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グランプリ・京都2016
準決勝2:チーム 原根/松本/平見 vs. チーム 行弘/北原/山本
By Sugiki, Takafumi
グランプリ・京都2016も残るは4チームのみ。いずれも実力実績とも申し分無いチームが勝ち残った。スイスラウンドを2位で通過した、行弘/北原/山本の「Kenkenbaaaa」と3位で通過した原根/松本/平見の「勉強になったでしょ?」が準決勝で対戦することとなった。
グランプリ・京都2016も残るは4チームのみ。いずれも実力実績とも申し分無いチームが勝ち残った。スイスラウンドを2位で通過した、行弘/北原/山本の「Kenkenbaaaa」と3位で通過した原根/松本/平見の「勉強になったでしょ?」が準決勝で対戦することとなった。
ドラフトの席順は、原根→山本→松本→行弘→平見→北原→(原根)。チームグランプリトップ4のドラフトはこのように、それぞれのチームのメンバーが交互に座って行う。まずはその様子を、松本 郁弥のピックを中心に概観してみよう。松本の『異界月』の1パック目は以下のように進んでいった。
- 1-1:《粗暴な協力》
単純にパックに入っている一番強いカードを選ぶ。
この時点で白の流れはよく、白はほぼ確定といったところであろうか。一方、赤の流れは悪く感じ、上に座る山本が赤を取っている可能性は限りなく高い。
白いめぼしいカードが無いため、赤にもう少しこだわるのか、ほかの色に渡りをつけるかを悩む。結果、青に渡りをということで《巧妙なスカーブ》をピック。
- 1-5:《月皇の外套》
これで、白は確実に使用することが決定。もう一色のカラーリングを模索していくことになる。これまでの流れからすると、赤以外の3色のいずれかというところであろうか。
ここはかなり悩んで《狼族の絆》をピックし、緑にも渡りをつける。
- 1-7:《森林の巡回者》
この時点で松本の方向性は、白緑に固まってきているようだ。
この時点で白緑は確定と言っても良いだろう。
- 1-11:《無害な申し出》
1パック目終了時点での各プレイヤーのカラーリングは、原根(赤黒)→山本(白赤)→松本(白緑)→行弘(青)→平見(青赤)→北原(白緑)といった並びになっている。並びだけを見れば、上が十分に空いている原根、行弘、北原あたりが強力なデッキを仕上げる可能性が高そうだ。
ここは自身のデッキを強くするより、カットになるピックをした。チーム戦ドラフトでは、両隣が相手チームプレイヤーであることより、カットの重要性がより高まるのだ。
- 2-2:《猛々しい狼》(《ヴィルディン群れの除けもの》)
残念ながら、白緑デッキに入るカードは何も入っておらず、赤いビートダウンデッキの中核になる《猛々しい狼》をカットすることとなった。いくらカットの重要性が高いと言っても、2-1,2-2と2連続でカットとなるのは少々つらいものがある。
その後の松本のピックは、
と続き、これまでに取ったエンチャント・カードとのシナジーを加点しても、正直なところぱっとしない。
- 2-5:《首絞め》
《首絞め》が流れてきたことは嬉しいが、ここまでの流れが悪すぎるというのが正直なところだ。
2パック目を終えた時点でも、各プレイヤーのカラーリングは変わらず、松本は北原と白緑の同型対決をすることになりそうだ。松本は、3パック目の『イニストラードを覆う影』でも、爆弾レアをピックすることはなく、苦戦が予想されるドラフトを終えた。
各プレイヤーのデッキリストはこちらのページでご覧いただける。
B卓 松本 vs. 北原 ゲーム1
北原が、《単体騎手》、《ナッターノールズの隠遁者》と展開するのに対して、松本も《首絞め》、《永遠の災い魔》、《単体騎手》と盤面を広げていく。
4ターン目に北原が呪文をプレイしなかったため、《ナッターノールズの隠遁者》は《ナッターノールズの一匹狼》へと変身を遂げており、その攻撃が通ることで松本のライフが17となるのが、最初のライフの推移。北原は《勇敢な先導》を盤面に追加する。
松本も《永遠の災い魔》で攻撃をし、《勇敢な先導》にブロックされたところで、《永遠の災い魔》に《今夜を生き延びる》をプレイ。厄介な《勇敢な先導》を戦場から排除する。
対する北原は、再度《ナッターノールズの一匹狼》で攻撃し、松本のライフが14。《シガルダ教の僧侶》を盤面に追加し、局面を引き寄せる。松本は流石にそれを許さないとばかりに、《狂気の一咬み》で《シガルダ教の僧侶》を除去しにいくが、北原は《忌の一掃》で《シガルダ教の僧侶》を守る。
こうなると、ゲームは完全に北原ペース。《霊体の予備兵》で航空戦力も追加し、攻撃の手を緩めない。北原が、そのまま《霊体の予備兵》からのスピリット・トークンで殴りきり、1ゲーム目は、北原が先取した。
松本 0-1 北原
北原 寛章 |
A卓 原根 vs. 行弘 ゲーム1
原根の《吸血鬼の殺し屋》に対して、行弘が《巧妙なスカーブ》を立たせる立ち上がり。《吸血鬼の殺し屋》は潜伏を持っており、《巧妙なスカーブ》ではブロックできない。そのため、行弘は打ちたくは無いがといったところであろう《餌食》で《吸血鬼の殺し屋》を除去する。
行弘の《巧妙なスカーブ》が攻撃し行弘、原根ともライフが18。ここで原根が盤面に追加したのが《ファルケンラスの後継者》。行弘はなおも《巧妙なスカーブ》を《ファルケンラスの後継者》に向かって突っ込ませる。そしてパンプアップ能力を使い、4点のダメージを与える。
原根 健太 |
対する原根は《ファルケンラスの後継者》で攻撃をするのみでターンを返す。原根の手札には赤いカードがたくさんあるのだが、《山》を引いていないためプレイができないのだ。しかし、その手札の中には《マウアー地所の双子》も含まれており、《巧妙なスカーブ》が次のターンも攻撃して来れば、一方的に討ち取れる可能性がある。そういった面では、片方の色が出ないため展開ができないというのは不自然さが無い。
行弘は原根の上家でピックをしていた北原に、《マウアー地所の双子》を流していないか確認をとった上で、《巧妙なスカーブ》を攻撃に繰り出す。ここで原根は当然《マウアー地所の双子》のマッドネス宣言。行弘の《巧妙なスカーブ》は討ち取られ、《ファルケンラスの後継者》は《夜陰の後継者》へと変身する。
行弘はめげずに《憑依された死体》とプレイ、さらに《憑依された死体》を生け贄にしての《不憫なグリフ》現出と続け盤面をイーブンに保つ。
しかし、原根はブロッカー十分な行弘に対して、《夜陰の後継者》、《マウアー地所の双子》で攻撃する。盤面だけで見れば、《夜陰の後継者》が《不憫なグリフ》に討ち取られ、もったいない交換が発生する。
行弘はこの原根の攻撃を、戦闘を有利にするコンバットトリック呪文を手札に持っているからこそであると読み、ブロックはしない。これで行弘のライフが10、原根のライフは14となる。原根が《信者の杖》をさらに盤面に追加し、《マウアー地所の双子》、《夜陰の後継者》のパワー/タフネスを押し上げて、そのまま押し切るプランも視野に入ってきた。
行弘は《行方不明》で《夜陰の後継者》を原根のライブラリーの上に戻し、4点の攻撃。《行方不明》は土地の色が揃っていない原根にとっては痛い呪文だ。しかし、原根の手札には押し切るだけの十分なカードがあった。まずは《マウアー地所の双子》で攻撃をした後、《集団的蛮行》で赤いカードを手札から2枚捨て、全増しモードでプレイ。スピリット・トークンを除去し、2点ドレイン、行弘の手札の安全確認を取る。これで、行弘5に対して原根は12。もう一息で押しきれる。
そして原根は待望の《山》を引き込む。チャンドラ・ナラーの「すごいわね。」の《錬金術師の挨拶》によって《不憫なグリフ》は墓地へ行き、装備の着いた《マウアー地所の双子》と《夜陰の後継者》の攻撃で原根の勝ちはほぼ決定的に。
この盤面をひっくり返せるカードを引かなかった行弘はカードを片付けた。
原根 1-0 行弘
C卓 平見 vs. 山本 ゲーム1
C卓の平見vs山本戦は、中盤を迎え山本が《シガルダ教の僧侶》が平見のブロッカーをタップさせながら、細かなクリーチャーでダメージを積み重ねる。平見のライフはすでに8まで落ちている。
平見 友徳 |
平見は念願の《もう一人の自分》をプレイし、盤面を作ろうとするが、山本が《シガルダ教の僧侶》が丁寧にブロッカーを排除することで1ゲーム目は山本が先取した。
平見 0-1 山本
山本 賢太郎 |
A卓 原根 vs. 行弘 ゲーム2
原根のデッキは綺麗な吸血鬼デッキ。《吸血鬼の殺し屋》、《甘やかす貴種》と展開し、行弘の《波止場の潜入者》は《流電砲撃》で除去するという完璧な立ち上がり。行弘は3ターン目に何も展開できなかったのも痛い。
原根は《吸血鬼の殺し屋》、《甘やかす貴種》での攻撃の後《吸血貴族》を盤面に追加。対する行弘はようやく4ターン目に《悟った狂人》でブロッカーを用意する。
しかし原根は追加のプレッシャーとして《ファルケンラスの後継者》を追加し、《吸血鬼の殺し屋》で攻撃。これを行弘がスルーし、ライフは行弘16に対して、原根が23。ここで行弘は土地が止まってしまい動くことができずターンを終了。
原根の攻勢はさらに強まり、《闇の救済》で3/2エルドラージ・ホラー・トークンを除去して全軍突撃。ここで行弘は待ってましたとばかりに《溺墓のビヒモス》を現出でプレイし、《ファルケンラスの後継者》をブロック。だが行弘のライフは11まで落ち込んでおり、依然として行弘にとって辛い状況は変わらない。
行弘 賢 |
行弘が《憑依された死体》でスピリット・トークンを出し盤面を固めようとしたところで、原根は再度《吸血鬼の殺し屋》だけで攻撃。行弘がスピリット・トークンでブロックをしたところで、原根は《闇の救済》から出したゾンビを生け贄にして《甘やかす貴種》の能力を使い、吸血鬼全てに+1/+1カウンターを置く。
このままでは。吸血鬼軍団に殴りきられてしまう行弘ではあるが、5枚目の土地を引けず、《巧妙なスカーブ》を出してターンを終了。
ここで、原根は少考の後、《血の霧》を盤面に出し、4/3になっている《吸血貴族》で攻撃。これには行弘は《溺墓のビヒモス》を失うわけにはいかないため、《憑依された死体》のチャンプブロックで耐えるしかできない。
ようやく5枚目の土地を引いた行弘が2マナを残して追加のブロッカーを出すが、原根はお構いなしに、二段攻撃をつけた《吸血貴族》と《吸血鬼の殺し屋》で攻撃。たまらず行弘はそれぞれを《溺墓のビヒモス》と《吸血鬼の殺し屋》でブロックするも、そこで原根が《甘やかす貴種》の能力を2回使い、《溺墓のビヒモス》は相討ちに。《巧妙なスカーブ》は一方的に討ち取られ、原根の盤面にクリーチャーが2体に対し、行弘の盤面には、クリーチャーが何もいない状態となる。
《霧歩き》、《歓喜する信者》、《行方不明》で延命を試みるが、行弘のデッキ自体に根本的に解決する手段がほぼ無い。そのまま原根が押し切って貴重な1勝を挙げた。
原根 2-0 行弘
C卓の2本目は平見が飛行クリーチャーで殴りきり、3本目に入っている。
B卓 松本 vs. 北原 ゲーム2
松本の《単体騎手》で幕を開けた2ゲーム目。北原は《ムーアランドの流れ者》をブロッカーとして用意し、松本の《血茨》に対しても《小村の隊長》を用意。
松本は《武器庫の開放》で《月皇の外套》を手札に加え、《単体騎手》とのプチコンボ。北原のライフは17となり、終了ステップ開始時に《単体騎手》は《同体騎手》へと変身する。
ターンが返ってきた北原は《シガルダ教の僧侶》を盤面に出し、《同体騎手》の攻撃は1回受けるのみに抑える算段だ。とはいえ、6点の一撃は重く、松本のライフが29に対して、北原のライフが11。
松本 郁弥 |
6/6の《同体騎手》の攻撃に対して、北原はブロッカー4体でチームブロックから、またも《忌の一掃》で討ち取り、これで一気に盤面は北原に傾く。
松本は《鉄覆いの処刑者》で《月皇の外套》を回収して、強引に押し切るプランを模索するが、北原は《霊体の予備兵》でブロッカーをしっかり用意する。
とはいっても、松本はこれ以上ゲームが長引くと、盤面が北原にどんどん傾いていくため、意を決してのフルアタック。しかし、北原は冷静にブロックをし、盤面の優位を保ったまま松本の脅威を減らしていく。北原の《支配の天使》がブロッカーとして立ちはだかり、盤面は完全に北原が支配している。
松本は《狼族の絆》を《月皇の外套》のついた《鉄覆いの処刑者》につけ、一点突破を狙うも、北原の場にあるスピリット・トークンが順にチャンプブロックをできる状況であり、攻撃に行くことはできない。
この時点で、C卓は山本が勝利し、マッチの行方は、北原がライフ8に対して松本がライフ7と終局の近い対戦に委ねられることとなった。
北原は行弘と入念な相談のうえ、《シガルダ教の僧侶》で狼・トークンをタップさせての全軍攻撃。対応する術を持たない松本は手札を公開し、右手を差し出して投了の意を示した。
松本 0-2 北原
Kenkenbaaaaが決勝進出!
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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