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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

第29回:ナベとコンボとえむじゅうにっ!

読み物

渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

2011.08.17

第29回:ナベとコンボとえむじゅうにっ!


 皆さんこんにちは。渡辺です。

 今まで毎週月曜日掲載だったこの連載ですが、今回から水曜日掲載に変更になりました。
 特に内容が変わるわけではありませんが、改めてよろしくお願いします。


 そういえば先週の金曜日に、プロツアー・フィラデルフィアのフォーマットがエクステンデッドからモダンに変更になりましたね
 イベントの3週間前にフォーマットが変わるという前代未聞の試みですが、個人的には大賛成です。
 これはまぁ至極個人的な理由で、前々からモダンというフォーマットに興味を持っていたのと、最近のエクステンデッドは以前に比べて使用できるカードプールが狭くなっていて、一昔前に比べて「エクテンらしさ」が薄くなっているように感じていたからです。何というか、強いカードが最近使ったものばかりで、スタンと比べてあまり新鮮さを感じなかったんですよね。

 ですが今回のフォーマット変更で使用できるカードが大幅に増え、更に沢山の禁止カードを出すことによって、今やモダンは「誰も知らないフォーマット」になりました。
 今までの準備は水の泡となりましたが、それはプロツアー参加者全員に言えること。
 今頃プロツアーの参加者達は過去のデッキやカードリストを見て、躍起になってデッキを考えているでしょう。
 僕も色々試行錯誤しながらモダンのデッキを考えている毎日です。
 3週間という短い時間でこの広大に広いカードプールの中から、プロたちはどんなデッキを持ち込んでくるのか。
 今から楽しみですね。


 ちょっと前置きが長くなりましたね。ではそろそろ本題に入りましょう。
 今回はM12リミテッドコンボをいくつか紹介していきたいと思います。

基本セット2012

 M12は基本セットなので効果がシンプルなカードが多く、コンボと呼べるような組み合わせはあまり多くはないのですが、それでも何種類かのコンボは存在します。
 やはりそういった組み合わせを知ってるかどうかは、実際のピックや構築にも影響が出てくるので、こういった機会にまとめて紹介しようかと。

 最近はモダンをやりつつ、今週末にあるグランプリ・上海と来月にあるプロツアー・フィラデルフィアに向けてM12ドラフトの練習もしているので、その練習の中で自分で使って強かったor相手に使われて強かったコンボをいくつか紹介していきますね。


聖なる狼》+《霊魂のマントル

 「呪禁+オーラ」はM12リミテッドの基本コンボです。
 特に《霊魂のマントル》は呪禁持ちクリーチャーの一番の対処法であるコンバットでの対処ができなくなるので、ほぼ無敵のクリーチャーを作ることができます。
 実用的な呪禁生物である《聖なる狼》と《エイヴンの瞬翼》は両方ともコモンで出現頻度が高いので、この二種類とオーラのコンボは積極的に狙って行きましょう。


反逆の行動》+《小悪疫

 《反逆の行動》は《投げ飛ばし》や《貪る大群》などとのコンボが多いカードですが、個人的に一番強いと感じたのは《小悪疫》との組み合わせ。
 《小悪疫》は自分が損をしないように打つにはタイミングを選ぶカードですが、《反逆の行動》で相手のクリーチャーを奪って《小悪疫》のコストにできれば、いつ打っても強いカードになりますからね。

 《小悪疫》は癖の強いカードですが、リソースの変動が激しいカードなので上手く使えれば強いカードです。
 《反逆の行動》以外にも、《ロック鳥の卵》や《組み直しの骸骨》などと組み合わせて使いたいですね。


ゴブリンの付け火屋》+《縞瑪瑙の魔道士

 去年の連載でも紹介したゴブリンの付け火屋》+接死コンボのM12版。
 去年のエルドラージ覚醒の時はあまり使いたくなかったカードだった《ゴブリンの付け火屋》ですが、M12環境ではタフネス1クリーチャーが多く、メインスペックのクリーチャーとなりました。
 相方の接死を付けるカードも《縞瑪瑙の魔道士》と格段に強くなったので、実用的に狙えるコンボとなりましたね。

 一応補足しておくと、《ゴブリンの付け火屋》が接死を持った状態で墓地に置かれると、墓地に落ちたときに発生する1点のダメージにも接死が付いているので、好きなクリーチャーを倒すことができます。
 詳しいことは去年の連載で触れているのでそちらをご覧ください

 2枚ともパーマネントなので盤面で見えているコンボですが、逆に見えている分、かなりのプレッシャーになるので、どちらかが取れたらもう片方を意識してピックするようにしたいですね。


崩れゆく巨像》+《投げ飛ばし

 《崩れゆく巨像》で殴って《投げ飛ばし》でドーン! 14点!!
 すいません何かテンション上がっちゃいました。

 まぁ見ての通り《崩れゆく巨像》で殴って、生け贄に捧げる前に《投げ飛ばし》のコストにするという単純なコンボです。
 かなりダメージ効率の良いコンボなので、赤いビートなどの最後の一押しにどうぞ。


棍棒のトロール》+《寄せ餌

 普通は1回限りしか使えない《寄せ餌》ですが、再生能力持ちの《棍棒のトロール》につけることで《寄せ餌》の能力を何度でも使うことができます。
 場に残り続けるので《棍棒のトロール》よりもサイズの低いクリーチャーは一方的に討ち取っていけるため、盤面も相当有利になりますね。
 緑同士のカードの組み合わせでクリーチャーに対処できるので、かなり実用的なコンボです。
 《寄せ餌》の付ける先として《大いなるバジリスク》も優秀なので、《寄せ餌》が取れたときは狙ってみてはいかがでしょう?


戦嵐のうねり》+《ペンタバス

 最後に紹介するのは強力レア同士のスーパーコンボ。
 《ペンタバス》の能力でトークンを出し入れしつつ《戦嵐のうねり》の能力でダメージを飛ばすというコンボです。
 どちらも強力なレア同士、かつ重いカードなので成功率はかなり低いですが、実際に1度だけ決まったことがありました。
 決まったときの強さは流石に圧巻で、相手の盤面もライフも一瞬で吹き飛んでいきました。流石はレアコンボ。
 狙ってやるには厳しいですが、揃ったときの強さは群を抜いているので、機会があれば是非試してみてください。


 今回はここまで。

 文中でも触れていますが、今週末にはグランプリ・上海(リンク先は英語情報ページ)が行われます。
 M12リミテッドで行われる今回のグランプリ・上海は、地理的なこともあってか多くの日本人が参加するようです。
 母数が多ければそれだけチャンスも増えるということ。参加する日本勢の活躍を期待したいしましょう。
 自分も良い成績を残せるように頑張りたいと思います。

 では今回はこの辺で。また来週お会いしましょう。

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