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Daily Deck -今日のデッキ-

羽ばたき飛行機械アグロ(フリーフォーム)

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羽ばたき飛行機械アグロ(フリーフォーム)

Melissa DeTora

2015年7月9日


 本日ご紹介する「オリジン・ストーリー・デッキ」は、きっと皆さんの多くがちょっと首をかしげるものでしょう。一見「デッキ」とは呼べず、ただのカードの束のように見えるはずです。信じられないような話ですが、マジックが登場した当初は40枚以上であれば他に構築のルールはありませんでした。そのため、カードを好きなだけデッキに入れることが可能だったのです! 60枚以上でカード1種類につき4枚まで、という現在のルールは、1994年のはじめにトーナメントが行われるまでなかったのでした。

 その年に『アンティキティー』が登場すると、幼いイーサン・フライシャー/Ethan Fleischerはある新カードに夢中になりました――それが《羽ばたき飛行機械》です。マナを支払わずにプレイできるクリーチャー! あの「Mox」や《Black Lotus》と同じくらい強いに決まってる、そう思うでしょう?

 イーサンは可能な限りの《羽ばたき飛行機械》を集め、初めてのデッキを組み上げました。あまりに強力な0マナのクリーチャー《羽ばたき飛行機械》を中心にした、テンポ・アグロ・デッキです。《羽ばたき飛行機械》による攻撃を可能にし、カードの束をデッキとしてまとめ上げる1枚は《不安定性突然変異》でした。《不安定性突然変異》は、マジック黎明期の極めて強力なカードです。当時はクリーチャー除去が目立たず、またクリーチャーに+3/+3の修整を与えるという能力は青にとってとても貴重なものでした。それから、このカードはかなりの時間がかかるものの除去呪文としても機能し、意外と多才なのです。

 このデッキのプランは、1ターン目に《羽ばたき飛行機械》を1体以上繰り出し、続くターンに可能な限りの《不安定性突然変異》を貼りつける、というものです。2ターン目には《不安定性突然変異》2枚で6点。そして3ターン目にはもう3枚追加で13点。《不安定性突然変異》を5枚引き込めば、これが実現できます。

 このデッキはシンプルでアグレッシブなものでしたが、不幸なことにイーサンは1ゲームも勝つことができませんでした。しかしその経験こそが、のちに偉大なデッキ・ビルダーとなりマジックのデザイナーとなる彼を支える、土台となったのでした。2010年、彼は「グレート・デザイナーズ・サーチ2」にて優勝を果たしました。ウィザーズ社のデザイナーになって約5年。イーサンは様々なセットのリード・デザイナーを務めてきました。あの《羽ばたき飛行機械》の日々から続く長い道のりを、彼は確かな足どりで歩み続けています。

Ethan Fleischer -「羽ばたき飛行機械アグロ」[MO] [ARENA]
13 《

-土地(13)-

13 《羽ばたき飛行機械

-クリーチャー(13)-
14 《不安定性突然変異

-呪文(14)-
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