READING

読み物

ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:Bazaar of Baghdad

浅原 晃

 いらんかねー、いらんかねー! 大特価! 定価350円のところを今なら、『プロフェシー』と『フォールン・エンパイア』が何と10ドル! 詐欺じゃないよ! お持ち帰りなら、ダメージ軽減税率で《治癒の軟膏》も付いてくる! よっ、お客さん、もってけ泥棒! 概念泥棒!

 え、何をやっとるかって? ふぉっふぉっふぉ、アメ横デビューを狙っておるのじゃ。1946年の今日は「アメ横」が誕生した日じゃ。アメ横は東京の上野~御徒町の名所の1つとして知られる商店街じゃ。威勢の良い叩き売りが特徴でな、今では海外からの観光客も多いのじゃよ。もとは戦後の復興時の物資の取引をする場所として、作られたようじゃのう。

 今回はマジック界のアメ横、スピード感のある取引を行うことで有名な、《Bazaar of Baghdad》を紹介するぞい。

 本来、土地はマナを出すものじゃが、マナが出ない代わりに特殊な能力を持った土地が昔は多くあったのじゃ。マナが出ないというのは大きなデメリットじゃから、使われるのにはそれなりに強力な能力が必要だったのじゃな。その中でも有名なカードの1つが、この《Bazaar of Baghdad》じゃ。

 タップするだけで、2枚引き、3枚捨てる、と土地にドロー能力が付けておるのじゃな。手札が減るため普通には使えんカードなのじゃが、このカードを輝かせることになったのは墓地利用の神様、いや、諸悪の根源、「発掘」が出てからじゃろう。「発掘(ドレッジ)」デッキは発掘を持つカードを墓地に落とし、大量のドローで置換することで一気に墓地を肥やすのじゃが、引くと捨てるを同時に行う《Bazaar of Baghdad》はまさにうってつけだったのじゃな。

 《Bazaar of Baghdad》はヴィンテージでしか使えないものの、全くマナを使わないデッキを成立させておるのじゃから、とんでもない話なのじゃ。それに、土地は打ち消しも効かないからのう。ふぉっふぉっふぉ、この土地からは、ゴミで宝石をもらうような、ものすごい取引が成立しておるのじゃな。

 ふぉっふぉっふぉ、デメリットをメリットにする。デッキ構築だけならず、世の中の真髄みたいなんじゃな。さて、アメ横デビューへ向けて、仕入れに行くかのう。お、いいことを思いついたぞい。タピオカを原材料にした、+1/+1タピオカウンター。これは、売れる……

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索