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グランプリ・神戸12

読み物

Round 11: 行弘 賢(和歌山) vs. 藤田 剛史(大阪)

By Ryouma Shiozu  公式での構築記事(MOでのコモン構築)を担当している行弘 賢。  初日を会心の全勝で折り返し、ドラフトも見せ付ける時が来たのだ!  ドラフトが始まる前にトップ8までの行程を訪ねると、以下のようなプランを筆者に教えてくれた。 「赤緑を決め打ちしたい、流れが悪くてできなさそうな場合は次点で白青かなと。理由としては流れてきやすいカード《野生の飢え》とかでデッキをまとめて、安定の2-1、2-1でトップ8ですね。」  実際の行弘のピックを見ていこう。  最初のパックは闇の隆盛。  ここで開示された狼男の中から、先日行われたプロツアーで一気に格を上げた《高原の狩りの達人》が下下に現れる。  一つ席が空いて強力な赤緑の狼男が出た為に、その上下の人間が赤緑を敬遠するだろうと判断し、完全に初手から赤緑に的を絞った行弘は《血の抗争》からスタート。  次手で早速選択肢となる《悲劇的な過ち》と《》、強い意志が見える。  2枚目となる《血の抗争》、《紅蓮心の狼》と続き、赤の流れがいいことを確信する。  そのままマナ粋を意識しながら、クリーチャーを集めてピックを続けていく。  優秀な狼男を多数抱えながら、更なる生物を集めていく行弘。  流れはいい、赤が空いているのは間違いないのだが・・・  戦闘をサポートするスペルが流れて来ず、切望していた《月霧》にはついに会えないまま全てのパックに目が通ってしまった。  最終的には、1マナ3体から始まる展開力と、卓に吸血鬼を集めていたプレイヤーがいなかったのか、なんと3枚も取れてしまった《自堕落な後継者》を《野生の飢え》、《夜鳥の手中》、3枚の《血の抗争》でバックアップする赤緑ビートダウン。  本人曰く「70点、2-1はできそう」とのこと。筆者としては途中に流れていった《継ぎ当ての翼》をピックしていれば、3体の吸血鬼ロードも活かせるし足りないバックアップの追加となるとは思われたが、果たして行弘の決意は結果にどう繋がるか。  森 勝洋を相手に1戦目を落としてしまった為、この第11回戦は目標であるスコア2-1を取るために負けられないマッチとなった。  相手は殿堂プレイヤー藤田だ。 Round 11  局地的に大量発生しているオレンジ色のTシャツをお互い身に纏い、デッキチェックの10分を挟んでいる間、上家の行弘、下家の藤田がドラフトの感想を述べ合う。  デッキチェックには問題無かったようで、隣でフィーチャーテーブルに座っている黒田 正城からダイスを借り、行弘の先手でゲームがスタート。
Game 1
行弘 賢
行弘 賢
 《》3枚、《》1枚、《血の抗争》《スカースダグの信者》《無謀な浮浪者》をキープした行弘。  頼りになる1マナの狼男から順調なスタートを切る。  対する藤田も静かにキープした7枚から、狼男の蹂躙をたしなめる為に《罪の重責》をプレイしてエンド。  2ターン目にはお互い何もプレイしないままとなったが、続く3ターン目に行弘の主戦力ともいえる《自堕落な後継者》が戦場へ。  藤田は展開ができないようで、狼男に罪の重荷を与える為の1マナを払うのみ。  そのまま次のターンに行弘が《スカースダグの信者》をプレイし、返しのターンで《平地》《平地》《》《》と並べたところで藤田は・・・ 「土地しか無いし!」  2本目の準備を始める。 行弘 1-0 藤田  青白に対するゲーム展開を見越して行弘は・・・ in → 《押し潰す蔦》 out → 《ラムホルトの古老》  勝つための一手を慎重に思案する。
Game 2
藤田 剛史
藤田 剛史
 今度は藤田の先手。  1ターン目から《秘密を掘り下げる者》でプレッシャーを掛ける。  返す行弘も順調なスタート、《アヴァシンの巡礼者》で構築界を駆け回る《秘密を掘り下げる者》に対抗する。  ゆっくりと楽しむようにトップを覗く藤田、しかしながら研究者は秘密にたどり着けない。  返しで後続の《小村の隊長》を展開し、順調に見えたが藤田の次の一手が行弘を悩ませる。  《スレイベンの破滅預言者》が行弘の破滅を預言する為に戦場に降り立ったのだ。  《血の抗争》が手札にあるのでいつかは対処が可能になるとはいえ、それまでに紡ぎ上げられる預言をのさばらせるわけにはいかない行弘。  《小村の隊長》で2/2となった《アヴァシンの巡礼者》と共にライフを攻め立てに行く。  預言者を操る藤田は土地に恵まれすぎてしまった1本目とは異なり、ここでセットランドができない。  後続として《上座の聖戦士》を出してエンド。  もう一手が欲しい行弘、トップからの《スカースダグの信者》で預言者が生き残るターンを告げる。  藤田のターン。  ここでライブラリートップから《熟練の突き》を提示し、《昆虫の逸脱者》でアタック。  更には《ランタンの霊魂》を展開し、死んでしまう《スレイベンの破滅預言者》の代わりとなる攻め手を用意する。  しかし《スレイベンの破滅預言者》自身の破滅は藤田の予想とは異なる形で告げられる。  《血の抗争》で破滅を知る者と秘密を掘り下げた者が同士討ちを遂げてしまう、二人は知りすぎたのだ。  そのまま序盤から行弘の場を盛り上げる2人の人間がダメージを稼ぐ、返しでも土地を引けない藤田は《肉屋の包丁》を出して飛行で行弘を攻めてエンド。  返しの行弘、攻撃の手を止めず、更には《自堕落な後継者》を追加。  藤田も4枚目の土地に辿りつき、《月鷺》を出して飛行勢力を増やす、行弘に楽をさせない、藤田のライフは9もあり、ブロッカーはトークンも含めて4体もいたのだ。  いたのだったが、ターンエンドに行弘がしっかりライフと場、手札を確認、《夜鳥の手中》を表、裏とプレイし、《小村の隊長》とそれによる+1/+1の補助を受けた《スカースダグの信者》、《アヴァシンの巡礼者》、2/2の《自堕落な後継者》がぴったり藤田の9点を削り、勝負あり。 行弘 2-0 藤田  しっかりとゲーム展開を見据え、ライフを詰めていった行弘が結果的にはあっさりと見えるものの、実際はタイトロープな道を渡りきったのだ。  藤田のブロックが1ターン早ければ、土地が1ターン早ければ、《スカースダグの信者》を引けなければ、様々な要因の中でよりよい選択肢をとり続けた成果である。  行弘の目標である『まずは』の2-1へリーチを掛けた。
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