READING

戦略記事

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第9回:『ゲートウォッチの誓い』発売直前!新環境ドラフト攻略

行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第9回:『ゲートウォッチの誓い』発売直前!新環境ドラフト攻略

 皆さんこんにちは! 待ちに待った『ゲートウォッチの誓い』の発売もすぐそこまできましたね! やはり新エキスパンションの発売が近づくと、ワクワクが収まりません!

 前回の記事の最後でプロツアーの権利獲得頑張りますと言いましたが、結局権利獲得できませんでした!応援してくださった皆さん申し訳ございません。

 暫定ではありますが、今回はグランプリ・名古屋2016が発売翌週に開催されますので、答え合わせ編はグランプリ・名古屋2016の僕の参加体験と、プロツアー『ゲートウォッチの誓い』でのプロプレイヤーのピックを参考に、答え合わせしていこうと思います。

 今回も引き続き「新環境リミテッド:発売前ファーストインプレッション」と、「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」の2本立てで、今回は前編です。基本的にはブースタードラフトに関する内容の記事とはなりますが、カードの評価などはシールドでも応用できる点もあるかと思いますので、リミテッドが好きな方のお役に立てたらと思います。

 それでは、まずは新環境のファーストインプレッションから見ていきましょう!

1.環境の変化~『ゲートウォッチの誓い』参入後のドラフト~

 『ゲートウォッチの誓い』参入後のドラフトは、『ゲートウォッチの誓い』→『ゲートウォッチの誓い』→『戦乱のゼンディカー』と開封するドラフトです。同じ戦乱のゼンディカー・ブロックのドラフトですが、前環境のドラフトと共通の『戦乱のゼンディカー』を最後に開封と、まったく別の環境になったと言えるでしょう。

ファーストインプレッション

 今回の『ゲートウォッチの誓い』のカードリストを見たファーストインプレッションは、以下の4点です。

  • システムクリーチャーの種類が多く、システム環境になりそう
  • 除去が強くなった
  • {C}マナのカードが強いので使い得
  • 「怒濤」「支援」というテンポが良い能力により、強力なビートダウンが組めそう

 順番に解説していきます。

システムクリーチャーの種類が多く、システム環境になりそう

 欠色クリーチャーが{C}マナの起動能力を多く持ち、同盟者のキーワード能力が起動型能力の盟友を持っているので、システムクリーチャーが普通の環境よりも多くシステムクリーチャーが活躍する環境になりそうです。

除去が強くなった

 前環境は、除去の幅が制限されていない、いわゆる完全除去はほとんど存在しない環境でした。ですが、ゲートウォッチの誓いではコモンに《孤立領域》と《忘却の一撃》の2枚の完全除去が存在し、赤にも強力な《巨岩投下》、青には優秀なバウンスである《掃き飛ばし》と、覚醒付き除去よりも除去としての性能は向上しています。

 除去が強くなったことで、レア以上の強力なクリーチャーや、巨大なエルドラージクリーチャーを除去できるケースが増えます。

 すると、強力なカード1枚で勝ったり負けたりするケースも少なくなり、ゲームが長引くので、カード1枚の質よりも、デッキ全体の完成度が重要となりそうです。

{C}マナのカードが強いので使い得

 {C}マナは調達するのが普通の色マナに比べ難しいので、{C}マナを使うカードは基本的に強力なものが多いです。

 なので、{C}マナを使える構成にしておかないと、対戦相手だけに強力な{C}マナを使うカードを使われてしまい損をするので、できる限り{C}マナを使えるようにしておいた方が良さそうです。

「怒濤」「支援」というテンポが良い能力により、強力なビートダウンが組めそう

 怒濤は1ターンに2アクション以上することでコストを軽減してプレイすることができるので、軽い構成のデッキを目指すことになります。一方支援も、支援する際に戦場にクリーチャーが並んでいないと効果を上手く発揮できないので、1~3マナ域のクリーチャーを重要視します。

 つまり、「怒濤」「支援」は軽いクリーチャーをバックアップする能力なので、軽いクリーチャーからビートダウンするアーキタイプと相性が良く、これらのキーワード能力を上手く組み込んだビートダウンは非常に強力な可能性が高いです。

 

 ここまでがカードリストを見た最初の感想です。

 最初に書いたとおり、今回は『戦乱のゼンディカー』のパックこそ含んでいるものの、前回の環境とはまったく違う、ほぼ新しいブロックのドラフトと言えます。

 

 さて、次は『ゲートウォッチの誓い』の新キーワード能力について見ていきましょう。

2.新キーワード能力について

支援

支援Xを行う。((他の)クリーチャーを最大X体対象とし、それらの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。)

 

 支援は、クリーチャーに+1/+1カウンターを乗せて強化する能力です。

 支援持ちクリーチャーはクリーチャーをバックアップしつつ、盤面にクリーチャーを追加できるので、テンポを大きく得ることができます。

 クリーチャーが支援を持つ場合は、自身には乗せられないので注意してください。

盟友

盟友 ― {T}, あなたがコントロールするアンタップ状態の同盟者を1体タップする:~。

 

 盟友は、自身と同盟者を1体タップすることで起動できる能力です。

 能力を起動するために自身ともう1体の同盟者をタップしなくてはいけないので、攻撃するにはあまり向いていない能力です。逆に、守りながら起動するには非常に便利な能力なので、長期戦向けの能力といえます。

 自身とは別の同盟者は、戦場に出たばかりの、いわゆる召喚酔いの状態でもコストに充てることができます。

怒濤

怒濤[コスト](あなたかチームメイトがこのターンに他の呪文を唱えていたなら、あなたはこの呪文を怒濤コストで唱えてもよい。)

 

 怒濤は、1ターンに連続で呪文を唱えることで、通常コストよりも軽いコストでカードをプレイできる能力です。双頭巨人戦のようなチームメイトがいるフォーマットでは、自分だけでなく、チームメイトが呪文を唱えていても怒濤のコストで支払うことができます。

 怒濤のメリットはコスト軽減だけでありません。怒濤コストでプレイした場合に、ボ−ナスが付く《押し潰す触手》のようなカードも存在します。

 1ターンに2回以上カードをプレイしないと怒濤を達成できないので、怒濤カードをたくさん入れるとデッキの構成を軽くする必要があるため、構築が若干歪んでしまうのが玉にキズですが、2アクションが非常に強力なので、歪ませる価値はあります。

{C}マナ

({C}は無色マナを表す。)

 

 {C}は無色マナを生み出すカードでのみ支払えるコストです。有色マナを生み出す土地では支払うことができません。

 ドラフトにおいては、{C}マナを調達しつつ、{C}マナを使うカードをピックしなければいけないため多少難易度は高くなりますが、{C}マナのカードはどれも強力なので、狙えるなら積極的に狙っていきましょう。

 

3.『ゲートウォッチの誓い』の注目のカード

 さて、それではここからは色別、レアリティ別(コモン・アンコモン)で、僕が強力だと思うカード・トップ3を挙げていきたいと思います(3枚の中での順位はつけません)。皆さんも最初はカードの強さがいまいちよく分からないと思うので、ぜひ参考にしてみてください。

白・アンコモン

救援隊長》:最大3体のクリーチャーを強化し、自身も3/2という及第点のマナレシオを持つ、高速ビートダウンアーキタイプで最強クラスのアンコモンです。

鑽火の輝き》:攻撃クリーチャー条件ではあるものの、2マナで完全破壊はコストパフォーマンスが非常に良いです。

草原の滑空獣》:使えるアーキタイプが+1/+1カウンター絡みではありますが、巨大に育った地上クリーチャーに飛行と警戒を付与するのは強力です。

白・コモン

孤立領域》:クリーチャーだけでなく、何気にエンチャントも除去できます。追放除去なので、昇華者との相性も抜群です。

オンドゥの戦僧侶》:支援がある環境なので2マナ2/2というだけで価値が高いですが、さらにライフ回復のおまけ能力まであるので、非常に優秀な2マナ域です。

落とし子縛りの魔道士》:盟友のコストこそ重いものの、マナを使わないタッパーは強いです。

青・アンコモン

歪みの預言者》:強力なシステムクリーチャー。いったん戦場を膠着させれば、後はドローするだけの簡単なお仕事です。

竜巻の種父》:死亡時のおまけが3/3のクリーチャーを作り出す強力なもの。使い勝手の良い飛行クリーチャーです。

水脈の乱動》:テンポとアドバンテージを両方取れる、夢のようなカード。プレイできれば大抵の場をひっくり返すことはできるでしょう。

青・コモン

目潰しドローン》:本体が1/3とガッチリしたサイズ、かつ、タップのコストが{C}と軽いので、強力なシステムクリーチャーです。

ジュワー島の報復者》:怒濤コストでプレイすると強力な2アクションとなる優秀な飛行クリーチャーです。

耕作ドローン》:2/3とこれまたガッチリしたサイズかつ、捻出するのが難しい{C}のマナサポートをしてくれる、戦闘面、マナの面どちらでも頼りになる3マナ域です。

黒・アンコモン

闇の掌握》:{B}{B}のダブルシンボルを要求するので、メインカラー以外では採用が難しいですが、2マナの除去としては除去できる幅が広く、優秀です。

マラキールの占い師》:《吸血鬼の特使》と組み合わせると、実質ただでドローし放題となる、強力無比なシステムクリーチャー。サイズも良いので、ブロッカー・アタッカーとしても優秀です。

本質を蝕むもの》:{C}をコストにするので、1ターンに何回も起動するのは難しいですが、それでも2マナ1点ドレインはコストパフォーマンスが良すぎます。

黒・コモン

吸血鬼の特使》:盟友のお供として最適なクリーチャー。飛行1/4というサイズで3マナ域までの相手のクリーチャーをほぼシャットアウトできる壁性能の高さも目をみはるものがあります。

忘却の一撃》:4マナの完全除去で、さらに追放でもある、強力な除去です。

タールの罠》:3マナでタフネス2までしか除去できないので普通に使うと除去の幅が少し狭いですが、マイナス修整なのでコンバット・トリックとして使うこともできる、工夫次第であらゆる局面で活躍可能な除去です。

赤・アンコモン

食い荒らす炎》:土地を1つ手札に戻すだけで3マナ5点除去はコストパフォーマンスがいいです。土地が詰まった時にプレイすればメリットになるタイミングもあります。

怒りの具象化》:上陸時に3/3クリーチャーをターン終了時まで作り出す、ビートダウンのアーキタイプで強力なクリーチャーです。土地にトランプルが付くのを忘れずに!

抑圧的支配》:よくある《反逆の行動》枠ですが、5マナだけあって能力が強力。支援で膨れ上がったこちらのクリーチャーと、対戦相手の一番強いクリーチャーで攻められたら、普通はひとたまりもありません。

赤・コモン

巨岩投下》:怒濤コストが2マナで、達成できればコストパフォーマンスが良すぎる除去です。

ゴブリンの自在駆け》:こちらも怒濤コストが2マナで3/2威迫とコストパフォーマンスが良いクリーチャー。同盟者なのも嬉しいですね。

アクームの炎探し》:先にカードを捨てるので《マーフォークの物あさり》能力よりは弱いですが、余分な土地を捨てることができ手札の質を良くしてくれる、使い勝手の良いシステムクリーチャーです。

緑・アンコモン

産み落とす巨体》:エルドラージ・末裔・トークンを引き連れる能力と、自身を再生する能力がかみ合っており、一度着地したら地上を完全に制圧できる性能です。

洞察の具象化》:土地・クリーチャーが警戒を持つので、攻撃しつつマナを出すことができます。覚醒で永続的にクリーチャーになった土地との相性は抜群ですね。

ニッサの裁き》:支援2で自軍のクリーチャーを強化するだけでなく、一方的にこちらのクリーチャーが相手のクリーチャーにダメージを与えるので、実質的に除去しながら自軍のクリーチャーを強化でき、非常に強力です。

緑・コモン

忍び寄りドローン》:支援の都合で貴重な2マナ域であり、{C}で自分を強化できる、優秀なカードです。

末裔招き》:こちらも支援と相性が良い、1枚で2体のクリーチャーを展開できるカード。マナ加速として見ても優秀です。

鞍背ラガーク》:4マナで支援2は高速ビートダウンのお供としてはかなり良いスペックです。

無色とアーティファクト・アンコモン

次元の歪曲》:どの色からも飛んでくる除去なので、予測するのが難しく、プレイできたなら戦局を大きく変えることができる可能性があります。

歪める嘆き》:除去としても意外と機能し、ソーサリー打ち消しもモードとして嬉しいので、使い勝手の良い呪文です。

甲殻の外套》:呪文・装備どちらもコストとしては重い部類の装備品ですが、+2/+2威迫と強化されるステータスも高いので、詰めとして使用するには強力です。

無色とアーティファクト・コモン

予見者のランタン》:貴重な{C}マナ源。消耗戦の後の占術はそれだけでゲームを大幅に有利にします。

面晶体の這行器》:2マナであり、{C}マナの供給源となる、貴重なマナ・クリーチャーです。

形状の管理人》:警戒なので、攻撃しつつ、マナも供給できる「殴れる」マナクリーチャー。{C}マナ供給の面でももちろん役立ちます。

 

 以上、各色のトップ3でした。

 さて次は、『ゲートウォッチの誓い』参入後の注目アーキタイプをチェックしていきましょう!

4.『ゲートウォッチの誓い』の注目のアーキタイプ

注目のアーキタイプその1:緑白支援

 《鞍背ラガーク》や《探検の猛禽》等の強力な支援クリーチャーや支援呪文を集め、クリーチャーを育てながらビートダウンするアーキタイプです。

 支援持ちカードを集めるのはもちろんですが、それ以上に大事なのは1~3マナ域のクリーチャーです。支援持ちのカードばかり集まっても育てるクリーチャーがいないと価値が半減してしまうので、支援を最大限生活かせるように1~3マナ域、特に2マナ域は重要視して集めましょう。

注目のアーキタイプその2:青赤怒濤

 怒濤持ちで優秀な《ジュワー島の報復者》と《ゴブリンの自在駆け》を早いターンにプレイするのを目標とするアーキタイプです。

 このアーキタイプでは他であまり使わない《骨の鋸》や《促進》、《空間の擦り抜け》等の0~1マナのカードを上手く使うことで怒濤を早いターンに達成することができます。

 できる限り軽い構成にし、2アクションとれるターンをできる限り早め、強力な怒濤クリーチャーを高速召喚しましょう。

注目のアーキタイプその3:黒白盟友

 盟友の相方として相性の良い《吸血鬼の特使》を中心に、勝ち筋となる《ズーラポートの鎖魔道士》や《マラキールの占い師》で守り勝つアーキタイプです。

 白黒は除去が優秀なので、除去で相手の脅威を捌きつつ、盟友のシステムで蓋をするイメージでピックできるといいですね。

 《吸血鬼の特使》はライフを得ると能力が誘発する吸血鬼クリーチャーとの相性が良く、白黒路線のマスターピースのクリーチャーです。

 

 注目のアーキタイプは以上です。これからドラフトする際に参考にしてみてください。

5.既存アーキタイプの『ゲートウォッチの誓い』参入による変化

 もちろん、既存のアーキタイプにも大きな変化が発生します。ざっくりですが、以下のようになると思われます。

青赤欠色

 《棘撃ちドローン》をピックできる機会が3分の1に減少するため、欠色に寄せる理由が減りそうです。怒濤とのハイブリッドを目指すといいかもしれません。

青黒嚥下

 嚥下するカードが『ゲートウォッチの誓い』になく、昇華者もいないので青黒のシナジーデッキを組むのは難しいです。ただ青も黒もどちらも強い色なので、除去コントロール路線で生き残れそうです。

黒緑トークン

 《骨の粉砕》等のトークン活用カードが『ゲートウォッチの誓い』にないのでトークン路線は難しそうです。最強クラスのアンコモンである《ベイロスの虚身》が使えるカラーコンビネーションなので、アドバンテージで勝負する黒緑除去コントロールは作れそうです。

赤緑上陸

 コモンに上陸カードがないのでアーキタイプとしての存続は難しそうです。《鞍背ラガーク》等の支援でバックアップする赤緑ビートダウンになるのではないでしょうか。

白黒吸血鬼

 ライフを得る手段が同盟者カードにより増え、よりアーキタイプとして強くなりました。

青白覚醒

 覚醒カードが『ゲートウォッチの誓い』にないので青白で長期戦をするのは難しいかもしれません。素直な飛行ビートダウンになりそうです。

多色同盟者

 マナサポートが増え、多色は組みやすくなりました。同盟者も盟友シナジーでより集めることに意味があるので、強化されたアーキタイプです。

 

6.最後に

 さて、これで今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 この記事が少しでも、皆さんが新環境のドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。グランプリ・名古屋2016に参加予定の方は是非参考にしてみてください。

 プロツアー『ゲートウォッチの誓い』後には再度環境の振り返り、答え合わせ編をやりますので、そちらもよろしくお願いします。

 皆さんまた次回の連載の記事でお会いしましょう。それでは!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER