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グランプリ・京都2015

観戦記事

第9回戦:八十岡 翔太(東京) vs. 小林 龍海(東京)

By 矢吹 哲也

八十岡 翔太(東京) vs. 小林 龍海(東京)

 初日最終戦を迎えたここで、フィーチャー・マッチの席につく両者。多くの相互作用があり、細かいプレイングが要求されるレガシーでの戦いは消耗も激しいことだろう。それでも最後まで緊張の糸を緩めるわけにはいかない。ここでもうひとつ勝利を重ね、明日に弾みをつけたいところだ。

 先週行われたプロツアー『タルキール龍紀伝』で準優勝を果たした八十岡 翔太が、勢いそのままに今大会でも勝ち続けている。プロツアーでの活躍により、次期シーズンでのプロ・プレイヤーズ・クラブ「プラチナ」レベルまであと一歩のところまで登った八十岡。このままその目標を達成し、さらにプロツアーで惜しくも得られなかった「優勝」の喜びをその手に掴むだろうか。

 八十岡の選択したデッキは青赤2色の「全知」デッキ。強力なドロー・カードが存分に使えるこのデッキを彼は見事に操縦し、ここまで全勝でこの初日最終戦に臨む。

 対する小林 龍海は東京で活動するレガシー・プレイヤー。15年以上にわたる長いキャリアの末に、ついに彼の「ホーム戦」が日本にやってきた。グランプリという輝かしい舞台で、この古豪は培った技術とデッキを手に次々と対戦相手を打ち破り、ここまで全勝を果たしてきた。

 小林の選択したデッキは青赤緑の「デルバー」デッキ。「使い慣れたデッキで戦いたかった。最近は『終わった』って言われることもあるんですけど、使ってみると『まだやれる』と感じて」と、小林はデッキ選択の理由を語る。

 全勝を維持するのはどちらかひとり。両者は丁寧にシャッフルを終えると、静かにゲームへ集中していく。


ゲーム展開

 動き出しは小林。1ターン目《敏捷なマングース》を繰り出すと、早速攻撃を始めた。対する八十岡は《渦まく知識》を2連打。2枚目には小林も一度動きを止めて考えるが、これを通す。八十岡のさらなる《思案》には《目くらまし》が差し向けられ、小林は迎えたターンに《タルモゴイフ》を追加して攻勢を続ける。


小さなアドバンテージとクロックを重ね、強敵とわたり合う小林。

 《衝動》でライブラリーを掘り進める八十岡。だが《敏捷なマングース》と《タルモゴイフ》のクロックは続き、残された時間は着実に減っていった。小林は《目くらまし》で八十岡の《時を越えた探索》を阻み、追撃をかけた。

 だが、序盤から強力なドロー・カードを駆使していた八十岡の手札にはゲームの決め手があった。満を持して放たれた《実物提示教育》が通り、彼は《全知》を戦場に繰り出す。

 一気に形勢が逆転した中で活路を探す小林だが、マナを支払わずに繰り出される打ち消し呪文とドロー呪文を前に膝を屈したのだった。


攻め立てられながらも冷静に勝ち筋を追う八十岡。

 八十岡は2ゲーム目も1ゲーム目と同様に《定業》、《思案》、《渦まく知識》とドロー・カードを重ねていく。一方、このゲームでマリガンを喫した小林は色マナに恵まれず、苦しい展開を強いられる。

これぞレガシー。珠玉のドロー・カードたち

 ようやく土地を引き込み、こちらも《渦まく知識》を唱えていく小林だが、序盤につけられたアドバンテージ差を埋めるのは困難だ。小林のターンの終わりに八十岡の手から放たれた《時を越えた探索》は《紅蓮破》でしのぎ、続けて繰り出された《若き紅蓮術士》には《稲妻》を差し向けるが、八十岡はこれを《Force of Will》。その後も《時を越えた探索》、《ギタクシア派の調査》と呪文を唱えるたびに、《若き紅蓮術士》がトークンを生み出していく。

 小林の《ヴェンディリオン三人衆》を巡る打ち消し合戦で八十岡はさらにエレメンタル・トークンを増やし、攻撃を続けた。有利を奪われた盤面を取り返す手立ては見出だせず、小林は最後のドローを確認するとカードを片付けたのだった。

八十岡 2-0 小林

 八十岡 翔太、初日全勝!

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