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戦略記事

石村信太朗の「よくわかる!リミテッド講座」

第2回:『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』」ブースタードラフト攻略

石村 信太朗


 皆さんこんにちは。

 前回よりリミテッドの解説記事を担当させていただいております。石村(@rizer1891)です。

 今回は最新セット『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』のドラフト環境についてです。ユニバースビヨンド環境のリミテッドももはや恒例となりました。原作の世界観を存分に味わいながら遊べる、一粒で二度おいしい魅力的な環境です。ぜひ多くの方に触れていただき、思い思いに楽しんでもらえればと思います。

 それではまずは環境のポイントから見ていきましょう!
 

1.『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』ドラフトのポイント

環境のポイント1:白は英雄、黒は悪人を集める

 『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』はヒーローとヴィランが対峙する舞台となっており、ヒーローの英雄は主に白に、ヴィランの悪人は主に黒に配置されています。

 

 サブタイプを参照するシナジーに加え、単体性能で英雄は短期戦向き、悪人は粘り強く長期戦向きという特徴もあります。陣営を寄せることで一貫性のあるデッキを組みやすくなるため、白や黒をドラフトする際はサブタイプを指針として活用しましょう。

環境のポイント2:パワーアップとチームワークを使う

 今環境では、ここ一番で真価を発揮する新能力「パワーアップ」が登場します。

  • パワーアップ ̶ [コスト]:[効果]。(パワーアップ能力はそれぞれ1回しか起動できない。これがこのターンに戦場に出たなら、コストをこれのマナ・コスト分減らす。)
 
 

 パワーアップは一体につき一回しか使えない起動型能力で、コストを支払うことで秘められしパワーを解放できます。戦場に出たターンに起動すればコストが割り引かれるため、後からプレイした際も即戦力として活躍してくれます。ドラフトでは中盤以降に余りがちなマナの受け皿として優秀で、序盤を支えながら終盤は大型戦力にもなれる、対応力の高い能力です。

 また、今環境にはパワーアップと同様に条件つきで強化される新能力「チームワーク」も登場します。

  • チームワークX(この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたがコントロールしている望む数のクリーチャーを、パワーの合計がX以上になるように選んでタップしてもよい。)
 
 

 チームワークはマナの支払いのほかにクリーチャーをタップすることで、呪文に追加のボーナスを与える能力です。タップという軽いコストで大きな見返りを得られ、条件を満たさなくても十分な性能を発揮するため、シンプルに強力です。

 どちらの能力も状況に応じて使い分けられる柔軟性が魅力で、序盤の小回りと終盤のカードパワーを両立できます。手軽にデッキの対応力と安定感を高めてくれるので、積極的に採用していきましょう。

環境のポイント3:カードアドバンテージを重視する

 今環境はクリーチャーが小粒でシナジーも緩やかなため、序盤から押し切るのは困難です。強力なレアも除去で対処されやすく、前のめりな戦略を取る場合でも消耗戦は避けて通れません。そのため、継続的なアドバンテージ源や付加価値のあるカードを重視することが重要です。リミテッドの基本である「質より量」が、今環境でも勝敗を左右します。

 

 消耗戦になりやすいとはいえ英雄や悪人によるビートダウンは苛烈なため、絶えず相手のクリーチャーに対処する必要があります。ただカードを引くだけのカードではなく、盤面に影響を与えながらおまけで手札が減らないカードを集めることが大事です。

 

 また手札こそ増えないものの、手札の質を上げることができる占術や諜報、悪人の一部が持つ謀議なども有効です。

  • 謀議 (カード1枚を引き、その後、カード1枚を捨てる。あなたが土地でないカード1枚を捨てたなら、謀議したパーマネントの上に+1/+1 カウンター1個を置く。)
 
 

 リミテッドの基本に忠実な構築こそが勝利への近道です。相手より長く戦い続けられるように工夫を凝らして粘り強いデッキを目指しましょう。

 環境の主要なポイントを抑えたところで、次は環境の注目アーキタイプを紹介していきます!
 

2.『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』ドラフトの主要アーキタイプ紹介

注目のアーキタイプ・その1:白英雄アグロ(難易度:★)

 「英雄アグロ」は、白の小型英雄クリーチャーを中心に前のめりに攻めるアグロ戦略が強力なアーキタイプです。

 白はコモンの低コストクリーチャーが粒ぞろいで、アンコモンにも優秀なアグロ向けクリーチャーが豊富です。安定して戦力を確保できるため、卓内の色分布にも左右されにくく、再現性の高いデッキを組みやすいのが魅力です。

 

 サポート呪文もどれも優秀で、白単色だけでもアグロデッキとして土台が完成しています。自由に2色目を選び、最強のビートダウンデッキを狙っていきましょう。

 

 白英雄アグロのイチオシカードは一押しカードは《S.H.I.E.L.D.スパイキット》。

 

 攻めながらドローの質を高められる唯一無二の存在で、完成度の高い構築を目指すなら欠かせません。タップして起動する能力持ちに装備することで攻撃しながら能力を使える点も優秀です。

注目のアーキタイプ・その2:黒赤/黒緑悪人ミッドレンジ(難易度:★★)

 「悪人ミッドレンジ」は、《ヒドラの戦闘員》や《ヒドラの支配者、バロン・ストラッカー》などの多面展開が得意な悪人で一大軍団を築き上げ、各種除去呪文でバックアップして押しつぶすミッドレンジ戦略が強力なアーキタイプです。

 

 レア悪人が豊富で《マダム・ヒドラ》を擁する赤黒で構築するのが主流ですが、豊富なコモン悪人と墓地シナジーを活かせる黒緑でも十分に成立します。

 

 攻めの起点となる《ヒドラの戦闘員》の条件をスムーズに達成することが重要なので低コストの墓地肥やしカードが大事です。デッキの柔軟性を高める土地サイクリングの価値が特に高く、副次的効果でタッチカラーの運用も得意なアーキタイプとなっています。謀議は土地以外を捨てたい能力のため、潤滑油となるカードを多く採用するなら、土地を1~2枚減らす構築も有力です。

 

 悪人ミッドレンジのイチオシカードは《ウィドウの嚙みつき》。

 

 序盤の除去として優秀なのはもちろん、威迫持ちの悪人トークンに接死を付与することで相手の戦力を大きく削ることができます。

注目のアーキタイプ・その3:青黒セカンドドロー(難易度:★★)

 「青黒セカンドドロー」は、《アトランティスの騎兵》や《時間の暴君、カーン》などの各ターン2枚目のカードを引いた時にボーナスがあるカードを、謀議などのドローサポートと組み合わせて効率よく戦うミッドレンジ戦略が強力なアーキタイプです。

 

 青黒は本来守備的な色ですが、今環境ではビートダウン側も消耗戦に強いため、受け一辺倒では押し切られがちです。攻防のバランスを意識し、むしろやや前のめりに構築する方が勝ちやすいです。カードアドバンテージが重視される環境で、カードを引きながら無理なくシナジーを発揮できる点が、このアーキタイプの強みです。《大胆不敵な生化学者》や《パワー喪失》などのやや守備寄りのカードもシナジーのおかげで攻防を問わず活躍してくれます。

 

 悪人ミッドレンジのイチオシカードは《ザ・ハンドの忍者》。

 

 純正のアグロ相手には守勢を強いられるため、序盤から確実に相討ちを狙える接死持ちは非常に頼れる存在です。パワーアップは相手ターンにも使えるため、相手の手札が空でもドローフェイズに起動すれば手札破壊を活用できます。

注目のアーキタイプ・その4:青赤アーティファクト(難易度:★★★)

 「青赤アーティファクト」は、青の飛行クリーチャーを装備品などで強化し、アーティファクトシナジーのドローサポートで後続を用意して粘り強く攻めるアグロ寄りのミッドレンジ戦略が強力なアーキタイプです。

 

 デッキを優秀なアーティファクトで埋め尽くすことは難しいため、アーティファクトシナジーはおまけのボーナスとして捉え、シナジーに寄せることにこだわりすぎない方が無難です。他のアーキタイプで扱いづらいカードを活用できるだけでも十分な強みです。

 

 青赤アーティファクトのイチオシカードは《ウルトロン・ドローン》。

 

 パワーアップ能力が強く、堅実な戦力となります。《ワカンダの発明家、シュリ》でコピーする対象としても優秀です。

注目のアーキタイプ・その5:緑青+1/+1カウンター(難易度:★★★)

 「緑青+1/+1カウンター」は、《ワンダゴアの騎士》や《蟻軍団の指揮官、アントマン》といったアタッカーに、《訓練メニュー》などから+1/+1カウンターを乗せて攻めるアグロ寄りのミッドレンジ戦略が強力なアーキタイプです。

 

 +1/+1カウンターのシナジーは攻めが強いが守りは弱いため、攻防を切り替えられる呪文を厚めに採用するなどしてバランスを取りましょう。

 

 +1/+1カウンターのシナジーカードは希少なため、流れが悪い時は、《潜伏スクラル》や《アントマンの軍勢》などのマナ・ランプから、大型クリーチャーや《アトランティスの襲撃》に繋ぐランプ戦略に切り替えていきましょう。

 

 緑青+1/+1カウンターのイチオシカードは《卓越した観察眼、エコー》。

 

 序盤を支え、終盤はアドバンテージ源となる優秀なクリーチャーです。豊富なマナを活かせる青緑と特に相性が良く、一度しか使えないはずのパワーアップの倍化も狙えます。

 環境の主要アーキタイプを抑えたところで、次の項では一歩踏み込んだ「リミテッドコンボ」についてをお届けします。
 

3.『ストリクスヘイヴンの秘密』ドラフトのステップアップ講座

 本連載は基本的に入門的な内容を扱っていく予定ですが、このコーナーでは一歩踏み込み、発展的な内容について解説していきます。

 今回のテーマはリミテッドにおけるコンボについてです。

 カードゲームの華であるコンボは、もちろんリミテッドにも存在します。ボムレア+墓地回収や飛行+装備品のようなシナジーも広い意味ではコンボの一種ですが、中にはひとたび揃えばたちまちゲームを終わらせてしまう強力なコンボも存在します。

 環境に慣れてきたら、ひと味違った戦略としてコンボを狙ってみるのもおすすめです。今環境では特に赤がシナジーとコンボの中心となっています。

 《猛火の最高潮》と《チーム戦術》の大ダメージコンボはシナジーと称するには決定力が高すぎますし、《全身武器、アイアンフィスト》と《豹の急襲》の二面処理コンボは手軽に戦況を一変させます。

 
 

 《フォトン・ブラスト一斉射》は相方候補が多く、《ヤング・アベンジャー、ホークアイ》との全体除去コンボや、《レッド・ハルク》との一撃必殺コンボは、ボムレアすら凌駕しうる今環境でも屈指の強力な勝ち筋です。

 

 2枚コンボだけでなく、デッキ全体で成立する構築戦さながらのギミックデッキを目指す楽しみ方も十分に味わえます。今環境は基本土地サイクリングを使って多色化しやすく、色に縛られない柔軟な構築が可能です。4枚揃うと無限ループのコンボを形成するファンタスティック・フォーの集結すらも、ハードルこそ高いものの不可能ではありません。

 
 

 今回紹介したのはほんの一例に過ぎず、赤以外の色にも工夫のしがいがあるカードは数多くあります。ゲームスピードが比較的緩やかで、デッキを掘り進めるカードを採用しやすい今環境はコンボに挑戦しやすいため、この機会にぜひ是非チャレンジしてみましょう。

 構築ほど安定してパーツを集められないぶん、コンボが決まったときの爽快感は格別です。また、コンボを意識するとカード単体の強さだけでなく、「何と組み合わせると化けるか」という視点でピックできるようになり、環境理解も深まります。結果として、普段は見落としがちなカードの価値を再発見できることも少なくありません。経験は強さになります。たまには手慣れた勝ち筋を離れ、ロマンあふれる一手や自分だけの勝ち筋を追い求めてみるのも、リミテッドならではの醍醐味です。
 

4.最後に

 今回の記事は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スーパー・ヒーローズ』環境はボムレアの爽快感と知識と経験によるフィードバックのバランスがよく、お手本のような楽しいドラフトを遊べる環境なので是非とも皆さん遊び倒しましょう。そしてこの連載が少しでも皆さんがドラフトを楽しむ助けになれば幸いです。

 それではまた次回お会いしましょう。

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