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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
第30回:NO.1?グランプリ・上海優勝への軌跡 シールド編
読み物
渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
2011.08.24
第30回:NO.1~グランプリ・上海優勝への軌跡 シールド編
こんにちは。渡辺です。
とりあえず本題に入る前にひとつだけ。
やはりこの話題に触れないわけにはいけません。
先週の金曜日に今年のプロツアー殿堂が発表されました。
日本人からは中村修平さんが見事殿堂入りを果たしましたね。
下馬評ではほぼ当確という話でしたが、実際の投票率も82%という圧倒的な数字での殿堂入りでした。
これは流石と言うしかありません。
中村さんには公私共にお世話になっているので、前々から目標であると語っていたプロツアー殿堂になれたのは一友人としても大変嬉しく思います。
僕がプロツアーに継続して参戦できるようになったのも、元はといえば中村さんのおかげですし、ここ数年一緒に世界を回って殿堂のために頑張っている姿を間近で見ていますからね。
本人にはもう直接言いましたが、ここでも改めて言わせて頂きます。
中村さん、殿堂入りおめでとうございます。
ではそろそろ本題に入りましょう。
今回は先週末に参加したグランプリ・上海について書こうと思います。
既にご存知の方もいると思いますが、今回のグランプリ・上海は優勝という最高の結果を残すことができました。
最近は最後まで勝ちきれないことが多かったので、今回の結果は非常に嬉しいです。
ということで今回の実践編は、グランプリ優勝までの軌跡を書いていきます。
参加人数は630人。
アジアのグランプリにしてはかなりの人数が集まり、珍しく初日9回戦となりました。
まぁ上海は交通の便がかなり良いというのがあったのかもしれません。日本人参加者だけでも50人を超えるほどでしたからね。
とりあえずプロレベルによる3Byeがあるとはいえ、二日目に進出するためには2敗以上の成績が必要なので、できるだけ良いパックを貰いたいところ。
では初日にもらったカードプールを見ていきましょう。
初日シールド
{W} | {U} | {B} |
1 《ギデオンの法の番人》 1 《雪花石の魔道士》 1 《鎧の軍馬》 1 《グリフィンの乗り手》 1 《大石弓の精鋭》 1 《流浪のグリフィン》 2 《歯止め》 1 《絆魂》 1 《平和な心》 1 《力強い跳躍》 1 《天界の粛清》 1 《忘却の輪》 2 《天使の慈悲》 1 《審判の日》 |
1 《珊瑚マーフォーク》 1 《魅惑するセイレーン》 1 《マーフォークの物あさり》 2 《空回りのドレイク》 2 《幻影のドラゴン》 2 《思案》 1 《飛行》 1 《氷の牢獄》 1 《マナ漏出》 1 《予言》 |
1 《夜の子》 1 《出征路のグール》 1 《貪る大群》 1 《血怒りの吸血鬼》 1 《グレイブディガー》 1 《縫合グール》 1 《肉体のねじ切り》 1 《死の印》 2 《墓暴き》 1 《破滅の刃》 2 《困窮》 1 《精神腐敗》 1 《忌まわしい容貌》 1 《災難の瀬戸際》 1 《魔性の教示者》 |
{R} | {G} | {0} |
2 《ゴブリンの付け火屋》 1 《ゴブリンの投火師》 1 《松明の壁》 2 《焦熱のヘルハウンド》 1 《骨砕きの巨人》 2 《ショック》 1 《ゴブリンの手投げ弾》 1 《投げ飛ばし》 1 《反逆の行動》 1 《チャンドラの憤慨》 1 《溶岩の斧》 1 《火の玉》 |
1 《ラノワールのエルフ》 1 《ルーン爪の熊》 1 《聖なる狼》 1 《隠れ潜む鰐》 1 《棍棒のトロール》 1 《暴走するサイ》 1 《秋の帳》 2 《剛力化》 1 《不屈の自然》 1 《帰化》 1 《垂直落下》 1 《アラクナスの蜘蛛の巣》 1 《栄華の儀式》 1 《寄せ餌》 |
1 《順応する自動機械》 1 《錆びた歩哨》 1 《崩れゆく巨像》 1 《ペンタバス》 1 《クラーケンの目》 1 《大剣》 1 《ドルイドの物入れ》 |
とりあえずカードプールを貰ったらレアのチェック。
基本セットのシールドは極力パック内の強力レアを使いたいので、自分のカードプールの何色にレアがあるかをしっかり見ておきます。
僕の貰ったカードプール内で目ぼしいレアは《審判の日》《ペンタバス》《ドルイドの物入れ》の3枚。
何色でも使えるアーティファクトに、爆弾レアの《ペンタバス》とシールドのような長期戦で真価を発揮する《ドルイドの物入れ》があるのは素直に嬉しいですね。
ではパックの色別に強さを見ていきましょう。
白
《審判の日》を擁する白は、除去が《平和な心》《忘却の輪》とあるので出来れば使用したいところ。
生物が弱いので他の色の生物で代用したいところですね。
青
クリーチャーはあまり強くなく、カウンターも少なく正直使いたくないレベル。
2枚ある《幻影のドラゴン》は相手のデッキにかなり依存するので、できれば使用は避けたいです。
正直レアも《精神の制御》も《マーフォークの物あさり》も無い青には人権は無いですね。
黒
クリーチャー陣は可も無く不可もなく。
除去も《破滅の刃》《肉体のねじ切り》とあって《精神腐敗》や《困窮》などのハンデスもあるのでそこそこな印象。
赤
《ショック》2枚《チャンドラの憤慨》《火の玉》と除去はあるものの、クリーチャーがとことん貧弱な赤。
4枚の除去は魅力ですが、流石に生物陣がお通夜なのでこれは使えないですね。
まぁ《火の玉》だけタッチする感じで。
緑
見所が《棍棒のトロール》くらいしかなく、使いたいカードもこれといって無いので一番最初に使う候補から外れました。
各色の評価はこんな感じ。
正直に言ってしまうと、あまり強いパックとは言えないですね。
とにかくどの色もクリーチャーが不足しています。
まともに戦線を支えられるようなクリーチャーが少ないのがかなり厳しいですね。
なのでこの際クリーチャーは諦めて、パックの中の優秀な呪文をできるだけ使うことにしました。
ということで組んだデッキがこちら。
9 《沼》 7 《平地》 2 《山》 -土地(18)- 1 《ギデオンの法の番人》 1 《雪花石の魔道士》 1 《夜の子》 1 《出征路のグール》 1 《貪る大群》 1 《大石弓の精鋭》 1 《グレイブディガー》 1 《錆びた歩哨》 1 《流浪のグリフィン》 1 《ペンタバス》 -クリーチャー(10)- |
1 《肉体のねじ切り》 1 《平和な心》 1 《破滅の刃》 2 《困窮》 1 《忘却の輪》 1 《精神腐敗》 1 《災難の瀬戸際》 1 《魔性の教示者》 1 《審判の日》 1 《火の玉》 1 《ドルイドの物入れ》 -呪文(12)- |
完成したデッキは白黒にタッチで《火の玉》を入れたもの。
シールドらしい後手仕様のコントロールデッキです。
クリーチャー陣は《ペンタバス》以外頼れそうなものがいませんが、その分を2枚の《困窮》や《精神腐敗》などの手札破壊で相手の攻め手を場に出る前に対処する構成にしました。
除去もパック内にあるカードをできるだけ入れるようにして、出来るだけコントロールしつつ最終的には《ペンタバス》で勝つというゲームプラン。
《魔性の教示者》が《審判の日》にも《ペンタバス》にもなるので、擬似的に枚数を水増しして頑張る感じです。
正直お世辞にも強いデッキとは言えませんが、今回もらったカードプールではこれしか組みようがないので仕方ないですね。
今回のシールドはパックが弱かったら先手を取るような前のめりのビートダウン、所謂「クソビート」を組もうと思っていたのですが、パック内の生物があまりにも貧弱すぎてそれもできませんでした。
何とか4勝2敗くらいで二日目にいけたらいいなぁと思っていたのですが、初日の成績はなんと5勝1敗。
1敗は普通に相手のデッキが強くて負けてしまいましたが、他のマッチは上手く《審判の日》が刺さったり《ペンタバス》が無双したりする展開が多かったです。
《魔性の教示者》で擬似的に枚数を増やせたのでそういった展開にしやすかったというのもありましたね。
それと2枚入っている《困窮》が非常に良い働きをしてくれました。
このデッキは基本的に除去を使いたいようなクリーチャーが《ペンタバス》くらいしか入っていないので、相手は手札に除去を温存する展開になることが多く、中盤から後半に引いてくる《困窮》が腐るということが少なかったです。
クリーチャー陣の弱さがデッキの構成と上手い具合に噛み合いました。
このデッキで初日1敗は運が良かったです。
このまま2日目のドラフトについて書きたいところですが、紙幅の関係上、それはまた次週ということにします。
では今回はこの辺で。
また来週お会いしましょう。
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