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日本選手権2018

観戦記事

準決勝:行弘 賢(東京) vs. 森山 真秀(島根)

小山 和志

 準々決勝を終えてともにフィーチャーエリアに現れたふたりはあまりに対照的だった。

 
行弘 賢

 プラチナ・プロプレイヤーにして、4度のプロツアー決勝ラウンド進出を経験している日本を代表するプレイヤーだ。もはや説明不要なほどに、この何年もトーナメントシーンの最前線を走り続けている。

 本イベントでは自身初となる日本選手権でのプレイオフ進出を決め、準々決勝ではチーム「Musashi」の盟友であり、ワールド・マジック・カップ日本代表キャプテンを争うライバルでもあった渡辺 雄也を下してこの準決勝に勝ち上がった。

 自らの手で直接掴み取ったワールド・マジック・カップ日本代表の座。あとこのトーナメントで手に入れるべきものはたったひとつ。

 日本王者。

 それを手中に収めるべく、堂々たる風格で戦いに臨む。

 
森山 真秀

 そんな行弘と対照的に、森山は緊張を隠せない様子で準決勝の席に座った。

 それもそのはずだ。プレミア・プレイで自身初のトップ8進出であり、プロツアーレベルのイベントを経験したことのない彼の前に座っているのはあの(・・)行弘賢だ。

 そして、ここで勝利を収めずしてワールド・マジック・カップへの出場権を獲得することは、できない。

 森山はこのイベント後にMagic OnlineのRPTQ(プロツアー地域予選)への参加を決めているという。そこまでして追い求める世界の舞台があと一歩のところまで迫っている。

 これまでに経験したことのないプレッシャーを感じているであろう森山を地元島根の友人たちが心配そうに見守っている。

 散っていった友人たちの応援を背に一世一代の戦いに臨む森山に対し、行弘は緊張をほぐそうとするかのように笑顔で話しかける。

行弘「この(行弘が使用している)スリーブ、仙豆なんすよ(笑)。今日もここまで勝ててますし」

森山「本当すごいですよね。知り合いも使ってました(笑)」

 そうして会話を交わしているうちに森山の表情も和らいできた。

 さあ、準備は整った。

 行弘はまだ手に入れていない「日本王者」の称号を手にするため。

 森山はまだ見たことのない「世界」への切符を手にするため。

 日本選手権2018、準決勝を始めよう。

 
行弘 賢(写真右) vs. 森山 真秀(写真左)
ゲーム1

 行弘が1ターン目に《這い寄る刃》から、2ターン目にさらに1体、そしてもう1体と計3体の《這い寄る刃》を一挙に展開する!

行弘「こんな回りしたことない(笑)」

 行弘はさらに《セイレーンの嵐鎮め》、そして森山が盤面を一掃すべくプレイした《ゴブリンの鎖回し》を当然のように《本質の散乱》で弾く。

 さらに追加の《セイレーンの嵐鎮め》から《執着的探訪》を《這い寄る刃》にエンチャントし、理想、いや理想以上の動きで森山のライフを勢いよく削っていく。

 森山は行弘の暴力的と言える動きに対し《ピア・ナラー》を出し飛行クロックを止めて食い下がるが、3体の《這い寄る刃》が止まらない。

 森山は《ウルザの後継、カーン》の[+1]能力で解答を探しにいく。だが《泥濘の峡谷》と《ゴブリンの鎖回し》の選択で、行弘はなんと出れば戦場が壊滅する《ゴブリンの鎖回し》を選択した。それはすなわち戦場に出ることを許されないということだ。

 それが分かっている森山は《キランの真意号》で行弘のライフを4点減らすが、ダメージレースを繰り広げるには行弘のスタードダッシュがあまりにも爆発的すぎた。

行弘 1-0 森山

 
行弘が日本王者に向けて一本を先取
ゲーム2

 森山が行弘の《這い寄る刃》を《木端+微塵》で除去してから《キランの真意号》とつなげるのに対し、行弘は理想の展開であろう3ターン目《大嵐のジン》!

 だが、先手の利を活かし森山は《反逆の先導者、チャンドラ》でこれを処理する。

 行弘は2体目の《大嵐のジン》を繰り出すと、こちらも2枚目となる《木端+微塵》を《潜水》で弾き、これに《執着的探訪》をつけて《反逆の先導者、チャンドラ》へ向けて攻撃。森山は《キランの真意号》をチャンプブロックに回す。

 そして、森山は守った《反逆の先導者、チャンドラ》の[+1]能力と6枚の土地で合計8マナを生み出し、《再燃するフェニックス》を2体召喚する!

 このうち1体が《大嵐のジン》と相討ちとなり、トークンを生み出す誘発型能力自体は《敏捷な妨害術師》の「サイクリング」で打ち消されたものの、もう1体の《再燃するフェニックス》が攻勢を続け、さらに《微塵》を1枚墓地からプレイして行弘のライフを詰める。

 行弘は新たに召喚した《這い寄る刃》にこれもまた2枚目の《執着的探訪》でドローを進め、3体目となる《大嵐のジン》を引き込むが、除去により撃ち落とされる。

 行弘は続く《再燃するフェニックス》の攻撃を通し、残りライフは5。意を決した森山の《微塵》を《呪文貫き》で打ち消し、《マーフォークのペテン師》で時間を稼ぐ。

 そして、ここに来て展開の止まった森山に対し行弘はドローを進め、決め手となりうる4枚目の《大嵐のジン》を繰り出した!

 耐えに耐えた行弘がついに攻勢に……

 ……が、反撃もここまでだった。

 《再燃するフェニックス》の攻撃を通して残りライフ1となった行弘に、森山の《強迫》からの《ゴブリンの鎖回し》が勝負を決めた。

行弘 1-1 森山

 
世界への切符を目指す森山が星を取り返す
ゲーム3

 行弘が《這い寄る刃》から《執着的探訪》、さらに2体目を追加する1ゲーム目を彷彿とさせるロケットスタート!

 だが1体は《削剥》で処理され、さらに《敏捷な妨害術師》を出した隙に《マグマのしぶき》と《削剥》を受け、行弘は3ターン目にして全てのクリーチャーを失ってしまう。

 反撃に出る森山は《ゴブリンの鎖回し》、さらに《反逆の先導者、チャンドラ》と続け、これを行弘は打ち消すことができない。

 森山はなんとか行弘が展開した《這い寄る刃》も除去し、行弘の盤面は再び更地になってしまう。

 さらに《反逆の先導者、チャンドラ》の[+1]能力から現れる《戦場のたかり屋》、そしてその名の通りプレイヤーたちに栄光を授けてきたカード――

 《栄光をもたらすもの》が戦場に降り立つと、行弘は「決勝、頑張ってください。そして(ワールド・マジック・カップを)一緒に頑張りましょう!」と未来のチームメイトとなる対戦相手を祝福したのだった。

行弘 1-2 森山

 試合後、決勝戦に向けデッキを整理する森山は実感が湧かない様子でためらいながら「僕なんかが代表でいいのかな……」と謙虚に言葉を発した。

 答えはもちろんイエスだ。この厳しいトーナメントを、幾多の強豪たちを相手に勝ち上がったのだ。日本代表の座は間違いなくあなたにこそふさわしい。

 森山 真秀、決勝戦進出&ワールド・マジック・カップ出場権獲得おめでとう!

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RESULTS

対戦結果 順位
最終
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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