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ガフ提督の「ためになる」今日の1枚

今日の1枚:伏魔殿

浅原 晃

 3月11日はパンダが世界に広く知られるきっかけとなった日、「パンダ発見の日」じゃ。

 時は1869年3月11日、フランス人の宣教師が中国を訪れた際に、地元の猟師が持つ白と黒のパンダの毛皮を見つけたことで、パンダの存在が世界中へ広まることになったのじゃ。

 だが、これは、パンダにとって決して喜ばしいことではなかったようじゃのう。珍しいもの、人気のあるものに人間は殺到するじゃろう? パンダもまた、その珍しさから、密猟による乱獲へと発展してしまったのじゃ。パンダは《平和な心》を持ったクリーチャーのようなものじゃから、あっという間に絶滅危惧種になってしまったのじゃな。

 あんなに可愛いのにそんなひどい……と思うじゃろうが、悪い奴は潜みながら虎視眈々と弱い者を狙うのが世の常じゃ。今日紹介するカード、《伏魔殿》はそんな陰謀や悪事が絶えず企まれる場所、悪の巣窟を指す言葉じゃ。

 『エクソダス』で収録された《伏魔殿》はクリーチャーが戦場に出たときにパワー分のダメージを好きな場所に飛ばせるエンチャントじゃ。この効果は相手も利用できたため、普通に使うよりも、瞬殺コンボで使われたのが印象深いと言えるじゃろう。

 特に《ファイレクシアン・ドレッドノート》と組み合わせたデッキは覚えている人もいるかもしれんのう、この1マナ12/12を2回出して24点のダメージを与えて勝つデッキはパンダモノート、ではなく、「パンデモノート」と言われて恐れられておった。

 また、当時あったエクステンデッドでは《はじける子嚢》とともに、《補充》で墓地から一気に戦場に戻して、瞬殺するデッキも開発されたのじゃな、これは、バンダバースト、ではなく、「パンデバースト」と呼ばれておったのじゃな。《伏魔殿》の名にふさわしく、悪事を企むデッキビルダーたちをも集結させてしまったのじゃな。

 ふぉっふぉっふぉ、わしが《伏魔殿》を選んだ理由が分かった? なかなか、わしのことが分かって来たようじゃのう。《伏魔殿》は英語ではパンデモニウムと読むからのう、パンデモニウム……パンダモニウム、おっと、山田君に座布団を全部取られる前にわしは帰るとするぞい。

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