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グランプリ・京都2016

観戦記事

第14回戦:チーム 丸尾/山上/石丸 vs. チーム 小澤/村上/齋藤

By Hiroshi Okubo

 いよいよ最終ラウンドを迎えたグランプリ・京都2016は、最終ラウンド開始時点でIDできる卓がないという激戦だった。

 もちろんテキストカバレージもバブルマッチを扱わせていただくことになった。両者譲れない一戦、果たしてどちらのチームが勝利を収め、トップ4への望みを掴み取ることができるのか――?


チーム 丸尾/山上/石丸(写真左) vs. チーム 小澤/村上/齋藤(同右)

試合展開

A卓 ゲーム1

 先行の丸尾は1ターン目に《穢れた果樹園》をタップインしつつ、2ターン目に《墓所破り》。3ターン目にその能力を起動しつつ、4ターン目に《戦墓の巨人》をプレイするという構築級の滑り出し。

 対する小澤は少し初動が遅れて《捨て身の歩哨》、《逸脱した研究者》とプレイしていくが、この《逸脱した研究者》は即座に《死の重み》で除去されてしまい、さらに《ガヴォニーの不浄なるもの》までも戦線に追加され、《墓所破り》によってドローされる。

 やりたい放題という表現がぴったりな圧倒的な盤面だが、小澤は冷静に《巧妙なスカーブ》をプレイしつつ《抗えない抑止》でトークンを処理したうえで丸尾の手札を減らし、《天使の粛清》で《墓所破り》を除去する。

 厄介なドローエンジンを除去したことでようやく小澤にも巻き返しのチャンスが訪れる。丸尾がダメ押しとばかりに《完成態の講師》をプレイして攻撃をしかけるが、涼しい顔で《神聖な協力》。青白は色の性質上システムクリーチャーの除去には腐心するが、戦闘を行ってくれれば対処はそこまで困難ではないのだ。

 さらに《罪からの解放者》をプレイして《捨て身の歩哨》を生け贄に捧げることで都合2体のエルドラージ・ホラー・トークンを生み出すと、歴然の差がついていた盤面を五分五分まで持ち直す。

 だが、丸尾の戦場にいたシステムクリーチャーは《墓所破り》だけではない。小澤が必死に体勢を立て直している間にも、ゾンビ・クリーチャーを唱えて《戦墓の巨人》によって次々にトークンを生み出し、次々に攻撃に向かっていく。

 最後に丸尾がダメ押しの《墓後家蜘蛛、イシュカナ》までをも戦線に追加すると、小澤は膝を屈するのだった。

丸尾 1-0 小澤


石丸(左)/山上(中央)/丸尾(右)
A卓 ゲーム2

 小澤は1マリガン後、1ターンから《スレイベンの検査官》、続けて手掛かり・トークンを生け贄に捧げてドローを得て、3ターン目には《捨て身の歩哨》と好調な滑り出しを見せる。

 対する丸尾は先ほど終ぞ除去されず小澤を苦しめた《戦墓の巨人》。小澤は今度こそこれに対処できるのか......?

 答はノーだったが、それは今回の小澤にとって大した問題ではなかった。《不憫なグリフ》、《霊体の予備兵》と航空戦力を並べ立て、《薬剤師の霊》でライフを回復しつつ空から不可避のクロックを刻む。

 空から次々にスピリットの猛攻を浴びて、ライフが5まで減らされてしまった丸尾。《墓後家蜘蛛、イシュカナ》をプレイし、昂揚達成ボーナスとして蜘蛛・トークンを得たことで体勢を立て直せるかのように思われたが、小澤は《魂の聖別者》によってさらに戦線を拡大したのち、《天使の粛清》×2!

 これによってブロッカーを排除し、全軍攻撃。丸尾のブロックも空しく《恩寵借用》までされてゲームセットを迎えた。

丸尾 1-1 小澤


小澤(左)/村上(中央)/齋藤(右)
A卓 ゲーム3

 B卓では村上が、C卓では石丸が勝利し、このマッチの決着はA卓で争う2人に委ねられた。

 互いにマリガンを選択した時点で、残る時間は6分を切る。急いで6枚のカードを引き直した2人は手早くキープを宣言し、先攻の丸尾が《療養所の骸骨》でクロックを刻み始める。

 対する小澤は《ぼろぼろの憑依者》、《霊体の予備兵》と航空戦力を用意して空から猛攻を加える。

 だが、ここで丸尾が粘りを見せる。《ぼろぼろの憑依者》に《生命の危機》、小澤がプレイした《魂の聖別者》には《殺害》を合わせ、《不憫なグリフ》を《悪意の調合》で除去すると、いよいよ小澤も息切れし始める。

 盤面が膠着しはじめ、丸尾のゾンビたちが小澤の猛攻を文字通り必死に食い止めていると、ジャッジが時間切れと追加ターンを告げる。《戦墓の巨人》がゾンビ・トークンを生成し始め、ついに小澤は丸尾を致死圏に落とし込むことはできずに引き分けることになった。

丸尾 1-1-1 小澤

 バブルマッチでまさかの引き分けが発生。どちらもトップ4進出にかける想いが強い分、どうしてもトスすることができなかった。誰も得しないじゃないか、と傍から言うのは簡単だが、実際にその場面に遭遇してみれば......グランプリトップ4進出をかけた戦いでは、なかなかトスなどできるものではない。

 あと一歩のところで丸尾を追い詰められなかった小澤は悔しそうに手札をテーブルに伏せ、天を仰ぎ、そして丸尾に笑顔を向けて「いいゲームでした、楽しかった」と語った。

チーム丸尾/山上/石丸 1-1-1 チーム小澤/村上/齋藤 Draw
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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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