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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第1回「親和」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第1回「親和」

by 岩SHOW

 決戦の日は近い。グランプリ・神戸2017まで、もう2週間を切っている。うかうかしておれんぞ! 準備は万全か? モダンはやり込んだものが勝つフォーマットだ(マジック全般そうじゃないかって?)。何、デッキが分からない? それじゃどうしようもない、練習も愛作も出来んじゃないか!......そのために、私がここに来た。私「SHOW軍曹」が、環境に存在するデッキを叩き込んでやろう。これから10回の訓練を経て、君たちはモダン・ウォリアーに生まれ変わる! モダン・ブートキャンプの始まりだ!

 初日のメニューは......環境でも定番のビートダウン、アーティファクトで武装した危険なヤツ、「親和」だ。コイツらのことを侮ってると、足元をすくわれるぞ! 戦に勝つには、まず敵の、あるいは自身のデッキを知るところから始めねばならない。かつてデイリー・デッキでも取り上げたことのあるデッキだが、今一度振り返ってみることとしよう。

 「親和」というデッキ名からわかる通り、『ミラディン』にて登場した親和(アーティファクト)という能力を持ったカードにフォーカスしたデッキだ。この能力を持ったカードは、戦場にあるアーティファクト1つにつきマナコストが{1}軽くなる。軽量アーティファクトを早いターンからばら撒き、《金属ガエル》《マイアの処罰者》を連打だ!

 ......というのは、石器時代の話だ。今日日の「親和」デッキに、親和カードは入っていない。《物読み》が1~2枚入るかといったところだ。じゃあなんで「親和」って呼ぶのかって? 習慣だよ習慣! 「Robots」と呼ぶ者もいるが、90%くらいのプレイヤーは「親和」と呼んでいる。ボーカルが抜けたが他のメンバーはそのままのバンドみたいなものだ。

 早いターンからアーティファクトをズラリと並べて、鋼鉄の軍団で殴り勝つという設計思想は変わらない。古今東西、あらゆるアーティファクトの中から選りすぐりが集ったデッキの全容がこれだ!

Curtis Eslami - 「親和」
StarCityGames.com Modern Open Dallas 19位 / モダン (2017年3月11~12日)[MO]
1 《
4 《ダークスティールの城塞
4 《墨蛾の生息地
3 《ちらつき蛾の生息地
3 《産業の塔
2 《空僻地

-土地(17)-

4 《羽ばたき飛行機械
2 《メムナイト
4 《信号の邪魔者
4 《大霊堂のスカージ
4 《電結の荒廃者
4 《鋼の監視者
2 《刻まれた勇者
2 《エーテリウムの達人

-クリーチャー(26)-
4 《オパールのモックス
1 《溶接の壺
4 《バネ葉の太鼓
4 《感電破
4 《頭蓋囲い

-呪文(17)-
2 《刻まれた勇者
1 《エーテリウムの達人
2 《急送
2 《思考囲い
1 《墓掘りの檻
1 《真髄の針
2 《古えの遺恨
2 《ギラプールの霊気格子
1 《血染めの月
1 《摩耗+損耗

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 リストを見て、何か感じたことはないか? この際ハッキリ言ってしまおう。「親和」というデッキを構成するカードは、それ1枚だと弱いものばかりだ。単体だとカード1枚分の働きすらしないものも含めて、アーティファクト・シナジーを形成するカードを寄せ集めて作ったデッキだ。

 《電結の荒廃者》がわかりやすい。このカードのテキストを把握したうえで......《草むした墓》《怒り狂う山峡》と《タルモゴイフ》と並んでいるところを想像してくれ。こいつは何もしない。ただの2マナ1/1だ。じゃあパーマネントを《ダークスティールの城塞》《墨蛾の生息地》と《刻まれた勇者》に置き換えてみよう。一気にやれることが増えて、荒廃者の強さも全くの別物だ。《鋼の監視者》《頭蓋囲い》と、このデッキの主力はこんなカードばっかりだ。

 単体では弱いアーティファクトのポテンシャルを最大限に引き出してやるために、1ターン目から3個以上のアーティファクトが展開できるよう「親和」デッキは作られている。0&1マナのアーティファクトが10枚以上採用されている超軽量デッキだ。1ターン目《ダークスティールの城塞》から《バネ葉の太鼓》《メムナイト》《オパールのモックス》と動いて2マナから《鋼の監視者》、2ターン目《墨蛾の生息地》から《刻まれた勇者》......なんて動ければ最高だ。

 対戦相手が土地をタップインさせたりしている間にこちらは全力で盤面を構築しにかかる。ゲーム開始時の手札に依存したデッキであり、ゆえに「これは良い手札」「これはマリガンしてもっといい手札を狙いに行く」といった判断が他のデッキ以上に必要となってくる。どうやって判断すれば良いかって? 練習あるのみだ! まだ12日ある、朝から晩まで回せぇ!

 このデッキの勝利手段は、戦闘によるものとなっている。ライフを削り切るか、《墨蛾の生息地》で毒を10個与えるかの二択だ。このデッキのアーティファクト・クリーチャーたちは《信号の邪魔者》《鋼の監視者》《エーテリウムの達人》と他を強化する能力を持ったものが多数。《頭蓋囲い》もアーティファクトの数だけパワーを上昇させる、尋常ならざる殺傷能力を秘めた装備品だ。これらを用いて、素のパワーが低い《刻まれた勇者》《大霊堂のスカージ》らを強化して殴る!

 これに《電結の荒廃者》が絡むと......他のデッキの戦闘のようにただ殴って、ブロック指定して終わりというわけにはいかなくなってくる。《電結の荒廃者》はアーティファクトをモリモリ食べた後に自身を生け贄に捧げて電結能力を誘発させ、対象のアーティファクト・クリーチャーのパワーを爆発的に上昇させることができる。また《頭蓋囲い》は{B}{B}を支払えば装備を付け替えることが可能。これらの能力はインスタント・タイミングにて使用できる。盤面の一番パワーが大きいやつをブロックしたり除去すればOK、なんて考えで対処すると、《墨蛾の生息地》のパワーが突如10になって一撃死、なんてこともザラにある。使う側も使われる側も、盤面を見て正確なダメージを把握せねばならず、最初のうちはこれが難しい。使っている側は勝ち確定の場面を逃さない、使われる側は耐えられたのに負けてしまわないためにも、練習を重ねたいところだ。

 「親和」は数あるビートダウンの中でも「メイン最強」とも言われている。メインデッキからアーティファクトへの対抗策を搭載しているデッキは少ないため、こちらの理想的な動きを阻害されにくく、1ターン目からのブン回りで圧殺できてしまうからだ。クリーチャーが軒並み回避能力持ちなのも、他のビートダウンよりも秀でているポイントだな。だが、「メイン最強」という言葉に踊らされるんじゃないぞ!そんなのを他のデッキが許すわけがない、サイドボード後のゲームは地獄の対策カード祭りだ!

このデッキに有効なサイドボード

 《石のような静寂》を2ターン目に貼られてそのまま何もできなくなって負け、《粉砕の嵐》でパーマネントがすべて吹き飛んで負け、そういった恐怖におびえながら戦うことになる。覚悟はできているか? 《古えの遺恨》で簡単に1対2交換を取られるんだぞ。そんなことにビビってるうちは、このデッキでは勝てない。

 「親和」側に手がないわけじゃない。《思考囲い》で落とし、《呪文貫き》《頑固な否認》などで打ち消し、《摩耗+損耗》で叩き割る。対策カードへの対策カードで応戦だ。

 多色デッキがこういったカードをうまく唱えられないように《血染めの月》でマナベースを潰すという手もある。《石のような静寂》でアーティファクトが機能不全に陥っても《ギラプールの霊気格子》の能力を起動させることで無駄なくダメージソースとして用いることも可能! これらのカード、そしてクリーチャーや墓地への対策カードを積んで、アンチ親和カードを搭載したデッキに立ち向かっていけ!

 カードを1枚1枚噛み合わせて戦うデッキなので、メインに関しては概ねいじりようがなく、《アーティファクトの魂込め》《物読み》を採用するか否かといった部分が使用者ごとの個性となる。オリジナリティあふれる1枚を潜ませたいのであれば、そもそも他のデッキを使うべし! 空手の基本的な型や正拳突きを日々積み重ねるように、やり込みによって他人と差をつけるタイプのデッキだということを忘れないように。

 何度も口酸っぱく言っているが、「親和」で勝つには練習しかない! それじゃまずは腕立て20回、ぐずぐずせずに始めィ! 終わったら《羽ばたき飛行機械》のメンテナンスをしておくように、今日は長い一日になるぞ!

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