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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

第41回:コン・ボー

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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

2011.11.09

第41回:コン・ボー


 こんちには。渡辺です。


 先日、来年のイベントに関する新しい情報が発表されましたね。

 2012年イベント構造の変更について(その3)

 来年度から色々と変更になるだろうとは思っていましたが、やはり実際に発表されると面食らいますね。
 一番驚いたのは世界選手権の方式が変わること。
 今までのプロツアー形式ではなく、以前にあったマスターズに近い形式になるようです。

 この変更により、各国の選手権で上位入賞して世界選手権へ行くという今までのスタイルはなくなり、参加者の枠が激減されて、世界のトップランカーから誰が一番強いのかを競うというトーナメントになるようです。
 個人的には今までの各国の選手権で上位入賞→世界選手権へ!という流れが好きだったのと、今までの世界選手権は各国の友人と会える機会でもあったので、それが無くなってしまうのがちょっと悲しかったり。

 ただ、その年の世界最強プレイヤーを決めるイベントというのはかなり良い響き。
 参加するのは大変そうですが、どうにかして参加権利を獲得したいところです。
 これは来年は今年以上に頑張らないといけませんね。

 まぁその前に今年の世界選手権を頑張らないといけないわけですが・・・。


 ではそろそろ本題に移りたいと思います。 今週はイニストラード・リミテッドのコンボ特集をお送りしたいと思います。

 イニストラードが発売してから早一月。
 そろそろ皆さんもこの環境に慣れてきて、カードごとのシナジーやアーキタイプについて理解している頃かと思います。
 今回はそのカードごとのシナジーの部分で、コンボと呼べそうな組み合わせをいくつか紹介していきます。

 どんなカードがシナジーを作りやすいか知っておけば、ドラフトのピックやシールドの構築の際に、それを踏まえて判断することができますからね。
 では早速見ていきましょう。


不可視の忍び寄り》+《肉屋の包丁

 イニストラードを代表する凶悪コンボ。
 この連載の第35回でも軽く触れていますが、 呪禁+ブロック不可+絆魂というのは本当に簡単にゲームに勝ててしまいます。
 既に多くの方がこの透明人間に酷い目に遭わされていることでしょう。
 どちらもアンコモンですが、イニストラードのみを使う現在では思ったよりも揃いやすいですからね。

 また《不可視の忍び寄り》は《肉屋の包丁》以外にも、 《銀の象眼の短刀》でかなり早いダメージ源になったり、 《好奇心》で恒久的なドローソースになったりと、他のカードとの組み合わせもそれなりにあります。
 《不可視の忍び寄り》を確保したときは、これらのカードを優先的に確保するようにしましょう。


骸骨の渋面》+《マルコフの上流階級

 上記のコンボの劣化版。
 やっていることは上のコンボと似ていますが、除去やバウンスなどで対処可能だったり、先制攻撃持ちの前ではモジモジしてしまうので、対処されてしまうことも多いです。
 ただ、それらで対処されなかったときはパワー4の絆魂と再生持ちなので、かなりの効果を期待できます。
 大して強くないコモン同士のコンボなので、ドラフトでは比較的揃いやすいですね。
 イニストラードの黒はコモンのカードパワーが低いので、こういった小手先の組み合わせを駆使して頑張るようにしましょう。


裏切りの血》+《スカースダグの信者

 今回の「レイコマ・ハスク」コンボ枠。
 この名前は、それぞれ《命令の光》と《ナントゥーコの鞘虫》の英語名に由来し、一時的にコントロールを奪ったクリーチャーを生け贄に捧げて返却しない、というものです。

 イニストラードにはコモンにハスク能力を持ったクリーチャーがいないので、「サクり台」はアンコモンのクリーチャーを頼ることになります。

 《スカースダグの信者》は今回の一番の相棒で、相手のクリーチャーを弾丸にして簡単に2:1交換を取ることができますね。

 他の候補としては《グリセルブランドの信奉者》や《悪魔の長帷子》などがサクり台として機能します。

 一応コモンにも《祭壇の刈り取り》という相方がいますが、 単体で弱いカードなので《裏切りの血》が複数枚あったら使うくらいの感覚で。


縫い師の見習い》+《電位式巨大戦車

 《電位式巨大戦車》のアンタップ能力を《縫い師の見習い》で誘発し続けることで、《電位式巨大戦車》を有効的に使う組み合わせです。
 《電位式巨大戦車》はただ使っても強力なカードですが、こういった相方を用意して使うと、更に強力なカードになりますね。

 《縫い師の見習い》は他にも色々なカードとのコンボがあります。

 《電位式巨大戦車》と同じ要領で《ファルケンラスの貴族》や《カラスの群れ》の能力を誘発し続けることができたり、《スレイベンの歩哨》の変身条件を簡単に満たしてくれたり。

 墓地にゾンビが居ない状態なら《グール起こし》とのサイクルを形成することができます。
 《グール起こし》は対象を取っている能力ではないので、能力をスタックに乗せた状態で墓地に送れば自身を回収できるので、リソースを失わずにトークンを生成することができます。
 ただ、やっていることは5マナでトークンを1体出すだけなので、かなりマナ効率は悪いです。
 ですが知っているのとそうでないのはやはり違うので、こういうこともできるということを覚えておきましょう。

 あと《似通った生命》との組み合わせも夢があって良いですね。

 《縫い師の見習い》は多くのカードとコンボできるカードなので、相方になるようなカードの種類は把握しておくようにしましょう。


アンデッドの錬金術師》+《夢のよじれ

 《アンデッドの錬金術師》の上の能力は自分のゾンビがダメージを与えたときに誘発するものですが、下の能力は上の能力以外でライブラリーが削れた場合でも誘発します。

 なので《夢のよじれ》や《血まみれの書の呪い》のようなカードで、ダメージを与えなくてもゾンビを生成することが可能です。
 《アンデッドの錬金術師》があるのにゾンビが確保できなかったときでも、こういった方法で運用することができるのを覚えておきましょう。

 ただ《夢のよじれ》や《血まみれの書の呪い》は単体ではかなり弱いカードなので、できれば《縫い合わせのドレイク》や《死体の突進》のような墓地を使うようなカードも確保しておくようにしたいですね。


神聖なる報い》+《もつれ樹

 最後に紹介するのはどっかの殺人事件でも話題になった《神聖なる報い》を使ったコンボ。

 《神聖なる報い》はお互いにクリーチャーが一体づつ残る全体除去なので、使う場合は相手よりも強いクリーチャーを用意しておくのが必須条件になります。

 その条件を簡単に満たしてくれるのが《もつれ樹》。
 盤面を吹っ飛ばした後のタイマン勝負なら、余程のことがない限り《もつれ樹》の膨れ上がったサイズを越すクリーチャーが相手に残ることはありません。
 《神聖なる報い》は他の環境の全体除去よりも使いづらいカードですが、上手く使えた時の強さは「さすが全体除去!」といった性能なので、取れたときは相方となるようなクリーチャーを用意おくようにしましょう。


 今回はここまで。

 来週末には今年の総決算とも言える世界選手権が開催されます。
 冒頭でも触れましたが、今までの各国の代表が集まる形式での世界選手権は今年が最後。
 最後のお祭りとなってしまうのは残念ですが、しんみりせずに思いっきり楽しんでこようと思います。

 また、同じく今年で最後となるプレイヤー・オブ・ザ・イヤー(POY)レースもありますしね。
 現在の上位はこんな感じ。

2011 プレイヤー・オブ・ザ・イヤー順位 (11月2日現在)
順位 氏名 プロポイント 国名
1 Owen Turtenwald 54 アメリカ
2 Martin Juza 52 チェコ
3 Luis Scott-Vargas 48 アメリカ
3 Ben Stark 48 アメリカ
5 渡辺 雄也 47 日本
6 八十岡 翔太 44 日本
7 Paulo Vitor Damo da Rosa 41 ブラジル
7 中村 修平 41 日本

 僕は現状5位で、トップのOwen Turtenwaldとは7点差。
 正直かなり厳しい点差ですが、まだチャンスがないわけではありません。
 残るチャンスは今週末のグランプリ・サンディエゴと来週の世界選手権の2イベント。
 この二つでできるだけ良い成績を残して、逆転したいところですね。

 では今回はこの辺で。

 来週は世界選手権の為にお休みをいただきます。次にお会いするのは世界選手権が終わった後ですね。
 その時に何か吉報をお伝えできるよう頑張りたいと思います。

 それではまた再来週にお会いしましょう。

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