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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第2回「タイタン・シフト」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第2回「タイタン・シフト」

by 岩SHOW

 やあ、モダン・ウォリアー候補生諸君! 今日もモダンでどういったデッキが使われているのかわからないという君たちのために、トレーニング・メニューを用意したぞ。全10回の連載を経て、グランプリ・神戸2017へ挑め! モダン・ブートキャンプの開幕だ!

 本戦には参加しないという人も、放送を観る際の参考にでもなれば幸いだ。これを読んで興味が出たら、デッキを作ってモダンのトーナメントに挑んでみてくれ。SHOW軍曹との約束だ!

 それじゃあ早速、第2回のデッキを紹介しよう。このデッキがどうやって勝とうとしているのか、ちょっと考えてみてくれ。

Ian Flinn - 「タイタン・シフト」
StarCityGames.com Invitational Qualifier Glassboro 8位 / モダン (2017年4月15日)[MO]
7 《
3 《
3 《踏み鳴らされる地
3 《燃えがらの林間地
4 《樹木茂る山麓
3 《霧深い雨林
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート

-土地(27)-

4 《桜族の長老
3 《クルフィックスの狩猟者
4 《原始のタイタン

-クリーチャー(11)-
2 《召喚士の契約
4 《稲妻
4 《探検
4 《明日への探索
2 《神々の憤怒
4 《風景の変容
2 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(22)-
4 《ジャディの横枝
3 《強情なベイロス
1 《業火のタイタン
2 《濃霧
2 《神々の憤怒
1 《クローサの掌握
2 《虚空の杯

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 ......時間切れだ、わかった者は挙手!じゃあそこの君!......正解だ、このデッキは稀代のダメージ源《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を噴火させて対戦相手を跡形もなく吹き飛ばそうという危険なデッキだ。吹き上げるマグマ......まるでモダンに挑む君たちの情熱が具現化したようなデッキだな。

 ではどうやってヴァラクートを噴火させるのか、順を追って説明しよう。

 まずこのヴァラクートという山には噴火条件がある。山・タイプを持つ土地が自身のコントロール下で戦場に出た時、既に他に山を5つコントロールしているのであれば、ヴァラクートはクリーチャーかプレイヤーを対象としそれに3点のダメージを与える、という能力が誘発する。赤マナと溶岩が蓄積していって、それが溢れ出すんだろうな。

 これを活用するために、『ゼンディカー』当時のスタンダードでは緑の土地を戦場に出すカードと組み合わせて赤緑のデッキが組まれていた。

 中でも《原始のタイタン》は別格だ。基本でない土地をサーチできるため、ヴァラクートを見つけるにはもってこいのクリーチャーで......ヴァラクートは固有名詞付きの割に伝説ではないので、コイツの誘発型能力で2枚持ってくることができてしまう。そのままターンが返ってきたら、攻撃して山カードを2枚サーチして(この時には純粋な《》しかなかったな)3点×4=12点!といった具合に、瞬間的に大ダメージを弾き出して盤面からクリーチャーを消し去ったりライフを溶かしたりすることができる。中速のコンボデッキで、実に強かった!

 そんなデッキがモダンにやってきたのがこの「タイタン・シフト」だ。タイタンは文字通り、《原始のタイタン》のこと。ではシフトとは? 勘が良い者にはもうお分かりのことだろう、《風景の変容》だ。

 このソーサリーは、土地を生け贄に捧げた分だけライブラリーから好きな土地を探してきて戦場に出すことができる。一見、あまり使い道のないカードだったが、ヴァラクートというパートナーを得てからは、4マナでゲームを終わらせられるソーサリーに変貌した!

 土地が7枚ある状態でこれを唱え、すべて生け贄に捧げて山・タイプの土地6枚+ヴァラクートをサーチする。それらの土地はすべて同時に戦場に出るのだが、この時6枚の山全てがヴァラクートの能力を誘発させる。そのすべてが6枚目の山になるわけだからな。3点×6=18点、自分からライフを支払うことの多いモダンでは致死ダメージであると言える値だ。まあ《稲妻》なんかを撃ち込んでも良いし、次のターンに山セットとかでも良いしな。

 この土地7枚時の《風景の変容》を最速で狙うこと・あるいはタイタンによる暴行を軸にして組まれたデッキ、それが「タイタン・シフト」なのだ。なので、デッキを構成するカードはこれらのキーカード+土地を伸ばす緑のカードが大多数で、それに赤いコントロール要素を足す形となっている。

 すべてを吹き飛ばすモンスタートラックのようなパワフルなデッキだが、やることは地道だ。序盤は《桜族の長老》《探検》《明日への探索》、このリストでは不採用だが《遥か見》《ウッド・エルフ》なんかを使って、とにかく盤面に土地を並べていくことに全力を尽くす。

 ただ対戦相手もこれを傍観し噴火の時を待ってくれるなんてことは絶対にない、ヤツらもクリーチャーを展開するなどしてこちらのライフを詰めにかかってくる。そこで《稲妻》などの除去を使って、盤面を捌いていくことも必要になる。

 このデッキの強みは《神々の憤怒》だ。3マナで全体3点は序盤に展開されるクリーチャーの大多数を薙ぎ払うことが可能で、かつ死亡するクリーチャーを代わりに追放することでモダンに多数いる「死を超越してくるクリーチャー」をまとめて対処可能だ。このカードを用いることができるのも「タイタン・シフト」のウリの一つであり、特定のデッキ(今度教えるが、「ドレッジ」という名前を覚えておいてくれ!)に有利が付く要因となっている。

 まあ、《神々の憤怒》ではなく《仕組まれた爆薬》を使っていたりするリストもある。そのへんはメタゲーム次第、仮想敵を何と見るかによるが......簡単な方を選ぶのが吉なので、個人的には憤怒をオススメする。まあ、併用でも良いかな。その辺りは君たち各自の判断に委ねよう。

 あららという間に勝負が決まることも勿論ある、モダンで勝つにはブン回りが必要とよく言われるように、このデッキも4ターン目に18点、なんて動きも可能だ。だが、基本は中速のボード(盤面)コントロール寄りのデッキだということを念頭に入れて、自機とするなり対策するなりしてほしい。

 まあ、中速とは言っても「モダンにおける中速」なのでスタンダードなどとはまた勝手が違ってはくるが......土地さえ伸びていけば勝利は自ずと転がり込んでくる、そんなデッキだ。《クルフィックスの狩猟者》なんかでうまく立ち回って、タイタンに繋げよう。物理的にこの巨人をどうしようもできないというデッキも少なくない。そんな相手と当たってタイタンで土地サーチしている時は、本ッ当に、気分が良いぞぉ。

このデッキに有効なサイドボード

 《血染めの月》でヴァラクートを完全に封じられると勝ち手段がタイタンでのパンチぐらいしかなくなってしまって厳しい。これに対抗できるようにアーティファクトだけでなくエンチャントに触ることができるパーマネント破壊呪文がサイドボードには必須だ。

 このリストでは対応して打ち消し呪文を使えない《クローサの掌握》を採用している。エンド前にこれで割って、メインで決めるという流れを意識しての採用だろうな。各々、自分に合った《血染めの月》対策を考えておくように。《塵への崩壊》で根絶やしにされるのもイヤなため、これを採用していそうな赤絡みの中速デッキと対戦する際は不要にヴァラクートを戦場に出さないように! 決める時に一気に出して決める、これを意識するだけでこのカードは回避できるはずだ。

 このデッキはどっしりと腰を下ろす方向で組まれているが、その派生形でもっと高速コンボに特化したものもある。ここでまとめて紹介しておこう。

Spanky_kc - 「タイタン・ブリーチ」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2017年4月11日)[MO]
6 《
2 《
4 《踏み鳴らされる地
2 《燃えがらの林間地
4 《樹木茂る山麓
2 《沸騰する小湖
1 《乾燥台地
1 《血染めのぬかるみ
3 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート

-土地(25)-

4 《桜族の長老
3 《猿人の指導霊
4 《原始のタイタン
1 《森滅ぼしの最長老

-クリーチャー(12)-
4 《召喚士の契約
4 《稲妻
3 《遥か見
4 《明日への探索
3 《神々の憤怒
4 《裂け目の突破
1 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(23)-
1 《漁る軟泥
1 《再利用の賢者
2 《強情なベイロス
2 《墓掘りの檻
2 《大祖始の遺産
2 《古えの遺恨
2 《塵への崩壊
1 《粉砕の嵐
2 《仕組まれた爆薬

-サイドボード(15)-

 こちらは《風景の変容》ではなく《裂け目の突破》を用いる。《猿人の指導霊》まで取って、いち早くタイタンを戦場に出しつつ殴って土地を4枚サーチしてヴァラクート噴火によるゲームエンドを狙った形だ。「ヴァラクート・ブリーチ」「タイタン・ブリーチ」などと呼ばれている。

 早く勝負を決められる分、相手の妨害への耐性が落ちている。お互い手札が尽きてトップデッキ勝負になった時、《風景の変容》ならそれ1枚でゲームが終わるが《裂け目の突破》ではそれだけでは......となってしまう。どちらにもそれぞれの良さがあるので、好みで選ぶと良いだろう。

 《裂け目の突破》といえば《引き裂かれし永劫、エムラクール》を走らせる、というイメージがあるだろうし事実それを搭載した形もあった。この2枚のコンボが決まれば大体ゲームに勝てるので、その形をとるプレイヤーも少なくはない。

 しかし今の主流は《森滅ぼしの最長老》や《ワームとぐろエンジン》のように、投げつけて強い上にもし突破を引けなくても戦場に出すことが可能な、現実的なマナ・コストの大物を採用するというスタイルだ。まあエムラクール型にも、ヴァラクートを封じられても一瞬で決着をつけられるという利点がある。どのリターンを重視するか、それによってどのリスクを背負うのか、考えながらデッキを構築しよう。

 煮えたぎる情熱を放つにはうってつけのヴァラクートデッキ。このデッキは一人回しをするだけでも練習になる。そりゃもちろん相手がいた方が良いが、寝る前の時間とかそういうのを有効活用できるのもデッキの強みであると私は思っている。というわけで、このデッキが気に入った諸君は素振りを欠かさずに。1日100噴火くらいさせて心身ともに最高潮でグランプリに臨んでくれ! さあ練習開始だ!

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