自体は増えている。これで手数を増やし、《逆毛ハイドラ》をいち早く戦場に出すというアプローチでカバーしようというわけだ。かつては調和で《》をサーチして4色にして《スカラベの神》まで運用できたが、そういう構築はもう厳しいかな。純正3色ティムールでハイドラ勝負!

 《ならず者の精製屋》は昨年度世界王者ウィリアム・ジェンセン/William Jensenをして「環境最強の1枚」と言わしめたとんでもない3マナ域だった。この穴を埋めるのは多くのカードにとって荷が重いが、このリストではそこに《霊気圏の収集艇》を採用。

 精製屋と同じくエネルギーを2個得られるので《牙長獣の仔》の後に出してバックアップもできる。精製屋のようにドローはできないが、代わりに3/5飛行と攻防両面で活躍するスペックと絆魂能力でライフを得られるのが魅力だ。先述の《ラノワールのエルフ》から2ターン目に出すことができ、後半マナが十分ある状況のエルフを登場させて最低限の仕事をさせることもできる、と相性は◎。赤いアグロデッキが流行っているこのご時世、頼りになることは間違いない。

 後はかつての「ティムール・エネルギー」が誇ったスター揃い踏みである。牙長獣と《つむじ風の巨匠》でまずは盤面にプレッシャーをかけ、相手が疲弊すれば死ににくさとパンチ力に定評のある《逆毛ハイドラ》が詰めにかかってくれる。《栄光をもたらすもの》の爆撃も健在だ。《ラノワールのエルフ》が入ったことで3ターン目なんかに登場して暴れ回ってくれる可能性も。最後は《反逆の先導者、チャンドラ》が確実なアドバンテージとダメージで勝利へと導いてくれるはずだ。

 デッキの核とも言えるカードを失いすっかり下火になってしまったデッキだが、工夫次第ではまだまだ戦えそうだ。何よりも諦めない気持ちが大事なのかもしれない。マジックの基本だね。『基本セット2019』の参入で一体どんなデッキが再浮上してくるのか、今からワクワクしてしまうのだ。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索