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戦略記事

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

第52回:『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフト攻略

行弘 賢

 皆さんこんにちは!

 最近は東京でも雪が降ったりと非常に寒い日々が続いていますが、最新セットが発売した事でテンション爆上がり、そんな寒さも気にならなくなってきました。

 さて、今回も事前にMTGアリーナで『ファイレクシア:完全なる統一』でドラフトしてきましたので、そこで得た経験を皆さんに共有する記事をお送りしていきます。

 それでは、さっそく見ていきましょう!


 

1.『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフト環境のポイント

 『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフトは、『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフト・ブースター3パックを使用します。

one_draft_3packs.png
環境のポイント1:アーキタイプ環境

 この環境はカードとカードの相乗効果、いわゆるシナジー前提のカードが多く、特定のテーマ、すなわちアーキタイプに沿ってデッキを作る事が推奨されている環境です。

 その為、ただ単にスタッツ(マナ・コストに対するパワー/タフネス)が良いだけのカードは基本的にいつもより評価が下がります。デッキにはできるだけ全体とシナジーするカードを多く採用するように意識しましょう。

 どのようなアーキタイプが強力なのかは後の注目アーキタイプの項目で紹介するので、是非ご覧ください。

環境のポイント2:スマートにデッキを組む

 今回は毒カウンターを3つ乗せる事でボーナスがある「堕落」や、クリーチャー付きの装備品である「ミラディンのために!」でマナを毎ターン上手く運用できる事もあり、先手番の押し付けが強い環境です。先手番でいかにマウントを取るか、後手番でいかに返すかがゲームの焦点になってきます。

 その為マナカーブ順にカードをプレイする事が何よりも重要となるので、低マナ域をピックする事をいつも以上に意識し、デッキを3色以上に極力しないようにしましょう。

環境のポイント3:土地とうまく付き合う

 マナカーブを意識する都合で低マナ域を厚めにすると、今度は土地を多く引きすぎた時に手数が足りなくて負けてしまう現象が付きまとってきます。

 それをケアする為に《美麗聖堂》などの後でドローに変換できる土地サイクルや、余ったマナを有効活用できる装備品を採用する事で少しでも対応できるように気を付けましょう。

 高マナのカードが少ない場合は単純に土地を切り詰めるという手段もあります。その場合は《外科の頭蓋爆弾》などのドローに変わるカードを複数採用しているかも判断基準にしましょう。

 土地を切り詰める場合は中盤以降に高マナ域がプレイできなくなっては本末転倒なので、デッキのバランスを見て土地と上手く付き合うようにしましょう。 

 以上の3つのポイントを意識する事でデッキを作りやすくなると思うので、まずはこれらを意識してピックするようにしてみましょう。


 

2.『ファイレクシア:完全なる統一』収録メカニズムについて

 それでは続きまして、今回の新規収録メカニズムをおさらいしていきましょう。

毒性

毒性X(このクリーチャーから戦闘ダメージを受けたプレイヤーは追加で毒カウンターX個を得る。)

 毒性とは、毒性を持つクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えた際に毒性の数値分の毒カウンターをそのプレイヤーに与えるキーワード能力です。

 かつての毒を乗せるキーワード能力である「感染」はパワー分毒カウンターを与えていたのに対し、毒性は数値分だけしか毒を与えないので間違えないように注意しましょう。

 毒カウンターが10個以上乗っているプレイヤーはその時点で敗北となるので、ライフ以外の勝ち筋としても優秀です。

堕落

堕落 ― 対戦相手1人が3個以上の毒カウンターを持っているかぎり、~。

 堕落とは、対戦相手に毒カウンターが3つ以上乗っている時にボーナスを得るキーワード能力です。

 毒性や毒カウンターを直接乗せるカードで相手に毒を与える事で堕落を達成させる事ができます。堕落持ちは持っている状態とそうでない状態で強さが極端に変わるものも多いので、自分が堕落を使う場合は毒カウンターを乗せる手段をしっかり用意しましょう。

油カウンター

 油カウンターとは、単体では特に効果が無いカウンターですが、油カウンターを参照とするカードにより効果を発揮するカウンターです。

 油カウンターを取り除く事で効果を発揮したり、油カウンターが載っているカードを参照して効果を発揮したりと、多様な使い方ができます。このセットでは油カウンター以外にはプレインズウォーカーの忠誠値しかパーマネントにカウンターが乗らないので、カウンターは基本的に全部油カウンターと覚えておきましょう。

増殖

増殖を行う。(望む数のパーマネントやプレイヤーを選び、その後、すでにそこにあるカウンター1種類につき、そのカウンターをもう1個与える。)

 増殖とは、増殖を行う事でカウンターが乗っているプレイヤーやパーマネントのカウンターを好きなだけ一個ずつ増やす事ができるキーワード能力です。

 毒カウンターや油カウンターなど、増殖は様々なカウンターのバックアップだけでなく、増殖した際に効果を発揮するカードも環境に存在するため、ただカウンターを増やすだけでなくアーキタイプとしても存在する事を覚えておきましょう。

ミラディンのために!

ミラディンのために!(この装備品が戦場に出たとき、赤の2/2のレベル・クリーチャー・トークン1体を生成し、その後これをそれにつける。)

 ミラディンのために!は、ミラディンのために!を持つ装備品が場に出た際に赤の2/2のレベル・クリーチャー・トークン1体を生成し、その装備品をつける、装備品が持つキーワード能力です。

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 実質クリーチャーに装備品が付いてくる能力なので単純に強力なのですが、それだけでなく、クリーチャー以外の呪文で能力が発動するカードやアーティファクトを参照するカードなど、様々なカードと相性が良いです。


 

3.『ファイレクシア:完全なる統一』トップコモン&アンコモン

 さて、続きましては各色のトップコモン・アンコモンを見ていきましょう!

白・アンコモン

別館の歩哨》:クリーチャー除去だけでなく、毒性を持つので毒のアーキタイプと相性が良く、更にはアーティファクトなのでアーティファクトシナジーもある優秀なクリーチャーです。

呪い金の浮遊翼》:単純換算で自身が4マナ3/2飛行なだけでなく、装備クリーチャー全体にパンプ(サイズアップ)能力を付与する環境屈指の装備品です。

骨化》:エンチャント除去が少ない環境なのでほぼ無条件で追放除去ができる環境屈指の除去です。

白・コモン

信念堅い決闘者》:毒性持ちかつ先制攻撃により攻撃性が高い、白の攻めの軸となる優秀なクリーチャーです。

肉剥ぎの猛禽》:自身が毒性持ちの飛行と優秀なだけでなく、出た際にクリーチャーを飛ばす能力で毒性持ちクリーチャーをサポートする事もできる毒のアーキタイプにおける重要なクリーチャーです。

次元の撹乱》:幅広い範囲を除去できる、コモン屈指の除去です。

青・アンコモン

タミヨウの固定器》:4回と限りあるタップ能力ですが、増殖でカウンターを増やす事もできるので非常に使いやすいアーティファクトです。

底引き漁のドレイク》:自身の能力によりどんどんサイズアップするだけでなく、増殖のカードと組み合わせると一気にサイズアップする、青のフィニッシャー的存在です。

アンクタスの改良者》:自身が毒性持ちと毒のアーキタイプでも活躍できるだけでなく、アーティファクトを軸にしたアーキタイプでも無類の活躍を見せる優秀なクリーチャーです。

青・コモン

眩惑の妙薬》:ダブルシンボルこそ厳しいものの、増殖つきの除去なので青のアーキタイプにおいて重要なエンチャントです。

胆液の合成者》:増殖持ちの呪文と組み合わせると、見た目以上に簡単に条件を達成できます。序盤は壁役として中盤以降は安定したクロックとして活躍する優秀なクリーチャーです。

ギタクシア派の猛禽》:攻める際は継続して打点を与える事は難しいものの、油カウンターを使った能力でサイズを可変する事で、ブロッカーとしての性能が非常に高い優秀な飛行クリーチャーです。

黒・アンコモン

屍賊起こしの聖騎士》:毒性2に4/4と標準的なスタッツを持ちながら、クリーチャー回収でアドバンテージを稼げる優秀なクリーチャーです。

胆液まみれ》:高い性能の除去かつ増殖と、あらゆるアーキタイプで重宝する優秀な除去です。

多汁質の頭蓋住まい》:1ターン目から毒性で毒を与える事ができるだけでなく、いつ引いても接死として役割を果たす事ができる優秀な毒性持ちクリーチャーです。

黒・コモン

苦痛ある選定》:毒を与える事に長けている黒ならば堕落の達成もたやすく、堕落してなくても普通に強力な使い勝手の良い除去です。

腐り腹のネズミ》:毒性持ちかつ死亡時の増殖で、一体で堕落達成を早期ターンに見込める優秀な毒性持ちクリーチャーです。

有刺巣主》:相打ち性能が高いスタッツかつ、死亡時のダニ生成能力で継続的に盤面にプレッシャーをかける事ができる、毒のアーキタイプにおいて屋台骨を支えるクリーチャーです。

赤・アンコモン

呪い金の矛槍》:安定した2マナ域かつ、攻撃時の性能の高さはあらゆるターンで嬉しい優秀な装備品です。

一斉蜂起》:5点と広い範囲をインスタントで除去できるだけでなく、装備品でコストも軽くなる環境屈指の除去です。

ウラブラスクの選定師》:油カウンターを使ったアーキタイプ限定の強さとはなりますが、除去や本体の詰めに使える優秀なクリーチャーです。

赤・コモン

逆棘の叩拳》:2マナ3/1相当のクリーチャーかつ、装備品の装備コストが軽い為他に付け替えて2/2にも振舞える、非常に優秀な装備品です。

焼炉の徘徊者》:4/5速攻と単純にアタッカーとしての性能が高いだけでなく、後続も速攻にできる優秀なクリーチャーです。

呪い金の斬撃》:1マナと軽く、毒性持ちの高マナ域のカードも除去できる環境屈指の除去です。

緑・アンコモン

硬化した屑鉄喰らい》:好きな色マナが出る優秀なマナ・クリーチャーとしての性能だけでなく、途中からは3/3と優秀なサイズにもなる強力すぎるクリーチャーです。

進化する適応体》:クリーチャーを出す度にどんどんサイズがあがっていく優秀な1マナ域なのですが、増殖や油カウンターを直接載せる事でサイズを上げる事もできる、1マナながらフィニッシャークラスの活躍が見込めるカードです。

伝染する一噛み》:インスタントの除去かつ毒カウンターも乗せる事ができる、優秀な除去です。

緑・コモン

無情な捕食》:サイズアップしつつ格闘できる、コモンとは思えない優秀な除去です。

格子刃のカマキリ》:油カウンターを参照するカードと相性が良く、アタッカーとしての性能も高い優秀なクリーチャーです。

伝染病のヴォラック》:3/3と非常に優秀なスタッツを持ちつつ、アドバンテージを稼いだり増殖したりと3マナの仕事としては破格すぎる性能を持つ環境屈指のコモンクリーチャーです。


 

4.『ファイレクシア:完全なる統一』ドラフト注目アーキタイプ

 続きまして、『ファイレクシア:完全なる統一』の注目アーキタイプを紹介していきます。

注目のアーキタイプ・その1:白青アーティファクト

 「白青アーティファクト」は、《マルカトールの眼》や《頭足類の歩哨》などのアーティファクトと相性が良いカードを、アーティファクトを継続的にプレイしバックアップしながら戦うアーキタイプです。

 《マルカトールの眼》の性質上受けに回る事ができず基本的にダメージレースする事になるので、相手より早く勝つ事が求められます。そのため、いかに毎ターンアーティファクトを出すか、それらのアーティファクトでダメージレースをするかを考えて戦う必要があります。

 《別館の歩哨》や《タミヨウの固定器》など相手に干渉するアーティファクトは貴重なので、できるだけ優先してピックしましょう。

 また、青を軸としたアーキタイプなので、白以外にも赤と組み合わせて各種装備品でアーティファクトを補完するパターンもあります。

注目のアーキタイプ・その2:白黒堕落

 「白黒堕落」は、序盤から毒性を持つカードで攻め立ていち早く堕落を達成し、中盤以降は達成した堕落カードのカードパワーで圧倒するアーキタイプです。

 堕落を達成させるために《信念堅い決闘者》や《腐り腹のネズミ》などの軽量毒性持ちクリーチャーと、それをバックアップする《肉剝ぎの猛禽》が一番綺麗な流れとなるため、これらは意識してピックしましょう。

 またせっかく堕落しても強力な堕落持ちカードが無いと毒で攻める意味合いが半減してしまうため、強力な堕落カードである《生体解剖の福音者》や《苦痛ある選定》は最優先でピックしましょう。

 毒による勝利だけでなく、堕落だけ達成させて《貪欲な屍巨人》などの強力なスタッツのクリーチャーに繋げる動きも強力なので、毒にこだわりすぎて線の細いクリーチャーばかりにならないように気を付けましょう。

注目のアーキタイプ・その3:緑白毒性

 「緑白毒性」は、白と緑の毒性を持つクリーチャーを参照としたカードで毒性持ちクリーチャーをバックアップしながら攻め立てるアーキタイプです。

 緑と白は堕落のカードが黒に比べ強力でないため、一見毒のバリューが少なく感じますが、毒性を持つカードをバックアップしながら戦う事に長けている色の組合せです。

 緑は黒と比べスタッツが良い毒性クリーチャーが多い為、それらを《磁器の盲信者》や《肉剥ぎの猛禽》でバックアップすれば継続的に攻め続ける事ができます。

 マルチカラーである《殺戮の歌い手》は実質2マナのロードであり、緑白へ行く決め手となるクリーチャーですので最優先してピックしましょう。

注目のアーキタイプ・その4:赤白装備

 「赤白装備」は、ミラディンのために!を持つ装備品を軸に、装備品と相性の良いカードを組み合わせて継続的に攻め立てる事ができるアーキタイプです。

 ミラディンのために!を持つ装備品はどれも2枚分の働きをする単純に強力なものばかりなので、これら装備品をピックしながら《刃継ぎの有貌体》や《呪い金の浮遊翼》などの装備品とシナジーするカードを優先してピックしましょう。

 《刃砦の戦鞭》は環境屈指のカードパワーを誇るマルチカラーのカードなので、赤か白を軸にドラフトしてる際に流れてきた場合はこちらから赤白に参入すると良いデッキになりやすいです。

注目のアーキタイプ・その5:青赤油

 「青赤油」は、青と赤の油カウンターを持つカードやクリーチャー以外の呪文を唱える事で油カウンターが乗るカードを増殖でバックアップしながら戦うアーキタイプです。

 青赤においてキーとなるクリーチャーは《胆液の合成者》で、《電位の負荷》などの増殖カードで比較的早いターンに3/3の継続的クロックへと変貌する事ができます。

 赤のミラディンのために!を持つ装備品はクリーチャーカウントながらクリーチャー以外の呪文として扱うため、クリーチャー以外の呪文を唱える事で油カウンターが乗るカードとの相性が良いです。

 青赤はアーティファクトを軸にしてもアーキタイプとなるため、どっちつかずにならないように注意したいですね。

注目のアーキタイプ・その6:赤緑油

 「赤緑油」は、赤と緑の油カウンターを持つカードと、油カウンターが置かれているカードを参照するカードとのシナジーで戦うアーキタイプです。

 青赤油と違う点は、赤緑は油カウンターの数ではなく、油カウンターを持つパーマネントを参照するカードが多い点です。そのため増殖に大きなバリューはなく、青赤よりも増殖カードの評価は下がります。

 赤と緑の低コストの油カウンターを持つクリーチャーから《カルドーサの哄笑者》や《燃えがら斬りの荒廃者》に繋げる流れが重要なため、できるだけクリーチャーは油カウンターが絡んだカードにしましょう。

 また、油カウンターを持つクリーチャーを戦場に残し続けないといけない性質上クリーチャーの相打ちが難しいアーキタイプなので、相手の攻めをいなせる《呪い金の斬撃》などの軽量除去は優先してピックしましょう。


 

5.最後に

 これで今回の記事は終わりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。

 今回は白赤装備品と赤緑油が個人的に安定して勝てるアーキタイプで環境の導入としてこの2つから始めるのがオススメです。

 装備品の運用や毒を巡る攻防がいつも以上にコンバット(戦闘)が楽しいと感じるのでぜひ皆さん遊んでみてください!

 それでは皆さん、また次回の連載記事でお会いしましょう!

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